徳本峠越え(クラシックルート)を歩く

2017.10.11(水) 日帰り

チェックポイント

DAY 1
合計時間
9 時間 34
休憩時間
42
距離
14.2 km
のぼり / くだり
1879 / 530 m
1 42
3 9
3 54

活動詳細

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昨年の秋、NHK-BSの「にっぽんトレッキング100」で、モデルの仲川希良さんが、「クラシックルート」と呼ばれる島々から徳本峠(とくごうとうげ)を経て上高地へ至る登山道を歩く番組を見た。その昔「日本アルプス」の名付け親であるウォルター・ウェストンも歩いたというルート。秋の七色に染まる峡谷の色彩が素晴らしいという。又、徳本峠から見る穂高連峰は他所から見るのとは一味違うものだという。「これは是非とも歩かなければ」と思っていたら、今年初めの島田ガイド事務所の企画の中に「水野ガイド森講座:歴史と紅葉探訪(徳本峠越え)」を見つけた。早速参加の申込をした。 今回は10/10夕方に新島々の石川旅館に集合し、前泊して翌日早朝出発する計画。朝、石川旅館の方が車で島々からの登山ルートの途中まで送っていただけるという。 島田ガイド事務所の水野ガイドと島田麻衣子ガイドに参加者7名はオッサンを除いて全て女性。いつもながら女性は積極的で元気だ。 10月11日、朝5:30石川旅館を出発、島々からの登山ルートを2つ目のゲートの更に先まで送っていただいた。1時間近く林道歩きをせずに済んだのではないかと思われる。石川旅館のご主人に感謝 ‼ 6:00、準備を終えてスタート。二俣まではV字谷の島々谷川沿いの林道歩き。日の出時間は過ぎているが太陽の光は谷の底までは届かないので、しばらく薄暗い中の林道歩きだ。上を見ると真っ青な空に月がきれいに見え、対岸の山の上部には日が当たり黄色く染まっている。好天のようだ。 二俣を過ぎると、それまでの林道歩きに変わって登山道となる。島々谷南沢に沿う昔からの古道歩きだ。人が歩きやすいところを選んで道が作られたためか、道は川を右に左にと何度も渡っていく。川の水量はたっぷりとあり、その流れる音が耳に心地良い。高度を徐々に上げて進む中、周りの風景の色の中に黄色がだんだん割合を増していく。川を流れる水も黄色く染まっているようだ。圧倒的な黄色の中に赤や橙や緑も交じって、ウォルター・ウェストンが「驚嘆すべき色彩の響宴」と評したのがよくわかった。 ワサビ沢を過ぎて少し行くと、対岸に大きなカツラの木が姿を現した。その横に小さな小屋が見える。岩魚留小屋だ。もう使われていないようで、今にも倒れそうな様子。カツラの巨木はまるでこの小屋を守っているような印象を受ける。甘いカツラの落ち葉の香りの中でランチタイムをとる。 岩魚留小屋を過ぎると、太陽の位置も南から西に変わって行くので、それまでの薄暗い谷歩きと変わって明るい登山道となる。登山道も徐々にその傾斜を増していく。時折、黄色の葉が目の前を風に舞って、花吹雪ならぬ黄葉吹雪だ。徳本峠まで1.9kmの道標を過ぎるあたりから振り返ると、後ろの山の斜面には緑の針葉樹の中にダケカンバ(?)の黄色がとてもきれいに見えた。水場の「ちから水」に到着。冷たい水で喉を潤す。この先はジグザグに切られた勾配のきつい坂が待っている。 約1時間の坂を登り切った目の前に、いきなり徳本峠小屋が現れた。最後の急坂は結構しんどかったが皆さんに遅れることもなく何とかたどり着いた。さあ、穂高は?と思って峠から西を見ると、何と穂高連峰はは雲に隠れて見えない。えーっ! 日暮れまでまだ時間はあるので、一旦小屋に入り、ザックを下ろす。着替えは要らないだろうということで車に置いてきたので、汗に濡れたシャツをそのまま着ていると急激に体が冷えてきて、指先が痺れるほどになってきた。体も少し震えてきた。水野ガイドに言うと「ちょっと低体温症の気配あり」とのことで、ダウンジャケット、さらにその上にレインウェアを着込み、湯を入れたペットボトルで手を温めるよう指示が出た。 ちから水から持ってきた水で沸かしたコーヒーを味わっていると、「穂高が見えるよー!」の声。カメラを持って外に出るとまだ雲はかかっているものの穂高連峰がその姿を見せている。写真を撮り、少し待っていると徐々に雲が晴れてきた。穂高連峰がほぼその全貌を見せ始めた。その先の笠ヶ岳も頭を見せている。見たかった絶景が目の前だ。島々からの標高差1400mを登ってきた甲斐があったというものだ。寒かったが暫く堪能するまで絶景を味わった。来て良かった。

