活動データ
タイム
105:00
距離
0m
のぼり
0m
くだり
0m
活動詳細
すべて見る7/10 扇沢よりアルペンルート経由で室堂に入る 登山届けを提出する際に越中沢岳の下りでザイルが必要になるかもしれないと注意をされた。細引しか持参しなかったので迷ったが、どうしても必要ならその時点で引き返すことも考慮するということで出かけることを決断。周囲には雪がかなり残っている。午後は高所順化も兼ねて室堂周囲を散策。ミクリガ池周囲に好く肥えた雷鳥が雛を7羽連れて俳諧していた。 7/11 室堂から五色ヶ原 パートナーと二人で室堂山荘を出発。30名前後のツアーのパーティ数組と前後して一ノ越を目指して雪原を登る。にぎやかで楽しそうだ。一ノ越からは他のパーティは剣方面に向かっていった。急に山が静かになり、我々二人は龍王岳を目指す。途中、また雛を連れた雷鳥に出会う。標高が高いせいかこの個体は小柄でまだ冬毛が残っている。鬼岳に向かう。瓦礫の急な下りから獅子岳の先にザラ峠と五色ヶ原と山荘が遠くに見える。先は長いことを実感する。獅子岳に近くなると道が悪くなる。シーズン前のためか浮石が多く、足をとられないように注意して下る。梯子や鎖場を幾つか通過すると傾斜のきつい大きな雪田を続けてトラバースする箇所に出る。踏み跡はしっかり着いているので難しくはない。先行する二人のパーティも転倒しつつも下っていく。このあたりで二日前にシンガポール人の一行が動けなくなり、ヘリで救出されたとのこと。 ザラ峠まで下ると、今度は五色ヶ原に向けて登り返す。途中、ロープを頼りにガレ場を這い上がると唐突に木道が始まり、残りは小屋まで気持ちのいい高原歩きとなる。小屋に到着したときのビールがうまかった!小屋の主人には大変お世話になりました! 7/12 五色ヶ原からスゴ乗越し 小屋の主人から越中沢岳の先が時間がかかると説明を受けて出発。スゴ乗越し小屋の主人と連絡を取って下さり、越中沢岳の先の雪田にステップを切って下さるとのこと。ありがたい。朝一番で小屋から鳶山までは草原の縁を木道が次第に標高を上げて登っていく。最高に気持ちが良い。五色ヶ原はまだ1/3位雪に埋まっているだろうか。美しい光景だ。空気がうまい。途中、また子連れの雷鳥にひょっこり出会う。この個体もまだ冬毛が残っている。雛が雪田の上に出ると天敵に狙われやすいのであろうか、親鳥がハイマツの中に誘導していた。 越中沢岳が次第に大きくなると道が急に悪くなってくる。越中沢岳山頂は南北に長く、南端にあるピークで登山道が直角に薬師岳の方向に曲がる。すぐ先にあるコブを3つ超えた所にスゴの頭が眼下に見え、さらにその下方のスゴ乗越しから登り返した先に小屋の屋根が小さく見受けられる。越中沢岳山頂に環境省の小さな道標があり「近くて遠いはスゴの小屋 アップダウンが続くよ!」と書いてあった。全くその通りであった。越中沢岳からは浮石の多い急峻な砂礫の下りで神経を使う。スゴの頭までの間に一つずつコブを巻いていくがこれが意外と時間をとられる。巨岩帯の中、チムニー状の場所をザックと膝のフリクションを使って下りる。スゴの頭に着くまで気を使う。 スゴ乗越に到達すると登山道が大きな雪田の下に消えていた。悪いことに濃いガスが沸き方向がわからない。尾根筋をたどるが藪に突入し道らしき跡がない。富山側に出ても下草の濃い森林と土手。仕方なく藪を漕ぎながら雪に埋まった小さな沢を遡上していくと、さらに大きな急傾斜の雪田の下に出た。その縁を進むと赤ペンキとステップらしき跡が目視できて安堵した。スゴ乗越小屋の主人の労作だ。心から感謝。再び軌道に乗れたが陽が傾き気持ちが急く。融雪のため登山道が沢のような状態の中、小屋へ向けて登り返す。夕方のブユの活動時間帯に入り、耳の後ろや眼剣など20箇所ほど刺される。困ったことに左眼剣が腫れ視野障害が生じ遠近感に障害が出る。右目を頼りに登り続けるとひょっこり小さな雪田に出た。薄暗くなった中、森の中で黒い影が動き、一瞬、ストックで応戦する心構えをする。するとヘッデンがつき、小屋前で幕営している方と判明して安堵した。小屋に着くとご主人とスタッフの方が迎えて下さり、到着が遅れたことをお詫び申し上げる。豪勢な夕食を作って頂き驚いた。 夜中から風が強く、薬師岳越えの道程が気にかかる。翌朝起きると左眼剣の腫張がひいていない。疲れていたこともあり本日は停滞させて頂くことにする。小屋の主人とスタッフの方ともゆっくり話をさせて頂いた。冷蔵庫もがなく、月に一回の資材空輸でよくこのようなおいしい食事を工夫されていると、感心させられる。一日中、強風を伴う曇り。停滞して正解であった。 7/14 スゴ乗越しから薬師岳山荘 まず間山を目指す。朝から次第に風が弱まり、晴天となった。素晴らしい景色。空気もうまい。ぐんぐんと気持ちよく高度を上げていく。振り返ると立山方面の山々がよく見える。雪田が数箇所に残っており、融雪で池が出来ている。カリフォルニアのシエラネバダ山脈の高山の景色を想い出す。舟窪地形が多く残っており、底の池にはオタマジャクシが泳いでいる。この厳しい環境によく生きていられるものだ。北薬師岳から続く稜線に近づくと岩稜帯になってくる。テラスを這い上がると目の前に雷鳥がたたずんでいた。さらに急傾斜の大きな雪田を直上すると主稜線に出た。ここで薬師岳山荘のご主人のご子息にばったりお会いした。北薬師の山頂までの巨岩帯を案内頂いた。ありがたい。 北薬師からも所々岩稜帯の上り下りが続く。今日は比較的に風は穏やかであったが、突風の吹く中では神経を使うであろう。薬師岳山頂には立派な祠があり、昔から信仰の山であったことが感じられる。ここでリーダーが84歳という4名のパーティにお会いした。今朝折立から登られて来たとのこと。ご健脚に脱帽。 薬師岳からの下りは砂礫の道。眼下に薬師岳山荘、遠くに太郎平小屋が見える。小屋では富山市内で山荘の主人が経営される蔵の酒を頂く。香り高く美味なり!大吟醸は金賞をとられたとのこと、納得です。 7/15 薬師岳山荘から折立 小屋から少し進むと小さな雪田を幾つか通り、薬師平に注ぐ沢を下っていく。上部は雪がまだ豊かで雪渓上を下る。やがて雪がなくなり水が流れる沢の中を下って行くとまもなく薬師平の幕営地。水場でおいしい水を頂く。すぐに道が木道になると太郎平小屋に出る。 本来は黒部五郎岳、双六岳経由で新穂高まで行くつもりであったが、台風11号がまもなく四国、関西に上陸するとのことであったので、無理をせず折立に下ることにする。天候は快晴で気持ちのよい長い尾根道歩きであった。三角点を過ぎると急に樹林帯の中の急下降が続き辛抱を要求される。登山路右手の沢が浅くなった頃にひょっこり駐車場に出る。 梅雨末期にしては天気に大変恵まれた静かな山行であった。
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