冬靴履き慣らし:面白山

2018.02.24(土) 日帰り

チェックポイント

DAY 1
合計時間
4 時間 53
休憩時間
43
距離
7.6 km
のぼり / くだり
753 / 753 m

活動詳細

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今シーズン中に、より本格的に雪山へ進出しようと決意。先々週の土曜日に仙台の石〇スポーツへ足を運び、思い切って冬靴、12本爪のアイゼン、及びピッケルをまとめて購入した。アイゼンとピッケルに関しては、一度正しい使い方を実地で教わる必要があろうと考え、今度アル〇インツアーやモ〇ベルの講習会へ参加する予定だが、それに先立って冬靴の方だけは履き慣らしておくべきであろう。そこでこの度、冬靴デビュー登山として、山形県と宮城県の県境にそびえ立つ『面白山』に挑むことにした。 面白山は、東北地方を南北に貫く『奥羽山脈』のほぼ中央部に位置する山だ。その名の由来は、見た目や登ってみたら面白かったから、という訳ではなく、仙台側から見える面が白く見えるから、という理由によるものなのだそうな。ともあれ、そんな訳でこの季節には深い雪に覆われる山でもあり、春~秋は勿論、冬山トレッキングにもポピュラーなコースが存在する。従って、雪山の経験を積みつつ、冬靴の履き慣らしを行うには丁度良いだろうと判断した。 当日の天候は『てんきとくらす』によると微妙なところ。ただ、昼の12時台までは、登山に適した天気に恵まれる様子で、このタイミングを狙えば大丈夫だろうと決行に踏み切った次第である。   が、意気揚々と出発した筆者を待ち受けていたものは・・・

