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目指せ!俺たちの三嶺(1日目)

よっしーさん YAMAP Meister Gold

  • YAMAPマイスター:ゴールド
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  • 経験年数:公開しない
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剣山・八面山・正善山

2015/09/24(木) 13:02

 更新

目指せ!俺たちの三嶺(1日目)

公開

活動情報

活動時期

2015/09/22(火) 07:20

2015/09/22(火) 18:04

アクセス:1070人

軌跡・時間・距離

軌跡データをダウンロード
累積標高上り 2,435m / 累積標高下り 1,991m
活動時間10:44
活動距離17.00km
高低差561m

写真

動画

道具リスト

文章

9月に入り、山友である黒光りKとエスプレッソMから連絡があった。
「シルバーウィークに小屋泊で剣山から三嶺の縦走をしませんか?」

正直、行きたくない。
理由は3つある。
まず、膝がそれどころではなく、医師から3週間の安静を言い渡されていること。
次に、宿泊する小屋が三嶺小屋であること。綺麗な小屋なので泊ってみたいが、剣山から三嶺の縦走なのにゴール地点で泊まるというヘンテコな計画。
そして、一番の目的が夜の酒盛りであること。酒とつまみを担いで剣山から三嶺まで歩くつもりなのか…。直接三嶺に上がればいいんじゃないのか?
常人には理解の出来ない、非効率極まりない山行。
しかし、マゾな私が断るはずがない。
やってやろうじゃないか、酒盛り縦走!

車一台を三嶺の名頃登山口にデポし、剣山の見ノ越登山口に移動
して登山開始。
今回は小屋泊であるが、酒盛りがメインとなっている為、無駄な飲食物が盛り沢山。お陰で65リットルのザックはパンパン。スタートして1分足らずで、酒盛り用のワインを捨ててやろうかと本気で考えたが、もしも、三嶺小屋に山ガールが泊っていたら「お嬢さん方、美味しいワインでもどうだい?」と、ドヤ顔で声を掛けられなくなってしまう。しかも、同行者の一人はエスプレッソを作る道具を持っているらしいから、負ける訳にはいかないのだ!

慣れない重さのザックを背負い、明らかに実力不足であるにも関わらず、バカな男達はこの縦走に真っ向勝負を挑む。リフトは使わず、トラバースもしない、ガチ縦走。でも、目的はあくまでも酒盛り。

地味な階段登りに体力を削られ、剣山山頂に着く頃には息も絶え絶え。しかし、剣山から見る三嶺は僕達を温かく見守り、こっちにおいでと誘っているようにも見える。頑張らなくては…。
次は次郎笈。快適な稜線歩きであるが足が進まない。間違ったフリしてトラバース道に進もうするが、仲間に連れ戻され叱られる。次郎笈への登りは地獄であった。足の筋力を根こそぎ奪われたという感じであったが、ここで、それ以上のエネルギーを補給することができた。黒光りKとの巧みな連携プレーによって、山ガールと写真を撮ることができたのだ。些細な事ではあるが、ザ・男塾というような酒盛り縦走しているおっさん達にとっては、山ガールとの交流は至福の時間なのだ。

既に体は悲鳴を上げ始めているが、山ガールパワーによって「ヤル気」ん注入したおっさん達は、勢いよく丸石山頂、そして丸石避難小屋を通過して行く。今の所、膝に痛みはないのだが、妙な違和感は感じていた。
この避難小屋から奥祖谷かずら橋に下りるルートがあり、徳島県側に下りるには最後のエスケープルートとなる(白髪避難小屋から名頃に下りるルートはあるが熟達者コース)。正直、私だけの離脱も考えたが、他の二人に悪いという思いもあり、三嶺行きを決断する。
この時頭の中を過ぎったのが、新田次郎著「孤高の人」で描かれた加藤文太郎である。単独行が代名詞であったこの天才登山家の最期は、いつもと違うパーティーを組んでの登山であり、自身の冷静沈着な決断を鈍らせたが故に遭難してしまったと描かれている。
自分一人なら下山する状態であるが、無理をしてしまった事は今回の山行においての最大の反省点である。

丸石避難小屋を通過した後、膝の痛みを感じるようになる。下る時に膝を曲げると痛むのだ。「まだ大丈夫…」そう自分に言い聞かせ痛みを堪えながら前に進む。幸いにも登りでは痛みがないので、他の二人の足手まといにはならずに高ノ瀬に到着。この時点で想定していたコースタイムより1時間30分超過しており、休憩もそこそこに中東分岐を目指すことにする。
膝の痛みは明らかに増しているのだが我慢して歩くしかない。下りではトレッキングポールを足代わりにして体を支える。中東分岐を過ぎて、平和丸と呼ばれる高台に到着する。ここで、私は膝の痛みに堪えられなくなり、ついにこの言葉を口にしてしまう。

「ここが俺たちの三嶺って事でどうだろう?」

「平和丸と書いて、さんれい又はみうねって読むのではないか。キラキラネームならばあり得る話ではないか」

当然、他の二人はガン無視である…。
こうなれば最後の手段「ロキソニン」に頼るしかない。優しい妻が持たせてくれた鎮痛剤である。
これが僕を救ってくれた。痛みはあるものの、先程までの痛みとは雲泥の差。これで三嶺に行ける!

