晩夏の納涼 － 犬鳴山

南海「泉佐野」からバスで30分。 犬鳴温泉有する犬鳴山(いぬなきさん)には山名にまつわるこんな話がある。 この山域で猟師が狩りをしていた際、突然連れていた犬が激しく鳴きだし、獲物が逃げてしまった。 怒った猟師は犬の首を刎ねたが、犬は落とされた首だけで動き、 今まさに猟師に襲いかかろうとしていた大蛇に噛み付いて共に果てた。 犬に命を救われたと気付いた猟師は、これを悔いて僧となり犬を供養した。 これ以降、山名が一乗山から犬鳴山に改められた。 もののけ姫を思い出したのは、僕だけだろうか。 そんな逸話が残る犬鳴山のハイキングコースは傾斜がゆるく、木陰が気持ち良い。 傍には犬鳴川も流れ、バーベキューや川遊びをする家族連れも多い。 その中で目を引くのは、あちらこちらに置かれている偶像だ。 お稲荷さん・不動さん・七福神・水掛地蔵・狸・龍とバラエティに富んでいる。 表情も柔和な微笑みから険しい顔つきまで様々だ。 これらのおかげで涼だけでなく、神聖な空気も味わえる。 もちろんトップシーズンも良いだろうが、夏にこそ歩いてみたいコースだ。