雌阿寒岳

2015.07.12(日) 日帰り

チェックポイント

DAY 1
合計時間
4 時間 21
休憩時間
11
距離
6.1 km
のぼり / くだり
809 / 810 m
6
1 46

活動詳細

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トムラウシを登り、東大雪荘で英気を養い、朝食もしっかりいただき、登山道具や車の寝床も整理して、団体ツアーを見送って阿寒に向かった。その日は雌阿寒岳までの移動にしていたので、ゆったりとした気持ちで運転することができた。 阿寒湖はこれで何回目だろう。中学の修学旅行、学生時代の自転車旅行、バイクツーリング、結婚してからの車の旅行、家族キャンプ、結構きていることになる。でも、その当時は北海道の山らしき山登りはしていなかったので、雌阿寒岳ももちろん初めてだ。 阿寒湖にチョットばかり挨拶し、雌阿寒岳温泉駐車場に車をセットした。トイレも近いし、車もさほど無くベスポジを確保できた。 そこに大きな釧路ナンバーのキャンピングカーのオーナーが声をかけてくれ、ビールを酌み交わすことにした。奥さんが作った夕食も余っているのでご馳走してくれた。 このキャンパーは一回家を出ると3、4ヶ月日本の何処かを周っているとのこと。僕より10歳ほど年上だが、実に身体も気持ちも若い。ビールがなくなると焼酎もでてきた。明日大丈夫かな。でも、久しぶりに長いしっかりした楽しい会話の時間が過ぎていく。なんだかんだといっても普段より圧倒的に話すことが少なく、お互いに言葉に飢えていたのかもしれない。 その方は北海道ではかなり有名な登山家で昔アルパインガイドの著者でもあり、中国、カラフト、ソ連にも遠征に行ってた人であることがわかった。物腰が柔らかく、自慢している風でもなく、こっちも気持ちが良くなり、僕は山ではないが自分が若かったころの経験話をしてお互いにリスペクトしあった。 今回の旅でお会いした中で、またいつかお逢いしたい人の一人になった。 十勝岳で会った夫婦の方から雌阿寒岳と斜里岳は少し舐めていたら、舐められました。と言っていたので、僕はどんな山も舐めることをしないことを心に決めていた。 5時、雌阿寒岳温泉をスタート。 樹木の中を歩き始める。樹海といった方がいいのか、今もなお活動している火山の山であるが、麓は深い樹木で覆われている。 どうも僕は張り出ている枝に頭をおもいっきり打つことが多く、何故そうなるのかを解明しながら歩くことにした。結局、明確な答えは見つけることができず、前方注意が不足していることと、遠近両用レンズのために視野が狭くなっていることくらいで茶を濁すことにした。 それにしても、全く予期していない時に浴びたヘッドバットはプロレスの大木金太郎の頭突き以上かもしれない。《大木金太郎を知っている人いるだろうか?》 そんなくだらないことを考えて歩いていると樹林帯を抜け、オンネトーが見えてきた。下界は少し雲が掛かっているところがあるが、次第に雲が切れてき始めてきた。 阿寒湖も少し顔を出してきた。雌阿寒岳の山頂はまだ顔を出してはいない。登山道は森林限界を越えもう枝で頭を打つことの心配はいらない。 硫黄の臭いで息苦しさを感じるようになってきた。 オー、河口が見える。火山の蒸気とガスの煙でやっぱり火山活動の最中の山であることをしっかり認識できる。 もうここまできたら、山頂は間近だ。風向きでガスの臭いがしなくなった。喉がやられなくてすみ、楽に呼吸ができる。 7時15分、雌阿寒岳山頂。 何度も訪れた阿寒湖を初めて眼下にすることができた。どういう訳か、マリモ羊羹が思わず恋しくなった。それ程、僕には阿寒といえば湖を連想するのだろう。 雄阿寒岳も見ることができた。 下山はオンネトールートを計画していたが、ガスの臭いがそっちにまわっているかもしれないので、来たルートを下山することにした。 少し行動食を口にして、15分位経ってから下山を開始した。 それにしても火口は恐い唸り声と臭気を発して人間を脅かしている。脅かしているというのではなく、地球は活きているんだよってのを感じ取らせてくれているのかな。 火山活動を目に焼き付けてながら下山していくと、登ってくる人たちとかなり遭遇した。 声をかけ励ました。若い女の子も多く、挨拶と励ましは無意識に倍の量の声を掛けたかもしれない。 やがて、嫌な樹林帯に入ってきた。枝を頭に当てなかったら何かご褒美をあげよう、何がいいかな。なんて考えて歩いていた。 下からツアーらしき団体の方が登ってきたので、道を開け待っていると、先頭のリーダーの方が僕に声を掛けてきた。『上はどうでしたか?』僕は『大丈夫、阿寒湖も見えましたよ』と返答した。リーダーの優しい笑顔に見覚えがあった。 あ、そうだ。BS NHK百名山の幌尻岳をガイドしていた方だ。渡渉を勉強する為に何度もビデオを見ていたので、記憶は確かだと思った。思わず『あの、失礼ですが、NHKに出ていた方ですよね?』と尋ねた。『ええ、まあ』嬉しい返事であった。 昨日から、山の人によく出逢うな。雌阿寒岳は出会いで忘れることがない山になりそうだ。 過激なヘッドバットももらうことなく、雌阿寒岳温泉駐車場に9時15分到着。 昨日のキャンピングカーの方はもういなかった。教えてくれた、200円の温泉に浸かり、いい出会いの雌阿寒岳であったことに感謝して阿寒を後にした。

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