霞沢岳 前泊した新島々の石川旅館。とても良い旅館だった。
前泊した新島々の石川旅館。とても良い旅館だった。
霞沢岳 石川旅館のご主人達が2台の車で、島々谷の登山口から発電所の先まで送って下さった。これは1番目のゲート。ご主人がゲートを開けているところ。
石川旅館のご主人達が2台の車で、島々谷の登山口から発電所の先まで送って下さった。これは1番目のゲート。ご主人がゲートを開けているところ。
霞沢岳 2番目のゲート。
2番目のゲート。
霞沢岳 ここまで送っていただいた。1時間程度短縮できたのではないか。
ここまで送っていただいた。1時間程度短縮できたのではないか。
霞沢岳 6:00過ぎスタート。二俣までは林道歩きだ。
6:00過ぎスタート。二俣までは林道歩きだ。
霞沢岳 対岸の山の上部に日が当たり始めた。上の方は黄色く染まり始めている。
対岸の山の上部に日が当たり始めた。上の方は黄色く染まり始めている。
霞沢岳 ノコンギク。まだ日が当たらず青っぽい。
ノコンギク。まだ日が当たらず青っぽい。
霞沢岳 大きな砂防ダム。
大きな砂防ダム。
霞沢岳 ここにもゲート。
ここにもゲート。
霞沢岳 「あっ、猿だ!」の大きな声。指差す方を見ると、吊橋のケーブルの上に大きな猿が座っている。写真を撮ろうとカメラを向けた途端にこっちに赤い尻を向け、対岸へ歩き始めた。
「あっ、猿だ!」の大きな声。指差す方を見ると、吊橋のケーブルの上に大きな猿が座っている。写真を撮ろうとカメラを向けた途端にこっちに赤い尻を向け、対岸へ歩き始めた。
霞沢岳 最近苔に嵌まっているいる水野ガイド。土留の石垣をびっしり埋め尽くす苔の撮影に余念がない。
最近苔に嵌まっているいる水野ガイド。土留の石垣をびっしり埋め尽くす苔の撮影に余念がない。
霞沢岳 振り返ると、太陽の光が当たった山がきれいだ。
振り返ると、太陽の光が当たった山がきれいだ。
霞沢岳 対岸の山の上には青空に月もくっきりと見える。
対岸の山の上には青空に月もくっきりと見える。
霞沢岳 クサボタンの綿毛。
クサボタンの綿毛。
霞沢岳 「戦国落人秘話」の説明板。
「戦国落人秘話」の説明板。
霞沢岳 非業の死を遂げた三木秀綱の奥方の死を詠んだ、折口信夫の一首を刻んだ供養碑。
非業の死を遂げた三木秀綱の奥方の死を詠んだ、折口信夫の一首を刻んだ供養碑。
霞沢岳 島々谷国有林の看板。
島々谷国有林の看板。
霞沢岳 二俣トンネル手前の分岐。林道はここまで。徳本峠へは左へ進む。
二俣トンネル手前の分岐。林道はここまで。徳本峠へは左へ進む。
霞沢岳 二俣。
二俣。
霞沢岳 ノコンギク。花弁が夜露に濡れている。
ノコンギク。花弁が夜露に濡れている。
霞沢岳 何の木だろう。花かと思ったが写真を拡大して見ると、黒っぽい実がついている。まだ熟していない緑色の実もついている。
何の木だろう。花かと思ったが写真を拡大して見ると、黒っぽい実がついている。まだ熟していない緑色の実もついている。
霞沢岳 二つの沢が合流。それで二俣の地名か?
二つの沢が合流。それで二俣の地名か?
霞沢岳 皆さん「あがりこサワラ」の説明板を熱心に読んでいる。左の大木が「あがりこサワラ」
皆さん「あがりこサワラ」の説明板を熱心に読んでいる。左の大木が「あがりこサワラ」
霞沢岳 「あがりこサワラ」の説明板。
「あがりこサワラ」の説明板。
霞沢岳 ここからいよいよ山道らしくなってきた。
ここからいよいよ山道らしくなってきた。
霞沢岳 三木秀綱夫人受難の碑。
三木秀綱夫人受難の碑。
霞沢岳 その説明板。
その説明板。
