薬莱山

2018.02.11(日) 日帰り

チェックポイント

DAY 1
合計時間
3 時間 18
休憩時間
34
距離
4.3 km
のぼり / くだり
380 / 380 m
1
1 1
29

活動詳細

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平成30年の建国記念日は、『薬莱山』へ出かけてきた。 薬莱山は、宮城県北西部に位置し、山形県境と接する『加美町』の中央部にそびえ立つ山だ。標高は553mほどであるが、周囲の平野部にあってよく目立つ端正な山容から、『加美富士』の異名を持つ。また、その裾野にはお花畑や地ビール園、パークゴルフ場など様々な観光開発がなされており、冬季にはスキー客でも賑わう、一大リゾート地となっているのだ。 そんな薬莱山であるが、古くから様々な伝説が語り継がれている山でもあり、もちろん登山道も整備されている。先述の通りの低山であるため、比較的手軽に登れることで知られているが、冬になると一転して、深い雪に覆われる山路でもある。従って、雪山に挑戦するのは今シーズンが初めてとなる筆者にとっては、経験値を積むのに適した山の一つと判断した次第だ。 ともあれそんな訳で、先週の泉ヶ岳に続く雪山ハイクはこちらに決定。時折目にする国旗に、2678年前の伝説に思いを馳せつつ、冠雪の『加美富士』への憧憬を胸に、車を走らせ続ける筆者であった。

