【加賀・越前】加賀甲・越前甲・加賀大日~残雪と新緑と

2018.05.05(土) 2 DAYS

チェックポイント

DAY 1
合計時間
3 時間 29
休憩時間
19
距離
4.5 km
のぼり / くだり
930 / 32 m
16
8
2 47
DAY 2
合計時間
7 時間 14
休憩時間
1 時間 45
距離
11.5 km
のぼり / くだり
603 / 1503 m
1 48
1 25
20
59
11

活動詳細

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①雨も上がり、ひときわ萌える緑が目に優しい。ウラジロヨウラクにトクワカソウにタムシバ。春告げ花を包み込む翠の森。ひとつかみの山菜を手にして笑顔の親子が降りてきた。夫婦や山仲間のグループが降りてくる。みなさん春山を十分楽しんだ顔。  雪の林床を踏む頃にはいつしか空が近くなった。雪解け水のほとばしる森を往くとマンサクの咲く雪原に飛び出す。ひと頑張りで笹を割った道になる。すぐに避難小屋が見えてホッとする。  白山から荒島岳までのパノラマは噂に違わない。まずは山の名前を確かめる。間髪入れず、明日の下見に入る。カタコガ原の先で、果たして越前甲にダイレクトに向かう県境稜線がどうなっているのか。ヤブヤブなのか、それともまだ雪に覆われて雪稜歩きが可能なのか。  加賀甲の東尾根はカタクリの群落にキクザキイチゲの花畑。登山道の鞍部には沢の源頭が這い上がってきている。この沢型の左岸尾根が県境稜線とみた。この県境ルートは下部がヤブっぽい。明朝は沢詰めを選ぼう。  僕はそのまま登山路で加賀大日山に上がろう。小広い雪原に出ると明日のルートが俯瞰(ふかん)できる。越前甲はあれか!  雪が切れれば夢見るようなカタクリ街道になった。カメラの接写に夢中になって顔を上げると目の前が山頂だ。おかげで山頂すぐ手前で徳助新道が合流してきたのを見過ごしてしまった。  「白山の絶景すぐそこ」的な案内に誘われ、山頂北端に出て目をみはる。白山に別山、大長山、赤兎、経ヶ岳、荒島岳。手前には越前甲。絶景とはこのことか。  山頂からは北へのルートがカタクリ小屋方面に通じている。さて、明日目指す越前甲方向への尾根を試食してみよう。県境稜線の鞍部に立つ。西からは例の沢型が這い上がってくる。南の高みに目を凝らすと笹の切り拓きが見える。登ってみると間違いなく刈り払い道が県境稜線を示していた。よっしゃ、この勝負もらった!  帰路はヤブを分けて沢型の左岸尾根をトレースした。県境稜線通しで加賀甲に戻る形をとったわけだ。尾根の半ばが雪稜、上部と下部とでヤブっぽかった、と記録しておこう。  加賀甲の大日避難小屋は快適だった。寒ければ薪ストーブも利用できるしね。 ②4時半発。シナリオ通り、沢型が這い上ってくる小ギャップまで登山道を下降。ここから雪の詰まった沢を詰める。加賀大日~越前甲ラインに出て荷物のデポ完了。  夏道に這い上がってイワナシの咲く稜線を辿る。この先、大きなキレットだ。岩陵帯の弱点を突いてロープがコースを示している。真正面に1287ピークがその存在を誇示していた。  慎重に高度を下げて前進。東側が雪稜。西側がヤブに拓かれた夏道。時折、夏道は雪の下敷きになる。夏道の状態に構わず、歩きやすい安全なルートを選ぼう。驚いたカモシカが崖下に駆け下りた。  稜線が東に直角に折れるポイント。越前甲が目と鼻の先だ。一旦急降下して登り詰める。焦がれに焦がれた越前甲の三角点だ!雪解けした小広場から顔を出している。笑いが止まらないぜ!  休む間もなく戻り返して荷物を回収。そして昨日に続き、二度目の加賀大日に立った。新たな感動、と言いたいところだが、帰路の長さを思うと腰を落ち着けてはいられない。  快適な雪原を駆け下る。雪に誘い込まれて見込み違いの方向に迷い込む。すかさず修正して夏道に合流。ここから見る小大日山の迫力にびっくりだが、一旦かなり降ろされることとイコールだ。こういうトレードオフは辛いが、カタクリやトクワカソウ、シャクナゲに癒やされる山歩きは悪くない。  小大日や徳助ノ頭では、何人かの登山者と出会った。彼らは千束川からのルートで登ってきているし、小大日山からダイレクトに千束ヶ滝へと下山する計画だったりする。その筋の方に深く愛された山域というイメージだ。ある方は中宮道からの白山の魅力をたっぷり語ってくれた。  徳助ノ頭から林道まではたっぷりの標高差が待っている。罪な奴だよ徳助さん。へろへろしながら駐車地に帰還すると、山馴れたベテランの御仁が3人。ゼンマイなどたっぷり山菜を携えて焚き火を始めた。「秘密の場所があるからね」と誇らしげ。  互いに労をねぎらって大聖寺川のせせらぎを後にした。

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