活動データ
タイム
07:15
距離
8.3km
のぼり
908m
くだり
904m
活動詳細
すべて見る今回の旅は、半ばやけくそになって決めた天狗岳。何時に無くテンションが下がっていた我々は、とても消極的な気持ちで長野へ向かうことにした。 しかし、そんな天狗岳を蔑ろにする気持ちを天狗様は全て見透かしていた。この旅で起きた出来事は、全て天狗様の祟りだったのだ。 事の始まりは1週間前に遡る。今夏の一大イベントであった「北岳リベンジマッチ〜流星と雲海を堪能する旅〜」は、梅雨明けのまさかの長雨によって無残に潰えようとしていた。日にちが経っても天気は好転せず、出発の3日前、ついに隊長が重い口を開く。 「北岳は諦めよう」 重い空気がのしかかる。 1年前の夏、早朝の芦安の旅館からトンボ帰りした時から打倒北岳を掲げていた我々は、その事実が受け入れられなかった。 出発の2日前、Bプランが発せられた。「雨中の苔道を楽しむ天狗岳〜シャレオツにビーフシチューを食す旅〜」 悪くない。けど、全然テンションは上がらないし、誰も天狗岳を調べようとしない。カッパ持っていけばいいんでしょ程度。相変わらず暗い雰囲気。女々しい隊員達である。 出発当日、4時30分に家を出て隊員を回収し、首都高をひた走る。前日にまさかの天くらA。各々日帰りの予定を立ててしまったので、今更北岳には変更できなかった。悔しい思いで全員寝不足。 天狗様があざけ笑っているように思えた。 中央道で渋滞にハマり、唐沢鉱泉に着いたのは8時30分過ぎ。駐車場は満車だった。みんな待ちに待った晴れだったんだと気づき、気を取り直して天狗岳に入る。 連日の雨で潤った苔に朝日が差し込む。少しひんやりした空気がすごく気持ちいい。これぞ八ヶ岳。 徐々に気分が上がってきた頃、木々の合間から下界をみるとまさかのガスが。そのままゴーロ帯へ突入するが、ガスはどんどん濃くなり視界はほぼゼロに。 なんだか嫌な予感。 すると、湿った岩に足を滑らせ腓腹筋を強打するという第1の悲劇が起きる。CW-Xを履いてなかったら、流血騒ぎになるところだった。 天狗め... なんとか西天狗岳に着き補給タイム。隊長がグアムのお土産のSpikeコーヒーを持ってくると聞いたので、ここはお洒落にまとめなくてはと前夜カルディで仕込んだポロショコラをお披露目。持ってきたナイフですいすい切り取り配る。我ながらスマートと思った瞬間、隊員Nの指先にナイフが刺さるという第2の悲劇が。 天狗様の祟りはまだまだ続く。 東天狗岳から黒百合ヒュッテへ向かうゴーロ帯の中、サコッシュの隙間から飛び出したカメラが岩にクラッシュ。フラッシュ部分がめり込んで壊れるという第3の悲劇が起こる。 畳み掛けるように第4の悲劇。ヒュッテへ到着後、建物を撮影しようとカメラを取り出した瞬間、放り投げるように手からすり抜け、またもや地面に激突。悲鳴を上げて休憩者の注目を浴びる。 けれども、この衝撃で壊れたフラッシュが元どおりになるという奇跡が。天狗様、まさかの優しさ発動。 祟りによって、黒百合ヒュッテのビーフシチューが売り切れているのではと戦々恐々としたが、ここは無事セーフ。 このビーフシチューはとても美味しかった。今まで食べた山小屋メシ史上No.1かもしれない。 もしや天狗様、機嫌を取り戻された?このあとは下るだけだし、もう悲劇は起きないかも。誰もがそう思っていた。 しかし、長々と続く下り道、最後の悲劇が隊長を襲う。濡れた苔に足を滑らせ落下。豪快に膝を打ちつける。そういえば隊長、さほど被害を受けていなかったと妙に納得。ひとがカメラ落として悲しんでいるのに、腹を抱えて笑った天罰じゃ。 それぞれがダメージを負い、満身創痍ながらも、なんとか帰還。 帰りの中央道、山梨県の記録的短時間大雨に遭遇し、大渋滞に巻き込まれるというオマケ付きで今回の旅は終了。 天狗岳はもう行かない、たぶん。 注)今回の記録は一部フィクションとなっております。降りかかった悲劇は個々の不注意等から発生したものであり、天狗様の祟りによるものではありません。たぶん。
活動の装備
- ミステリーランチ(MYSTERY RANCH)X-40
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