穂高~槍縦走(夏のじっくり山行)

2015.08.06(木) 3 DAYS

チェックポイント

DAY 1
合計時間
9 時間 50
休憩時間
1 時間 4
距離
19.1 km
のぼり / くだり
1965 / 491 m
DAY 2
合計時間
10 時間 48
休憩時間
1 時間 15
距離
8.9 km
のぼり / くだり
1108 / 1200 m
1 52
1 30
1 19
1 4
21
6
3
21
10
DAY 3
合計時間
7 時間 32
休憩時間
26
距離
20.5 km
のぼり / くだり
477 / 1848 m

活動詳細

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ここの所、日帰り山行が続き忙しかったので、今回はじっくり 歩くコースをチョイスした。 兼ねてから目標にしていた穂高岳~槍ヶ岳の縦走。 日本の高い山Top10のうち5つを踏破する贅沢なコース。 そして、このコースは涸沢~北穂の急降下と大キレットがある。 8月は午後になると天候が崩れることが多く、行動はリスクがある。 なので稜線の小屋で1泊、翌日午前中に難所を通過する計画にした。 1日目 初日は稜線へのアプローチ。 天気予報は曇り時々雨。実際に空の様子を見るとイマイチ。 悩んだ末に稜線へのアプローチはザイテングラード経由にした。 ゆったりと歩いて15時過ぎに穂高岳山荘に到着。 山荘に宿泊の申し込みをして、夕食までの2時間で奥穂高岳に 登頂した。 遅い時間なので暫くの間山頂を独り占め。(超贅沢) 雲は多いけれど、幸いにして雨がふる気配は無かった。 結果論だけど、吊尾根方面から登山者がやってくるのを見て、 自分も吊尾根経由にすればよかった、と残念に思ったりした。 2日目 今日が正念場。 睡眠は十分、時間もたっぷりある。 まずは涸沢岳に登り、山頂でゆっくりコースを眺めた。 気力を溜めてから涸沢岳~涸沢槍間の下降を始める。 高度感はかなりあるけど、探せばしっかりステップの岩がある。 (でも浮石や落石には注意) 涸沢槍からの降りは更に傾斜がアップ。 序盤から筋力と集中力をフルに求められるけれど、慎重に 手と足を掛ける岩を選んで降りた。 最低のコルまで降りれば難所は終わりと思っていたけれど 北穂への登り返しにも油断できない岩場があった。 決して南行なら楽というわけではなさそう。 焦らずにゆっくり歩くとやがて北穂高岳南稜に到着。 (標識が無かったためかスルーしてしまった) 北穂高岳の北稜は某大学の学生で一杯だった。 やはり夏山シーズン真っ只中なので人が多い。 とても混み合っていたので写真を取った後北穂高小屋へ移動した。 飲み物を買い、水分を補給しながら大キレットをじっくり眺める。 北穂高小屋出発は9:40になった。 ここで、登山マップの標準コースタイム通り(13時)で南岳へ 到達できない場合は南岳小屋で宿泊すると決めて出発。 序盤は谷底へ吸い込まれるような勢いで降り続ける。 鎖やハシゴをこなして、ひたすら降ると飛騨泣きがやってくる。 大キレット北行の行程で特に難しいのは、飛騨泣きからの降りと A沢コルから長谷川ピークまでの区間と感じた。 飛騨泣きからの降りの道中には大量の浮石が積み上がっていて、 一歩でもコース外にでたり、コース上でも足の踏み場を間違えると 落石を起こす。 飛騨泣きを越えて安心した所にやってくるので、歩くときは不用意に 一歩を踏み出さないように細心の注意が必要。 A沢のコルはザックを置いて休息できる平場だけれど、 そこから長谷川ピークまでは、人一人が通過するのがやっとの ナイフリッジが続く。 飛騨泣きから降る時に向かってくる人が見えたら、A沢のコルで 待機するのがベターかもしれない。 でも、今回自分はそこまで注意が至らず、長谷川ピークの手前で 韓国人30人規模のグループと鉢合わせした(滝汗) 向こうは危険ゾーンから「こっちにこい」と手振りして来る。 