薬莱山 スキー客でにぎわう駐車場に車を停めたら、いそいそと準備を整え、登山口へ。
なお、当然ながらこの地域では、雪が連日降り続いているようで、駐車場では重機が除雪作業に勤しんでいた。
スキー客でにぎわう駐車場に車を停めたら、いそいそと準備を整え、登山口へ。 なお、当然ながらこの地域では、雪が連日降り続いているようで、駐車場では重機が除雪作業に勤しんでいた。
薬莱山 駐車場から道路を渡り、桜並木の舗装路へ。鳥居が立っているため、入り口は非常に分かりやすい。
駐車場から道路を渡り、桜並木の舗装路へ。鳥居が立っているため、入り口は非常に分かりやすい。
薬莱山 登山道はスキー場の片隅からスタート。『薬莱山』の名前から想像できるように、山頂には薬師様が祀られているそうで、登山口にも鳥居が建っていた。
ここでワカンを装着し、いざ雪路へ突入だ。
登山道はスキー場の片隅からスタート。『薬莱山』の名前から想像できるように、山頂には薬師様が祀られているそうで、登山口にも鳥居が建っていた。 ここでワカンを装着し、いざ雪路へ突入だ。
薬莱山 降雪量が多いためか、トレース跡は不明瞭。コンパスで確認しうる、大まかな方向だけを頼りに進むことになった。
降雪量が多いためか、トレース跡は不明瞭。コンパスで確認しうる、大まかな方向だけを頼りに進むことになった。
薬莱山 ……とはいえ、気が付くとわざわざ登りづらい箇所へ突っ込んでしまっていることもしばしばで、結局YAMAPアプリで自己位置を確認しては、軌道修正することに。特に、谷状の地形は避けた方が良いらしいということが、この日最初の教訓となった。
……とはいえ、気が付くとわざわざ登りづらい箇所へ突っ込んでしまっていることもしばしばで、結局YAMAPアプリで自己位置を確認しては、軌道修正することに。特に、谷状の地形は避けた方が良いらしいということが、この日最初の教訓となった。
薬莱山 雪のない時期には、この道標はどのような姿で佇んでいるのであろうか。
雪のない時期には、この道標はどのような姿で佇んでいるのであろうか。
薬莱山 悪戦苦闘しつつ急登を上り終えると、山頂へ続くなだらかな稜線へ。
しかし、この辺りから徐々に吹雪が吹き始めた。
悪戦苦闘しつつ急登を上り終えると、山頂へ続くなだらかな稜線へ。 しかし、この辺りから徐々に吹雪が吹き始めた。
薬莱山 薬莱山には北峰と南峰の二峰がある。
雪庇に気を付けながら少し歩いて、まずは南峰に到着だ。
薬莱山には北峰と南峰の二峰がある。 雪庇に気を付けながら少し歩いて、まずは南峰に到着だ。
薬莱山 南峰には冒頭に述べた薬師堂が建っているが、御覧の通り雪に埋もれてしまっていた。
南峰には冒頭に述べた薬師堂が建っているが、御覧の通り雪に埋もれてしまっていた。
薬莱山 続いて北峰へ向かう。途中の鞍部には、願い事を叶えてくれる姥神さまの石像が立っているそうだが、やはり雪中に没したようで、その姿は見当たらなかった。
続いて北峰へ向かう。途中の鞍部には、願い事を叶えてくれる姥神さまの石像が立っているそうだが、やはり雪中に没したようで、その姿は見当たらなかった。
薬莱山 南峰からわずか5分程度で、北峰へ到着。天気が良ければ良好な展望が得られるそうだが、当然ながらこの状況下でそれを期待するのは無理があった。
南峰からわずか5分程度で、北峰へ到着。天気が良ければ良好な展望が得られるそうだが、当然ながらこの状況下でそれを期待するのは無理があった。
薬莱山 ここで少し休憩。お湯を沸かして、例によってインスタントのキャラメルマキアートを淹れる。
……が、ここであまりにもゆっくりしすぎたことが、此度の山行最大の過ちであった。
ここで少し休憩。お湯を沸かして、例によってインスタントのキャラメルマキアートを淹れる。 ……が、ここであまりにもゆっくりしすぎたことが、此度の山行最大の過ちであった。
薬莱山 休憩を終え、下山の途に就くころにはますます吹雪は強まり、「これはひょっとしてまずいんじゃないか?」と思えるほどの状況に。
ひとまず下りはそのまま北側へ進む計画であったが、どこが登山道なのか分からないので、下山口まで一直線に下ることにした。
休憩を終え、下山の途に就くころにはますます吹雪は強まり、「これはひょっとしてまずいんじゃないか?」と思えるほどの状況に。 ひとまず下りはそのまま北側へ進む計画であったが、どこが登山道なのか分からないので、下山口まで一直線に下ることにした。
薬莱山 幸い、その後少し吹雪の勢いは弱まり、遠方の視界も開けてきた。
幸い、その後少し吹雪の勢いは弱まり、遠方の視界も開けてきた。
薬莱山 さらにしばらくすると、下山口に至るまでの間、一時的に吹雪がおさまったのも僥倖だった。北側の展望を楽しみつつ、猪突猛進気味に下ってゆく。
さらにしばらくすると、下山口に至るまでの間、一時的に吹雪がおさまったのも僥倖だった。北側の展望を楽しみつつ、猪突猛進気味に下ってゆく。
薬莱山 もう一つ、今回の反省点を挙げると、やはりGPSに頼り気味な歩き方になってしまった点であろう。これだけ雪が積もっていると、本来の登山道などほとんど意味が無いので、事前の計画をしっかり立てることが極めて重要であることを痛感させられた。それさえ出来ていれば、コンパスの使い方にはある程度慣れているので、GPSは「答え合わせ」に使えばよいのである。
もう一つ、今回の反省点を挙げると、やはりGPSに頼り気味な歩き方になってしまった点であろう。これだけ雪が積もっていると、本来の登山道などほとんど意味が無いので、事前の計画をしっかり立てることが極めて重要であることを痛感させられた。それさえ出来ていれば、コンパスの使い方にはある程度慣れているので、GPSは「答え合わせ」に使えばよいのである。
薬莱山 ともあれ、とりあえず北側の斜面を下り続ければどこかで車道に突き当たることは分かっていたのだが、いざ下りきってみると、本来の目的地であった登山道の入り口との誤差はわずかなものであった。そんな訳で、無事に下山口に到着だ。
ともあれ、とりあえず北側の斜面を下り続ければどこかで車道に突き当たることは分かっていたのだが、いざ下りきってみると、本来の目的地であった登山道の入り口との誤差はわずかなものであった。そんな訳で、無事に下山口に到着だ。
薬莱山 下山口から駐車場までは車道歩きとなる。とはいえ、こちらも登山道と同様に雪が積もっており、平坦ながらも、引き続き真っ白な道が続く。
下山口から駐車場までは車道歩きとなる。とはいえ、こちらも登山道と同様に雪が積もっており、平坦ながらも、引き続き真っ白な道が続く。
薬莱山 再び吹き付け始めた吹雪の中、しばらく歩き続けると、やがて除雪された道路が見えてきた。
再び吹き付け始めた吹雪の中、しばらく歩き続けると、やがて除雪された道路が見えてきた。
薬莱山 しかる後に、スキー場の前を横切って出発点である駐車場へ到着。これにて、此度の山行は完了だ。
しかる後に、スキー場の前を横切って出発点である駐車場へ到着。これにて、此度の山行は完了だ。
薬莱山 楽しい山行ではあったものの、多くの反省点を突きつけられたのも事実であった。しかしながら、今回の教訓を次回にフィードバックできれば、さらなるステップアップが望めるはず。雪山へのモチベーションは、ますます加速するばかりである。
写真は下山後に撮影した、薬莱山の山容。『加美富士』の名にふさわしい威容だ。
楽しい山行ではあったものの、多くの反省点を突きつけられたのも事実であった。しかしながら、今回の教訓を次回にフィードバックできれば、さらなるステップアップが望めるはず。雪山へのモチベーションは、ますます加速するばかりである。 写真は下山後に撮影した、薬莱山の山容。『加美富士』の名にふさわしい威容だ。
薬莱山 下山後は、ふもとの日帰り温泉『やくらい薬師の湯』に立ち寄ることにした。
この施設は、いわゆる『スーパー銭湯』としては珍しい、時間制の料金体系を採用しているが、2時間券が500円と比較的リーズナブルで、さらに館内の食堂を利用するともう2時間延長可能である。
筆者も、本館にて昼食をとった後、雪が降りしきる中での露天風呂という贅沢をたっぷり満喫したが、いざ帰宅の途に就こうと駐車場に出るや否や、待っていたものは雪に覆われたマイカーの姿であった。
下山後は、ふもとの日帰り温泉『やくらい薬師の湯』に立ち寄ることにした。 この施設は、いわゆる『スーパー銭湯』としては珍しい、時間制の料金体系を採用しているが、2時間券が500円と比較的リーズナブルで、さらに館内の食堂を利用するともう2時間延長可能である。 筆者も、本館にて昼食をとった後、雪が降りしきる中での露天風呂という贅沢をたっぷり満喫したが、いざ帰宅の途に就こうと駐車場に出るや否や、待っていたものは雪に覆われたマイカーの姿であった。

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