霞沢岳 行き橋を渡る。
行き橋を渡る。
霞沢岳 後ろから日が射してきた。
後ろから日が射してきた。
霞沢岳 これは戻り橋。
これは戻り橋。
霞沢岳 戻り橋。
戻り橋。
霞沢岳 沢の砂利の上の落葉。
沢の砂利の上の落葉。
霞沢岳 周りが黄色く染まってきた。川の水も黄色に染まっている。
周りが黄色く染まってきた。川の水も黄色に染まっている。
霞沢岳 桟道を歩く。
桟道を歩く。
霞沢岳 何の花か?ダイモンジソウに似ているが・・・。
何の花か?ダイモンジソウに似ているが・・・。
霞沢岳 ガレ場を歩く。
ガレ場を歩く。
霞沢岳 黄葉が多い中、紅葉も。
黄葉が多い中、紅葉も。
霞沢岳 これはキノコか?
これはキノコか?
霞沢岳 変わったキノコ。
変わったキノコ。
霞沢岳 渡渉も時々あります。
渡渉も時々あります。
霞沢岳 二俣から2.6km。岩魚留まで2.6km。ここが中間点。
二俣から2.6km。岩魚留まで2.6km。ここが中間点。
霞沢岳 高度が徐々に上がるにつれ黄葉が増えてくる。
高度が徐々に上がるにつれ黄葉が増えてくる。
霞沢岳 対岸の黄葉は輝いている。
対岸の黄葉は輝いている。
霞沢岳 これは間違いなくダイモンジソウ。
これは間違いなくダイモンジソウ。
霞沢岳 沢の水量はたっぷり。
沢の水量はたっぷり。
霞沢岳 また桟道だ。滑らないよう気をつけて歩こう。
また桟道だ。滑らないよう気をつけて歩こう。
霞沢岳 渡渉したり、橋を渡ったり、沢の右岸左岸を行ったり来たりしながら、少しづつ高度を上げていく。
渡渉したり、橋を渡ったり、沢の右岸左岸を行ったり来たりしながら、少しづつ高度を上げていく。
霞沢岳 黄金のように輝く黄葉。
黄金のように輝く黄葉。
霞沢岳 大きな岩の横を通る桟道の手摺が落石でへこんでいる。崩れた岩がまだそのままなので、最近落石したものか。
大きな岩の横を通る桟道の手摺が落石でへこんでいる。崩れた岩がまだそのままなので、最近落石したものか。
霞沢岳 脆そうな岩だ。
脆そうな岩だ。
霞沢岳 ツリバナ、のようです。
ツリバナ、のようです。
霞沢岳 黄色真っ盛り。
黄色真っ盛り。
霞沢岳 これはキノコ?
これはキノコ?
霞沢岳 ちょっと急登です。
ちょっと急登です。
霞沢岳 黄色の絨毯的な小岩の道。
黄色の絨毯的な小岩の道。
霞沢岳 ワサビ沢を渡る。
ワサビ沢を渡る。
霞沢岳 ワサビ沢。
ワサビ沢。
霞沢岳 目の前に岩魚留小屋が。横には有名なカツラの巨木。
目の前に岩魚留小屋が。横には有名なカツラの巨木。
霞沢岳 岩魚留橋を渡る。
岩魚留橋を渡る。
霞沢岳 本当に大きなカツラだ。辺りはカツラの落葉の甘い香りが漂う。
本当に大きなカツラだ。辺りはカツラの落葉の甘い香りが漂う。
霞沢岳 今は使われていない岩魚留小屋。
今は使われていない岩魚留小屋。
霞沢岳 岩魚留小屋の看板。標高1260m。
岩魚留小屋の看板。標高1260m。
霞沢岳 今にも倒れそうな岩魚留小屋。
今にも倒れそうな岩魚留小屋。
霞沢岳 岩魚留の案内板。このあたりの沢には岩魚が生息しているようだ。
岩魚留の案内板。このあたりの沢には岩魚が生息しているようだ。
霞沢岳 カツラの巨木の向こうに紅葉が見える。
カツラの巨木の向こうに紅葉が見える。
霞沢岳 カエデか?
カエデか?
霞沢岳 ハウチワカエデのようだ。
ハウチワカエデのようだ。
霞沢岳 何度見ても巨大なカツラ。
何度見ても巨大なカツラ。
霞沢岳 このカツラも巨木だ。
このカツラも巨木だ。
霞沢岳 黄色に染まる沢沿いのルートを進む。
黄色に染まる沢沿いのルートを進む。