普通の感覚ならば広いスペースで待機して危険ゾーンでは 立ち止まらないと思うけど、考えなしに数珠繋ぎでやってくる。 そんな所から更に、自分の後続のUSから来たと思われる方が 通過しようとするカオスな状態になった。 最終的に話が通じそうなUSの方に韓国人が一杯来ることを説明 して、2人でナイフリッジ上の狭いスペースに退避。 危険ゾーン付近で10~20分待って韓国人を全員パスさせた。 (完全に失敗で、素直にA沢のコルで待っていたほうが楽だった) 長谷川ピーク手前で時間と気力をロスしたものの、その後は比較的 穏やかなトレイルが続く。 やがて、大キレットを歩いている間ずっと見えていた南岳南側の 断崖が近づいてきた。 斜面をよく見ると、長いハシゴや岩場をこなす登山者が分かる。 ルートは明快だけれど強度の高い登りが20~30分続く。 (南行ではここの岩場が結構難しいかもしれない。) 梯子をこなした後ひと登りすると、木で整備されたトレイルに 変わり難所は終了した。 なだらかな斜面に建っている南岳小屋には13時ごろに到着。 失敗もあったけどほぼオンタイムで大キレットを踏破した。 泊まるのも有りだけれど15分ほど休憩して槍へ向かうことにした。 少々時間が遅いので、同じ方向へ向かう登山者はほとんどおらず 静かな稜線散歩になった。 南岳から20~30分ほど歩くと雷が鳴り始めた。 周囲を見ると、飛騨側から競りあがるように雲が上がってくる。 そして雷は笠ヶ岳の方向から鳴っていた。 一旦天狗原方面に降りることも考えたものの、周囲の風向きから 急に天候が崩れる事は無いと読み行軍を続行した。 長閑なトレイルを巻きで歩き、15時半すぎに槍ヶ岳山荘に到着。 空いていたら槍の穂先に登ろうと思ったものの、人が多く時間が 掛かりそうだったので明日にお預けにした。 今回は槍ヶ岳山荘ではなく、去年お世話になったヒュッテ大槍へ 向かった。 16時過ぎと少し遅い時間になったけれど無事に山小屋に到着。 でも、中に入ってみると「仕込みの関係で宿泊は予約した人のみ」 との紙が張られていた。 仕方ないので殺生小屋に泊まろうかと思いつつ、小屋番の方に 詳しくお話を聞いたら素泊まりならば受付OKとのこと。 ということで素泊まりさせていただいた。 宿泊の受付時に今日の行程を書いたら、マスターが 「頑張りましたね」と言葉を掛けてくれた。 その後、持ってきていた食料を自炊して、夕焼けの槍を 眺めながら食事した。(なかなか風流) 3日目 朝食を待つ必要が無いので4時に起きて準備を開始。 ヒュッテ大槍を5:30に出発した。 東鎌尾根を登って6時過ぎに槍ヶ岳山荘に到着。 槍の穂先には人が一杯取り付いていた。 混んでいる時に槍の穂先を登るのは賢くない。 少し様子をみることにして、山荘でクロワッサンを食べ、 紅茶を頂いてのんびりした。 食事後に再び穂先を眺めるけれど、あまり状況は変わって 居ない様子。このまま待ち続けるのも得策でないので、 見切りをつけて穂先へのアタックを開始した。 穂先には7時半過ぎに到着。 人が一杯なので、一通り景色を見て写真を撮ったあと、 人の流れに任せるように下降を開始した。 が、しかし、なかなか列が動かない。 様子を見てみると、先に降る数十人のグループの年輩の方が、 梯子と鎖が連続するゾーンで動けなくなっていた。 ガイドが必死にコース取りを指示していたけれど、非常に 危険と感じた。 槍の穂先に登る人は多いけれど、決して万人向きではなく 自らの体力と技量にあった登山の重要性を再認識。 アタック完了後、水の補給など済ませて8時過ぎに山荘を出発。 13時前に上高地へ戻ってきた。 今回の山行で得られた教訓は、難所ほどルート取りと足の 置き場の確認は重要ということ。 今度、時間があるときにボルダリングをやってみようかな、 と思ったのでした。

活動の装備

  • モンベル(mont-bell)
    アルパイン カーボンポール カムロック

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