緊急事態の対処(四号路滑落死亡事故)

2015.12.23(水) 日帰り

チェックポイント

DAY 1
合計時間
6 時間 40
休憩時間
2 時間 12
距離
14.5 km
のぼり / くだり
1077 / 1079 m

活動詳細

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 高尾山4号路で下山中に、滑落死と見られる御遺体を発見しました。 私に出来る事は通報する事だけでしたが、その時の行動の問題点について後日追記します。 12/24追記  23日夜に高尾警察署の刑事課の方より電話。事件か事故の結論が出るまでyamapを非公開に。  二度程電話がかかってくる。  「遺体のそばに人は居なかったか?」  「撮影した写真を見ながら特徴を教えて欲しい」←写真の警察署へのメール送信は要らないとの事。ただし、削除は不可。  24日に刑事さんより事件性は無いとの電話。現場で撮影した写真は削除して良いとの事。  23日の事を箇条書きにします。 ・4号路で下山中、崖下30m位先の倒木の上に黒い袋のような物が見える。(後で遺体の立て膝だったと判明) ・登山道沿いに崖の反対側に回り込むも、樹木が邪魔で確認出来ず。 ・悪天のため双眼鏡を持参せず。デジカメの望遠で撮影。手間の樹木にピントが合い、不明瞭だが人の足らしき物が写る。 (デジカメの画像拡大機能を失念。また、液晶を日の光に向けていたため、上手く確認出来なかった。帰宅後、確認したらしっかり写っていました) ・家内がビジターセンターへ電話するが、電波が悪く繋がらず。 家内は猿園方面に向かい、私はその場で待機。 ・私の電話がビジターセンターに繋がる。「崖下に人が倒れてるように見えます」 「すぐにレンジャーを向かわせます。その場で待機お願いします」 ・何度か撮影を繰り返す。  「手」が撮影される。  完全に人間と確信する。大声で呼びかけたり、エマージェンシーホイッスルを吹いたりしたが反応無し。 崖下に降りるか激しく迷う。  通りがかった二人組にザックを預けて降りようとするが断念。無力感。自己嫌悪。 ・家内が猿園の方と一緒に戻る。  猿園の方が崖下に降り、遺体確認。 ・レンジャーの方とビジターセンターの方が到着。 レンジャーの方が遺体確認後119通報。 ・消防到着。私達夫婦は1時間以上待機。 事情説明、書類記入後に下山。 〈私の行動の問題点〉 ・人間と確信した時点で119通報しても良かった。 レンジャーの方々はAEDも装備してましたが、重傷者の治療は難しいそうです。  意識が確認出来ないほどだったら最初に119が良いそうです。 ・スマホにビジターセンターや高尾警察署の番号を登録してなかった。(電波の弱い所でネット検索の手間) ・崖下に降りようとした事。応急救護の知識も無いため、降りても何も出来なかったでしょう。 〈良かった点〉 ・夫婦二人の山歩きだった事。 普段は単独行なので。1人ではもっとパニクったと思います。 ・夫婦揃って重装備だった事。家内はワカサギ釣り用の防寒も持参していたので、長時間の待機も問題有りませんでした。 〈今後の目標〉  今回は不幸にも遺体の発見と言う事で、救護の必要はなかったが、自分自身の知識不足を痛感しました。  救命講座を受講し、体を鍛えもしもの時に悔いなく行動出来るようしたい。 12/25 追記 遺体の状況 ・崖下30m 。崖下直下から10m程離れていました。 ・あお向けで両膝を立てて、右手は手のひらを空に向け顔の横。 ・頭部に傷があったそうです。 ・服装は白黒チェックのフリース?黒のスラックス。 運動靴(右側は無し) ・60代 男性 ・カバン、リュック等の手荷物は無し。 〈状況の推測〉 滑落中に頭を打ち、起き上がれず。声も出せない状況。 登山道から見えるように、尺取り虫のように膝を使いながら崖直下から10m程移動。  刑事さんの話しだと、即死では無くしばらく生存していたらしいです。 〈悲劇を繰り返さないために〉 ①装備の充実  ・目立つ服装    30m離れ、間に木々が挟まると半端な色では認識出来ない。遺体の白黒チェックのフリースは肉眼では全く分からなかった。  ・ホイッスルの装備   これがあれば助かったのでは。  ・登山に適した靴   運動靴は軽くて快適かもしれないが、   安全では無いのでは。   遺体の右足は靴が脱げていて、とても   寒そうに見えました。    最低でもミドルカットの靴が良いのでは。 ②登山の心構え  ・単独行の危険の自覚。  ・山の怖さを感じ取れる感性を磨く。  ・絶対帰宅する執念。 12/27  24日は仕事中に涙が止まらなくなるなど、かなり不安定だったが今は平静を取り戻しつつ有ります。  4号路浄心門と吊り橋の間。近くの参道からは楽しげな声が聞こえ、見上げた登山道には行き交う登山者の姿。 そのような場所で息絶える事など、想像出来なかった。 悲しい。そして、ひたすら寂しい。  たらればは虚しいだけだが、せめて目立つ服、笛が有ったらと思う。  今年8月から山歩きを始め、薬王院健康登山21回の満行日に今回の出来事がありました。  とても悲しい日だったが、レンジャーさんやビジターセンターの方、消防さん達のプロの仕事には頼もしさを感じました。 特にビジターセンターの方の現場を通る子供への対応は素晴らしかった。  彼等のようなプロに支えられて山歩きが出来るのだと心から思いました。  その他、通りがかった登山者の方にも随分助けられた。  山は怖い。でも山は素晴らしい。そしてそこに居る人達も負けずに素晴らしい。  素晴らしい人達に会って、家に帰りましょう!  最後に、亡くなられた方の冥福を心からお祈り申し上げます。 

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