活動データ
タイム
08:17
距離
15.0km
のぼり
1472m
くだり
1670m
活動詳細
すべて見る2017年4月29日、雲取山へテント泊へ向かうために奥多摩駅前の東日原行きのバス停に並んでいると、「情報提供を求める」チラシを静かに配っている女性に出会った。 東日原→天目山→蕎麦粒山→鳥屋戸尾根→川乗橋の登山計画の途中で行方がわからなくなっている55歳男性の情報を求めるチラシだった。 私と同じ年。配っている女性が娘さんなら私の娘とも年齢が近そうだ。とても他人事には思えない。 バス停に並んでいた年配の方が「まだ見つからないの?」と声をかけた。娘さんは黙ってうなずいて静かにチラシを配り続けていた。胸が痛かった。 雲取山を歩きながらGW後にこのルートを歩いてみようと考えた。自分にできることがあるような気がしていた。 GW後に同じルートで計画を立てて、念のために奥多摩警察署に電話して最新の情報を聞いてみた。 GW中に見つかったとのこと。それ以上の詳しいことは話せないとのことだった。 一端は行く必要がなくなり計画は中止としたが、心のどこかで同じルートを歩いてみようと思っていた。 6月の感謝祭で奥多摩に詳しいてっちゃんにこの話をしてみた。私が行く時はご一緒しますよと言ってくれた。 11月のオフ会でガッツさんにも声をかけて今回の3人でも山行きとなった。 安全登山を心がけた。 東日原からヨコスズ尾根までは最初に杉林の中を急登。その後はヨコスズ尾根を快適に歩く。今回のルートの山々も確認できる。 木々の葉が落ちて左右の山々を眺めながら快適に歩ける。 途中に右の谷に切り立った急斜面を横切る場所が何箇所かある。落ち葉と隠れ石や根っこに注意して歩く。 1000mを超えると一部雪道となっていたが、その雪道も楽しく歩いた。 登山口から2時間半で一杯水避難小屋に到着。そこから約20分で天目山山頂だ。 あまり広くない山頂ながらその景色は絶景だ。雪をまとった富士山が美しい。都心のビル群も見える。 小春日和、山が静かに眠っている。私たちはその美しさにしばし見とれた。 頂上まで出会ったのは追い越された二人と一人で下りて来た方のみ。山頂は貸切状態。てっちゃんの用意した鶏ちゃんこを頂く。 これがまた美味い。富士山を眺めながらの食事は贅沢だなーと思った。 いい山だ。素敵な山なのに人気がないのは中級クラスということと、絶大な人気の雲取山や鷹ノ巣山のせいだろう。 今回は忘れ物をせずに食後のコーヒーを淹れ、ガッツさんのマシュマロ菓子に挑戦した。 頂上で一時間過ごして、仙元峠から蕎麦粒山へ向かう。ブナ林の素敵な尾根だ。振り返ればさっき登った天目山の3つの峰が見える。 天目山は東京側の名称で、三ツドッケは埼玉側の名称のようだ。三つのピーク、トッケ、尖った峰という意味らしい。 仙元峠は昔、秩父と奥多摩を結ぶ要所だったようだ。蕎麦粒山で年配の登山者お二人と出会う。私達が下る鳥屋戸尾根から登って来たという。途中のトラバースに気を付けるようにアドバイスを頂いた。 鳥屋戸尾根(とやどおね)は破線ルート。標識も目印のテープも少ない。踏み跡を慎重にたどる。 途中で迷いそうな場所に小さな手作りの案内板が3ヶ所あった。比較的新しくマジックで書いたような気がした。 この案内板は重要だ。鳥屋戸尾根を歩く人は写真に撮った標識を確認して欲しい。 鳥屋戸尾根は破線ルートを外れて歩かないことが重要だと思う。 年配の方の言われたトラバースは雪道の横断ではなく急斜面の横断の意味だったかもしれない。 途中に慎重に歩かないといけない場所が2か所あったのでその場所のことだったと思う。 てっちゃんの的確なルート探しとガッツさんのYAMAP位置確認でチームとしての威力を発揮して安全に下山できた。 一人で歩く時に足もとに注意しすぎると目の前の小さな案内板を見逃すかもしれない。 落ち葉、雪道、破線ルートは特に注意して集中して歩くことが大切だと思った。 自分への約束のルートを歩いて、ソロで歩くことも多い私にとって気づきの大切な時間となった。 心強い仲間とたくさん話せたことも幸せだと思った。 ご一緒いただいたてっちゃん、ガッツさん、ありがとうございました。 下山後、川乗橋のゲート横にあるお地蔵さんに感謝と祈りの気持ちで手を合わせました。合掌。 No.2017-07「約束の場所へ」 小春日和のなか 二日前に降った雪を踏みしめて天目山へ登った 山眠る、静かな山々を眺めながら歩いた 春に出会ったあなたとあなたのお父様のことを思いながら歩いた 私は何の情報も提供できなかったが ずっと気になっていた山々を巡ることができた 大好きなお父様の突然の悲しみは深く すべてのことが悔やまれるかも知れない しかし 天目山は素敵な山だと思った 今回のルートも魅力あるルートだと思った 迷いそうな場所には誰かが案内板に新しく鮮明に文字を書き込んでいる 山を愛したお父様が繋げてくれたものがあると感じた 私たちも安全に登山する事の意味を考える機会をいただいた そんなことを思った そんな思いを少しでも多くの方に伝えらればと思う 大好きなお父様への思いは 私たち登山者をやさしく包んでくれていると思う 自分への約束の場所は 安全という約束を確かめる場所になった ありがとうと祈りの気持ちを伝えます 2017/12/10 kiyo
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