霞沢岳 こちらは橙色。
こちらは橙色。
霞沢岳 黄、橙、赤。中には黄色の葉の一部が赤くなっているのもある。
黄、橙、赤。中には黄色の葉の一部が赤くなっているのもある。
霞沢岳 ツリバナ。
ツリバナ。
霞沢岳 一枚に赤・黄・緑が入り混じった葉。
一枚に赤・黄・緑が入り混じった葉。
霞沢岳 又、橋を渡る。
又、橋を渡る。
霞沢岳 グラデーションがきれいだ。
グラデーションがきれいだ。
霞沢岳 黄色に染まる。
黄色に染まる。
霞沢岳 黄色の世界を歩く。
黄色の世界を歩く。
霞沢岳 高度を上げるにつれて黄色が増えていくようだ。
高度を上げるにつれて黄色が増えていくようだ。
霞沢岳 言葉がない。
言葉がない。
霞沢岳 黄色の世界にサルノコシカケ。
黄色の世界にサルノコシカケ。
霞沢岳 赤もあります。
赤もあります。
霞沢岳 徳本峠まで1.9km。
徳本峠まで1.9km。
霞沢岳 又、沢を渡る。
又、沢を渡る。
霞沢岳 この細い木は何だろう?
この細い木は何だろう?
霞沢岳 後ろの山の緑の中の黄色はダケカンバか?
後ろの山の緑の中の黄色はダケカンバか?
霞沢岳 白い変わったキノコ。
白い変わったキノコ。
霞沢岳 高度を上げ、沢から離れて周りが明るくなってきた。
高度を上げ、沢から離れて周りが明るくなってきた。
霞沢岳 ・・・。
・・・。
霞沢岳 ダケカンバが群生している。
ダケカンバが群生している。
霞沢岳 ちから水に着いた。
ちから水に着いた。
霞沢岳 水野ガイドは2Lのプラティパス2つに給水。後でコーヒーを淹れてくれるとか。湧いている水は冷たくておいしかった。
水野ガイドは2Lのプラティパス2つに給水。後でコーヒーを淹れてくれるとか。湧いている水は冷たくておいしかった。
霞沢岳 こちらは黄色から橙色へのグラデーション。
こちらは黄色から橙色へのグラデーション。
霞沢岳 苔の中に毛が生えているようなキノコ?
苔の中に毛が生えているようなキノコ?
霞沢岳 黄色真っ盛り。
黄色真っ盛り。
霞沢岳 エンレイソウの実だろうか?
エンレイソウの実だろうか?
霞沢岳 徳本峠まで後1km。
徳本峠まで後1km。
霞沢岳 ようやく徳本峠に到着。
ようやく徳本峠に到着。
霞沢岳 期待していた穂高連峰は雲の中。
期待していた穂高連峰は雲の中。
霞沢岳 徳本峠小屋。手前の旧館はつっかえ棒で支えられている。後ろは新館。
徳本峠小屋。手前の旧館はつっかえ棒で支えられている。後ろは新館。
霞沢岳 峠の宿徳本小屋。
峠の宿徳本小屋。
霞沢岳 旧館内部。天井が低く、頭を打ちそうだ。
旧館内部。天井が低く、頭を打ちそうだ。
霞沢岳 旧館は登録有形文化財となっている。
旧館は登録有形文化財となっている。
霞沢岳 こちらは新館の1階食堂。
こちらは新館の1階食堂。
霞沢岳 「穂高が見えた」の声で出て見ると雲はあるものの、穂高連峰が見えた。
「穂高が見えた」の声で出て見ると雲はあるものの、穂高連峰が見えた。
霞沢岳 ・・・。
・・・。
霞沢岳 しばらくすると雲が徐々に減ってきた。左側ちょこっと見えるのは笠ヶ岳。
しばらくすると雲が徐々に減ってきた。左側ちょこっと見えるのは笠ヶ岳。
霞沢岳 笠ヶ岳をズームアップ。
笠ヶ岳をズームアップ。
霞沢岳 ついに穂高連峰が見えた。
ついに穂高連峰が見えた。
霞沢岳 山肌もはっきり見える。
山肌もはっきり見える。
霞沢岳 穂高連峰のパノラマ写真。
穂高連峰のパノラマ写真。

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