活動データ
タイム
03:48
距離
7.3km
のぼり
555m
くだり
605m
活動詳細
すべて見る85座110山目は犬鳴山。 宗像市の熊ヶ城跡でもあるそうな。 今から35年前、先輩のトモノブさんが ベロンベロンに酔っぱらって 「犬鳴トンネルまで幽霊を見に行くぞ! 車を出せ!」 職場が博多区で、犬鳴トンネルがどこにあるかも知らなかったし、幽霊のことなど関心がなかった俺。 「トモノブ先輩、もう寝ましょうよ。 もう(午前)2時ですよ!」 「うるさい!さっさと車を出せ!」 当時は逆らえない関係だったから、 気の弱い俺は渋々車に酔っぱらいの トモノブ先輩を乗せて 犬鳴トンネルに行ったのだ。 幽霊なんて見なかったが、 雪道でその雪道を普通タイヤで 酔っ払いアホトモノブ先輩が、 「進め!雪道をもっと走れ!」 と、助手席で叫んでいた記憶がある。 その後、 犬鳴トンネルの幽霊話が都市伝説化 していることを知ったのだ。 県道201号線はビンちゃんとの 恋の峠八木山峠があり、 飯塚市につながる幸せロードなのだが、 県道21号線は犬鳴峠を越えるためには 犬鳴トンネルを抜けなくてはならない 恐怖の峠にいなってしまっていたのだ。 以来35年間。 犬鳴峠→犬鳴トンネル→幽霊→怖い→犬鳴山→幽霊→怖いという図式が 脳にすりこまれてしまっていたのだ。 犬鳴ダムから西山へ向かうときも 小さな勇気が必要だった。 今日の犬鳴山はかなりの勇気が 必要だった。 山を差別しちゃいけない、 どこの山も神様だと思うのが、 一山一神(いちざんいっしん)主義なのだ。 家から近い犬鳴山を避けて、 いつまでも山歩きはできない。 どうしても歩かなければならなかった山が 犬鳴山だった。 往路は犬鳴ダムの駐車場に車をとめて、 谷正之さんの著書通りに、 犬も喜んで歩ける犬鳴林道を歩いた。 かなりの時間は幽霊伝説との 内面的格闘だった。 犬鳴林道に入る分岐点に左に 旧犬鳴トンネルの文字を見るだけで 逃げたくなる自分がいた。 ゆるやかな林道だった。 水音がせせらぎになるのどかで やさしい空気に満ちていた。 次第に恐怖心は消えていった。 山頂につく西山との分岐点あたりでは、 通常の山歩き気分になっていた。 急坂を一気にかけのぼり山頂についた。 山頂には山頂標識もなく、 三角点の印のような石と白いペンキに 福岡県云々と書かれて、 半分に折られた杭が転がっていた。 たぶんここが山頂だろうと思って、 座り込んでおにぎり二個を食べた。 下山は谷さんの本に書いてある通りに 来た道を帰るつもりだった。 谷さんが、急坂と浮石の山道となる、 特に下るときは要注意とまで アドバイスされているダムまでの 急坂コースを選んでしまった。 確かに迷うところも二ヶ所あったが、 ピンクのリボンをとにかくたよりに、 ゆっくりゆっくり下山したが、 汗は吹き出るし、脚はガクガクなるし、 とにかく真剣に一歩一歩足を進めた。 ダム駐車場のすぐ近くに降りきったときは、心から嬉かった。 犬鳴山に、ありがとうございます! と挨拶をした。 鹿を3匹見ただけじゃなく、 今回は写真におさめたことも嬉かった。 古処山、西山につづき三度目の鹿目撃で写真に撮れた。 下山が嬉かったので、 すぐ近くの脇田温泉にはいって、 汗を流して、体をあたためて、 蕎麦食べて帰ることにした。 温泉にも野性の鹿なのに首輪をして、 チュンという名前のついた鹿とあった。 人間になれていて、気分が向いたときだけ 山から降りてきてはドングリなどを食べて、「また山にもどる」と料理屋の釜の手入れをしている男性が話してくれた。 とにかく犬鳴山歩きを果たせた。 トモノブアホ先輩から与えられた 犬鳴トンネル、犬鳴峠、犬鳴山への 偏見差別を払拭した一日であった。 犬鳴山→犬鳴峠→犬鳴トンネル→しあわせな湯の禅温泉→大好きなざる蕎麦→大好きな歯科衛生士さん→しあわせな一日 つまり、この日、 犬鳴山=しあわせ という図式が脳に すりこまれたわけである! 革命的な一日だったわけである。 今は最高の気分である!
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