面白山・神室岳・大東岳・雨呼山 当日は早起きし、2時間半のドライブを経て、登山口のある『天童高原スキー場』へ到着。
当日は早起きし、2時間半のドライブを経て、登山口のある『天童高原スキー場』へ到着。
面白山・神室岳・大東岳・雨呼山 こちらが先日購入した冬靴、AKU『モンタニャードGTX』。購入にあたっては運良く、講習会などで何度かお世話になった店員さんに相談に乗っていただくことが出来、大助かりであった。
同じモデルを愛用しているよ、という方も多いのではなかろうか?
こちらが先日購入した冬靴、AKU『モンタニャードGTX』。購入にあたっては運良く、講習会などで何度かお世話になった店員さんに相談に乗っていただくことが出来、大助かりであった。 同じモデルを愛用しているよ、という方も多いのではなかろうか?
面白山・神室岳・大東岳・雨呼山 駐車場で準備を整えていると、陸自のトラックがやってきた。
神町の第6後方支援連隊のようで、これからスキー訓練に臨む様子。準備運動に勤しむ隊員の方々に挨拶してから登山口を目指す。
駐車場で準備を整えていると、陸自のトラックがやってきた。 神町の第6後方支援連隊のようで、これからスキー訓練に臨む様子。準備運動に勤しむ隊員の方々に挨拶してから登山口を目指す。
面白山・神室岳・大東岳・雨呼山 登山口はゲレンデの東端に位置する。このスキー場には東西二ヶ所にリフトが設置されているが、そのうち東側のリフトが目印だ。
リフト小屋付近でワカンを装着し、いざ出発。
登山口はゲレンデの東端に位置する。このスキー場には東西二ヶ所にリフトが設置されているが、そのうち東側のリフトが目印だ。 リフト小屋付近でワカンを装着し、いざ出発。
面白山・神室岳・大東岳・雨呼山 最初は、少々急なゲレンデの斜面を登ってゆく。
時々、登山者のトレース跡を、動物の足跡が横切る。
最初は、少々急なゲレンデの斜面を登ってゆく。 時々、登山者のトレース跡を、動物の足跡が横切る。
面白山・神室岳・大東岳・雨呼山 ゲレンデの端に位置するキャンプ場が登山口だ。
ゲレンデの端に位置するキャンプ場が登山口だ。
面白山・神室岳・大東岳・雨呼山 なお、『面白山』の主な登山口としては、『天童高原スキー場』のほか、JR仙山線『面白山高原駅』の二ヶ所がある。前者へのアクセス方法は自家用車などに限られているが、筆者は諸般の事情から、出来るかぎり公共交通機関に頼りたい人間でもあり、最初は後者の利用を検討していた。
なお、『面白山』の主な登山口としては、『天童高原スキー場』のほか、JR仙山線『面白山高原駅』の二ヶ所がある。前者へのアクセス方法は自家用車などに限られているが、筆者は諸般の事情から、出来るかぎり公共交通機関に頼りたい人間でもあり、最初は後者の利用を検討していた。
面白山・神室岳・大東岳・雨呼山 ところが、インターネットで検索してみたところ、冬季における『面白山高原駅』からの登山レポートは殆ど見当たらない。
正確な理由は不明ではあるものの、何らかの困難が付きまとう事から避けられている可能性もあるため、此度は無難に前者からのルートを選択することとなった次第である。
ところが、インターネットで検索してみたところ、冬季における『面白山高原駅』からの登山レポートは殆ど見当たらない。 正確な理由は不明ではあるものの、何らかの困難が付きまとう事から避けられている可能性もあるため、此度は無難に前者からのルートを選択することとなった次第である。
面白山・神室岳・大東岳・雨呼山 行く手を阻む倒木。雪の重さに耐えかねて折れてしまったようだ。
行く手を阻む倒木。雪の重さに耐えかねて折れてしまったようだ。
面白山・神室岳・大東岳・雨呼山 冬靴は通常の軽登山靴に比べてごつく、また靴底はアイゼン装着を前提としているため大変硬い。 最初は、ものの15分ほどの歩行で足首がくたびれてしまったが、1時間ほど歩く間に馴染んできた。
冬靴は通常の軽登山靴に比べてごつく、また靴底はアイゼン装着を前提としているため大変硬い。 最初は、ものの15分ほどの歩行で足首がくたびれてしまったが、1時間ほど歩く間に馴染んできた。
面白山・神室岳・大東岳・雨呼山 靴に慣れてきたのもつかの間、やがて雪が降り始めた。
靴に慣れてきたのもつかの間、やがて雪が降り始めた。
面白山・神室岳・大東岳・雨呼山 それでもまだこの時点では、足元の雪もよく締まっており、スノーシューによるものと思われるトレースも残っていたため、比較的歩きやすかった。
それでもまだこの時点では、足元の雪もよく締まっており、スノーシューによるものと思われるトレースも残っていたため、比較的歩きやすかった。
面白山・神室岳・大東岳・雨呼山 しかし、面白山手前のチェックポイントである『三沢山』の頂を踏む頃には、やや風雪は強まりつつあった。
