活動データ
タイム
26:00
距離
70.5km
のぼり
772m
くだり
784m
チェックポイント
活動詳細
すべて見る2018/5/3 『合流』 今治西条エリアのお寺を全部お詣りした俺は松山駅に戻った。(我ながら完璧なスケジュール管理) 松山駅から松山空港へと歩いていく。 「いつかお遍路さんをせないかんと思っていた」というなおさんが、急遽参戦する事になっていた。 じゃあお試しで…と。 ただし、快適な生活などできない野宿生活だと言う事は伝えてあった。 まあまあ直前に決まったにも関わらず金剛杖&さんや袋装備のなおさんが空港から出てきた。 ここからキャンプ場まで二時間半(笑)。 途中で温泉に入り、スーパーにも立ち寄る。 既に日が暮れて暗くなった田んぼ道を歩く。 峠を登りやっとの思いでキャンプ場まで上がった。 予約をしていた、えひめ森林公園キャンプ場。 もうとても無料とは思えないめちゃくちゃ綺麗で整った設備の素敵なキャンプ場。 手続きを済ませてさっさと幕営。ご飯を炊く。今日も木炭は手に入らなかったのでフライパン料理。 遅めに到着したので静か目に食べてコーヒー飲んで就寝。明日からが本番すよ。 本日の歩行距離32km(うち西条市12km) 5/4 『それぞれの遍路道』 朝方少し雨が降ったせいで少し遅めの撤収となった。 風は強いけれど撤収が終わる頃には青空が出てきた。 管理人さんにお礼を言って幕営許可証を返却し、峠を下りていく。 最初のファミマで少し買い食いしてから46浄瑠璃寺を目指す。 ストレートに行けばお昼に着く予定。 途中のスーパーで再び買い食い&燃料用アルコールを入手してひたすら歩く。 遍路道へ合流すると、道標や標識が増えてきてテンションが上がった。 ついに46浄瑠璃寺へ。 なおさんにとってはお遍路さん初めてのお寺。 たくさんの想いがあるのだろう。ずっとずっとお祈りしていた。 御朱印をいただき、すぐ近くの47八坂寺まで歩く。 お詣りして次は48西林寺。ここは少し遠い。 本日3つ目のお寺、西林寺へ到着する頃にはなおさんの足が終わっていた。 見た感じ歩けてあと3kmてとこかな。 とりあえずお詣りを済ませて作戦会議。 本来なら49,50と進んでその先にあるキャンプ場を予定していた。ここからだと13km三時間。無理だと思った。仮に行けたとしても、また明日49,50のお寺まで戻って来なければならないのでロスが出る。 急いで付近のキャンプ場を探すが何も無い。割りと街中なので当たり前か。 なおさんには橋の下、河川敷、公園のどこかで野宿する覚悟をしてもらう。 どうせ野宿ならば明日の為に49浄土寺まで行ってから適地を探そう。 浄土寺手前に鷹ノ子温泉があるのでそこで入浴した。時間は長めの一時間半に設定する。 入浴を終えていよいよ野宿候補地を探す。近所のスーパーで食材を購入して、良さげな公園へ。 まだ時間的に子供達が遊んでいたのでベンチへ座り日が暮れるのを待つ。 そこへウォーキングのおばあ様が話しかけてきた。どこから来たのか?今日どこを廻ったのか?ニコニコでお遍路の話を聞いてくれた。 「私も区切りで四年かかったけど頑張って88ヵ所廻ったのよ😉」と。お遍路話に花が咲く!。 「今日はどこまで?」 🐙「明日そこの浄土寺からなので、もうこの公園で野宿です(笑)。トイレも水もあるし😅。あの東屋の子達が帰ったらあっち移動しようかと待ってるんです😅。」 「今日は寒いでしょう?。使っていない空き家があるからそこで寝られませんか?。ガスも電気も無いけれど。水は出るのでトイレ炊事場は使えるから。」 強がりではなくソロだったら丁重にお断りしていたと思う。どこでも生きていく自信はあるから(笑)。 しかし今回はなおさんが同行している。 お言葉に甘えさせていただき、空き家をお借りする事にした。 「ちょっとグラウンド2周してくるから待ってて(笑)」 日課にされているのだろう。 