白髪避難小屋に到着したのは14時40分。直ぐにでも三嶺に向かいたいのだが、三嶺の水場は期待出来ないので、ここで水を汲むしかない。白髪避難小屋から崖を下り10分程で水場に到着し、水を2リットル補給。水場は水質・水量共に十分であった。

15時10分に白髪避難小屋を後にし三嶺を目指すが、ここからがキツかった。何度も歩いたトレイルなのでアップダウンの厳しさは承知していたが、先程補充した水の重さが僕の残り少ない体力を削り取る。
そして難関の一つカヤハゲ(東熊山)の登りを迎える。急登と言うほどでは無いが、ここの登りはキツい。吐くんじゃないかと思うくらい、全てを絞り切り、気力だけで何とか登りきる。そして山頂でダウン。立ち上がれない。
本日2度目の「ここが俺たちの三嶺」宣言をするが、ここには小屋もないし、もう前に進むしかないのだ。

体力、気力共に使い果たした状態ではあるが、歩くしかない。もはや歩くではなく彷徨うと言った方が良い状態である。
しかしである、ここで本日最大の栄養補給があった!
三嶺の急登に差し掛かる手前で、三嶺から下ってきたご年配の男性とすれ違う。そこで、我々が待ち望んでいた情報を耳にする!

「三嶺小屋には若い女の子が泊まっているよぅ」、「かなり可愛いよぅ」という、煮卵級のトッピングまで付け足して僕らの背中を押してくれた。

俄然ヤル気が出たおっさん達。気力が体力を上回ったのだ!
それまでとは違い足取りが軽くなり、三嶺の急登をクリアしていく。
しかし、このパワーも10分が限界であった。今迄ずっと左膝を庇ってきたツケが右足にきた。太ももが痙攣し始めたのだ。ヤバい、攣る。歩を止めてやり過ごそうとするが、筋肉の痙攣が止まらない。
こういう時は、ツムラの芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)の出番だ! 以前、偶然居合わせた山岳救助隊の方に教えて貰った漢方薬である。噂通り、直ぐに筋肉の痙攣が治まり歩く事が可能となった。この薬は絶対に持っていた方が良い!

最後の三嶺山頂直下の急登は、吐き気を通り越し失神レベルであったが、三嶺小屋で僕らの到着を待っているであろう山ガールの事だけを考え、やっとの思いで登頂できた。17時10分、結局出発から10時間弱掛かった。
本来なら3人で登頂の感激を分かち合う筈であるが、山ガールの事が気になって仕方のないおっさん達は作業のように記念撮影を行い、その後は一目散に三嶺小屋へ! 我々の到着を待っているであろう山ガールに会いたい一心である。

三嶺小屋の中に入り、中を見渡す。「ん?3人しか居ない?」しかも、皆んな離れた所に居を構えているではないか…。我々の描いていたピンク色に染まった三嶺小屋と違う…と意気消沈するが、よく見ると三人の内一人は可愛い山ガールではないか! まさかの単独行。 ここで、黒光りKがこの日最高の仕事をする。

「外で一緒に食事をしませんか⁉︎ 美味しいエスプレッソコーヒーもいれますよ」と声を掛けたのだ! ここは表参道のカフェなのか⁉︎と思ってしまうようなオシャレ度満点の口調であった。

この男、シブすぎる…

そして、僕たち三人と可愛い山ガールの四人で、この縦走の最大の目的である酒盛りを始めた。(他の方の迷惑にならぬように小屋の外でやりましたのでご安心を)
焼酎にワイン、網焼きにしたウィンナーやじゃこ天。締めはエスプレッソコーヒー。重くて辛かったが、皆の楽しい笑顔を見るとその苦労も報われる。
2時間足らずの酒盛りであったが、まさに至福の時間であった。あまりに楽しくて、酒盛りの写真を撮ることを忘れていた…。
因みにこの可愛い山ガール、単独で剱岳にも登ったこともある強者でした。

さあ、明日は三嶺山頂からご来光を拝んでやろう!
そして20時に就寝。

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