ここにきて、退くべきか進むべきか悩むこととなったが、眼前にはかろうじて面白山の姿が。もし駄目だとしても、行ける所まで行こうと決意し、再び出発する。
しかし、面白山手前のチェックポイントである『三沢山』の頂を踏む頃には、やや風雪は強まりつつあった。 ここにきて、退くべきか進むべきか悩むこととなったが、眼前にはかろうじて面白山の姿が。もし駄目だとしても、行ける所まで行こうと決意し、再び出発する。
面白山・神室岳・大東岳・雨呼山 三沢山からの鞍部を経て、雪庇に気を付けつつ、面白山への斜面をゆく。ここはかなりの急登で、ただ「登る」というより、「よじ登る」という表現の方がふさわしいような気がした。
だが、ここを乗り切れば、あとは山頂まで百数十メートルのなだらかな尾根道を残すのみなのだ。
三沢山からの鞍部を経て、雪庇に気を付けつつ、面白山への斜面をゆく。ここはかなりの急登で、ただ「登る」というより、「よじ登る」という表現の方がふさわしいような気がした。 だが、ここを乗り切れば、あとは山頂まで百数十メートルのなだらかな尾根道を残すのみなのだ。
面白山・神室岳・大東岳・雨呼山 ……が、急坂を登りつめた筆者を待ち構えていたものは、真っ白な世界であった。勿論ホワイトアウトとまではいかないものの、行く手の視界は全く得られない。コンパスとYAMAPアプリを頼りに山頂を目指そうかとも考えたものの、雪庇でも踏み抜こうものなら目も当てられない。
かくして此度の山行は、山頂まであと十分程度というところで、苦渋の撤退を余儀なくされることとなったのである。
……が、急坂を登りつめた筆者を待ち構えていたものは、真っ白な世界であった。勿論ホワイトアウトとまではいかないものの、行く手の視界は全く得られない。コンパスとYAMAPアプリを頼りに山頂を目指そうかとも考えたものの、雪庇でも踏み抜こうものなら目も当てられない。 かくして此度の山行は、山頂まであと十分程度というところで、苦渋の撤退を余儀なくされることとなったのである。
面白山・神室岳・大東岳・雨呼山 だが、本当の苦難はここからであった。
何しろ吹きすさぶ吹雪によりトレース跡は消えかかっており、識別は困難。コンパスで進路を確認し、YAMAPアプリでこまめに自己位置を確認しながら慎重に進んでゆく。
……それでも、三沢山への登り返しの際、うっかり尾根筋を外れてしまい、慌ててルートを修正している様子が、軌跡から確認できることと思います(汗)
だが、本当の苦難はここからであった。 何しろ吹きすさぶ吹雪によりトレース跡は消えかかっており、識別は困難。コンパスで進路を確認し、YAMAPアプリでこまめに自己位置を確認しながら慎重に進んでゆく。 ……それでも、三沢山への登り返しの際、うっかり尾根筋を外れてしまい、慌ててルートを修正している様子が、軌跡から確認できることと思います(汗)
面白山・神室岳・大東岳・雨呼山 艱難辛苦の末、再び辿り着いた三沢山頂は、既に往路で訪れた時点とは異なる姿を見せていた。
艱難辛苦の末、再び辿り着いた三沢山頂は、既に往路で訪れた時点とは異なる姿を見せていた。
面白山・神室岳・大東岳・雨呼山 引き続き、恐怖心と戦いながら下ること十数分、幸いにしてトレース跡が復活した。
ようやく安全地帯へ戻ってきたのだという実感に、ほっと胸をなでおろす。勿論、下山まで決して気は抜けないが……
引き続き、恐怖心と戦いながら下ること十数分、幸いにしてトレース跡が復活した。 ようやく安全地帯へ戻ってきたのだという実感に、ほっと胸をなでおろす。勿論、下山まで決して気は抜けないが……
面白山・神室岳・大東岳・雨呼山 小さなツララ。
小さなツララ。
面白山・神室岳・大東岳・雨呼山 その後も順調に下り続け、やがてスキー場の場内放送が聞こえてきた。
その後も順調に下り続け、やがてスキー場の場内放送が聞こえてきた。
面白山・神室岳・大東岳・雨呼山 今回のような場面には、雪山に挑み続ける限り今後も出くわすはずであるし、やはりルートファインディング能力を磨く必要性を痛感しつつ、人けのない吹雪のスキー場を駐車場へ下る筆者。
それでも、ひとまずは無事の下山と、抜群の防水性や保温性を誇る冬靴の有難さに、感謝せずにはいられなかった。
今回のような場面には、雪山に挑み続ける限り今後も出くわすはずであるし、やはりルートファインディング能力を磨く必要性を痛感しつつ、人けのない吹雪のスキー場を駐車場へ下る筆者。 それでも、ひとまずは無事の下山と、抜群の防水性や保温性を誇る冬靴の有難さに、感謝せずにはいられなかった。

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