戻ってきたおばあ様と夕暮れの住宅街を歩く。 「お嬢ちゃん荷物何か持とうか?」 「男の子はやっぱり逞しいわね」 「大学生?」 とかちょっと録音しておきたくなるトークをしながら歩いた。 空き家へ案内されて説明を受ける。 きっとおばあ様の思い出がたくさん詰まった家なのだろう。とても清掃が行き届いた当時そのまま(推定)の家。 子供達の話や孫の話、おじいちゃんおばあちゃんご先祖さまの話。 壁に掛けてあるお遍路さんの白衣。88個の御朱印が押されたその白衣を誇らしげに見せてくれた。 「ちゃんと高野山までご報告に行ったのよ😉」 柱には数えきれない数のしるし。孫達の背比べの日付と名前。あっちの柱にもこっちの柱にも。たくさん。 幸せな人生を送ってこられたことが一目でわかった。 お仏壇に3人でご挨拶をして、一晩の間借りをお願いした。 「真っ暗だけどごめんなさいね。朝は私もう来ないから、普通に出て行ってね。その先にお遍路道があるから。まっすぐ行ったら浄土寺よ。」 石手寺までの大まかな説明までしてくれて、おばあ様は帰って行かれた。 空腹だったのでさっそく台所をお借りして晩ごはんにする。 なおさんが生姜焼を作ってくれたので完食。 「お布団も座布団も、あるものは使ってね」と言われてはいたけれど、家の物は何一つ動かしたくなかったのでマットとシュラフで就寝した。 数日ぶりに屋根の下で。畳の上で寝られる幸せを噛み締めた。 本日の歩行距離30km 5/5 『11km』 手早く朝ごはんを食べてパッキング。 なおさんが台所をピカピカに掃除してくれていた。 お仏壇に手を合わせて、その家をあとにする。 お遍路道を歩いて浄土寺へ。 なおさんの足はちょっと回復していたので安心した。 49浄土寺から50繁多寺までは近かった。 ここでドイツからのハイカーと仲良くなる。が、日本語が全く通じないので身ぶり手振りで会話する(笑) 51石手寺までは長かった。 途中のコンビニで、繁多寺を出発する時に入れ違いで見かけたハイカーと鉢合わせ。 なおさんに「あの人多分速いからすぐ追い付かれるよ」と言っていたが、今まさに追い付かれた。 真っ黒に日焼けしてロン毛、60リッターのザック。バリバリのロングハイカー。 からあげくんを食べている彼に話しかけると、全く日本語が通じない😱 もろ日本人(アジア人)に見える彼はデンマークからのハイカーだった。 ドイツ人の片言イングリッシュではなく、ガチのイングリッシュに訳がわからず愛想笑いでお相手する。 なおさんはドイツ人の時もデンマーク人の時もそれなりに会話しててスゲーなぁと思った。 「は?言葉とかわからんし。あんなもん想像力よ」だと(笑) 石手寺へ着くと、ものすごい規模のお寺だった。観光客もたくさん。 お土産物屋から食堂までなんでもあった。 お詣りを済ませてお土産物屋へ。 88ヵ所の手拭いが欲しかったので二人で購入。 お店のおば様とお遍路話で盛り上がり、「歩き遍路なんて今時若いのに偉いのね。これ私からのプレゼント。持って行きなさい。88ヵ所頑張って廻るんよ。」 と手拭いをもう1枚プレゼントしてくれた。 お接待に感謝して次の太山寺へ向かった。 昨日までの予定では、なおさんの足の具合も悪かったのでここでゴール。 あとは道後温泉とうどんと松山城見て帰ろうかと言っていた。 しかし松山にはあと2つお寺がある…。 「あと2つ頑張って歩く。城は今回いい。」 となおさん。 ほんじゃ急ぐよ?。 登山みたいな山道を越えて、下りるとかの有名な道後温泉。 昨夜泊めてくれたおばあ様お勧めのうどん屋へ直行して鍋焼うどんを食べた。 道後温泉に入るかどうかを協議した結果、どうせ今から汗だくになるのだから全部終わってから入る事にする。 長い長いお遍路道を歩く事数時間。52太山寺へたどり着いた。 お詣りを済ませて、茶屋を見つけたのでコーヒータイム。お店のおば様とおばあちゃんがニコニコで話しかけてくれる。 