活動データ
タイム
20:51
距離
31.4km
のぼり
2709m
くだり
2712m
チェックポイント
活動詳細
すべて見るライチョウではありません。クマです。場所は湯俣岳へ登っていく竹原新道2000m付近でした。笹の揺れる音が風のとは違い「ガサッ」としたので、まさかと思い、少し歩のスピードを上げると、さらに「ガサガサガサ」と笹薮を破っていく音がしました。「マズイ」と思い、さらに早歩きにすると、ガサガサの音が自分に向かって倍増し急にスピードアップ。いっさい声にしませんでしたが、これは完全に狙われたと「ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ」と心の中では悲鳴をあげてました。直後、なんとも言えない低いうめき声が聞こえ(グォーッだかカタカナ表記できません)、登山道に出てきたクマが背中越しに見えました。その時幸いにも、登山道がS字状になっていて木と木の間の、ちょうどクマの死角となるスポットに入り込み、ダッシュはせず音を立てないようにそのまま早歩きで何とか撒くことができました。よく言われる、クマに遭遇したら背を向けてはいけない。対峙して後ずさりなんて言いますけど、そんな考えを与えてくれないぐらいのスピード感でした。そこからはテンションガタ落ちで、控えていた熊鈴を鳴らし始め、すれ違う下山者の方々には聞きたくないでしょうけど注意喚起をしました。知らぬが仏と言いますけど、いきなり遭遇するよりは何かしら準備があった方が良いだろうという思いからでした。 下山後、ゲートの管理人さんにこの話をしたら、やはり背を向ける行為が一番ダメなんだと、最近の熊には鈴、笛も効かなくなっている。管理人さんのお友達のマタギの方々によると、正面向いて近づいて来たら、物静かな雰囲気からいきなり恫喝するのが一番クマが逃げるのだそうです。ちなみに銃で仕留める時は10mぐらいまで引き付けてからぶっ放すそうです。そうは言っても、次に遭遇したら冷静に対峙することができるのかどうか…。やはり遭わないのが一番です。 野口五郎小屋にたどり着いた時はとっぷりと日は暮れてました。クマと竹原新道のアップダウンに疲労困憊だっただけに、小屋の方々に温かく労って頂いたのは救われる思いでした。自炊、明日の支度をし終えた頃にはちょうど消灯時間。4人部屋でお布団も1人1枚ずつでぐっすり眠ることができました。翌朝、出発も見送って頂きまして、小屋閉め前に訪れて本当に良かったです。 2日間通して眺望に恵まれましたが、気温が上昇し過ぎて、日中は半袖になってしまいたいぐらいの暑さでした。こんなんではライチョウもハイマツから出てくる気配もありません。会いたかったのはライチョウだったのに…。
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