おばあちゃんは「貴方達若い人がお遍路をしに来てくれてありがたい事です」と涙ぐみ、その顔がとても印象深く、今でも頭に焼き付いている。 おば様が「これ小さくて売り物にならないから持って行きなさい。重たくてごめんね。」と言って袋いっぱいのミカン(カラマンダリン)をくれた。 感謝してお店を出る。 すぐにドイツ人ハイカーと会う。 お話してから今度こそ出発。 ハイタッチしてお別れ。次のお寺で会うのはわかっているけれど。ちゃんと毎回お別れの挨拶をする。 だんだんと別れが辛くなってきた。できればもう会いたくないなと思った。 もう追い付いてほしくなかった。 そろそろ本当のお別れだから。 最後の53円明寺は30分ほどで着く。 お詣りを済ませて、今回のお遍路最後の御朱印をいただき、外に出るとドイツ人ハイカーが居た。 「ヘルプミー」と言われた。なおさんが納経所から出てくるまで待ってもらって、話を聞く。 今夜泊まる所を知らないか?と。 スマホ使って辺り全部電話して調べたが、どこも満室。 なおさんが納経所からもらってきたパンフのユースホステルに電話すると奇跡的に空きが出たそうな。 ユースホステルの人は外国人客に慣れていたので「その人にかわって下さい」と電話を変わってくれペラペラ英語で説明していた。 予約は完了。 あとはその場所を僕らが教えればオッケー。 この駅のこの辺。セブンイレブンの近く。 地図にボールペンで◯印をして「オーケーオーケー😄」と嬉しそう。 言いにくかったけれど。そのホテルまで11km。 🐙なお「イレブンキロメートル…」 「イレブンキロメートル😱?!。オーノー😭イレブンキロメートル😱?!」 なお「行ける行ける男やろ!。今まで歩いてきたんやろ!」バリバリの日本語で背中を叩く。 🐙「そそ。まだ15時半やろ。行けるって。ここから次の延命寺は40kmやけん。今日頑張れば明日30kmで済むやん!」 「Oh…😢イレブンキロメートル…😢」 🐙なお「ファイト!時間無いけんはよ納経してき!」 ここで本当のお別れとなった。彼が自撮り棒を出してきたので3人で写真を撮った。 アドレスを教えてくれて「絶対メールくれよ!写真送るから!」みたいな事を言っていた気がする。 お別れして振り返るとお祈りしているドイツ人が見えた。 「あと35ヵ所。どうかご無事で」とその背中に祈りを込めて手を合わせお寺を出た。 すぐ近くの駅まで歩き、ヤマップ終了。 電車に揺られて松山へ向かった。 フェリーは夜行なのでまだまだたくさん時間がある。松山で温泉と食事とお買い物を済ませる。 再度電車に乗って松山観光港へ。 ここまで来れば一安心。あとは船が九州まで連れて行ってくれる。 無事に歩き遍路区切り打ちの初回が終了した。 頑張って歩いてくれたなおさんお疲れ様でした😃。 本日の歩行距離23km 今回学んだ事はたくさんある。「歩き遍路」の事は、ギアと情報を別途記録として上げたいと思います。 テントから2km離れた温泉まで往復一時間半。 コンビニ行きたかったら往復二時間。 当たり前だけれど歩き旅は、車と違い物凄く時間が必要。 ゆっくりと時間が流れるように見えて真逆。 やたら時間が経つのが早くて全然時間は足りない。 では時間がたくさんあればいいのか?と言うとそうでもない。時間あるだけ全部歩ける訳ではないからね。 今回わかったのは、99.9%の方は車で巡礼されているという事。 では今の時代になぜ歩き遍路なのか??。 その説明は難しい。実際遍路道を歩いてもらったら分かると思う。 歩いてみないと見えてこない風景。 裏路地。 畦道。 民家の隙間。 それから出会った人達、1人1人の温かい笑顔。 心暖まるお接待。 心の中の御朱印帳に大切にしまっておこう。 それを無くさない限り、最後の88ヵ所目まで必ず歩いて行ける気がする。
動画
メンバー
もしも不適切なコンテンツをお見かけした場合はお知らせください。