やっと行けた1839峰

2018.08.11(土) 3 DAYS

チェックポイント

DAY 1
合計時間
10 時間 58
休憩時間
3 時間 42
距離
11.9 km
のぼり / くだり
1502 / 216 m
DAY 2
合計時間
12 時間 57
休憩時間
2 時間 1
距離
9.8 km
のぼり / くだり
985 / 985 m
DAY 3
合計時間
6 時間 42
休憩時間
1 時間 9
距離
12.2 km
のぼり / くだり
283 / 1520 m

活動詳細

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今までいろんな山行をしてきた。カムエクは山頂にテン泊した。ペテガリも東尾根から登頂した。北アルプスの雨の大キレットや、槍から燕までの縦走もしてきた。 北海道の登山者で1839峰に登れれば一人前という話を何度か聞いたことがある。それ以来いつか登りたいと思ってきた。でも、ずっと気になっていた1839峰は、いつも天気やこちらの都合などで行くことができなかった。これまで5回計画し、3回は天候が悪いため中止。昨年のお盆は中札内の道の駅でひたすら天候が良くなるのを待っていたが、ずっと雨のためにまた中止。昨年9月は1泊2日で計画するも、1719mの夏尾根頭まで重い荷物を背負ったため、疲労困憊と雷注意報が出たために断念。帰りに川で暗くなり、巻道を見失いヘトヘトになりながら真っ暗な午後10時過ぎに下山。 そして今年、マラソンで体力をつけ、ザック、マット、食料など、いろいろなものを軽量化。そして2泊3日に日程を延ばして6回目の挑戦。しかし、今年は7月下旬から天気がよく、チャンスが沢山あったにもかかわらず、試験やら、イベントやらで絶好の日を逃してきた。 お盆では天気が良い日に狙って行こうと、昨年と同じように中札内の道の駅で待機。台風のせいでコロコロ変わる天候に翻弄されながら、9日から待つ。すると天気予報が11.12日が曇り時々晴れに☀️13日はあまり天気がよくないみたいだけど、2日目にアタックするので問題はない。さあ、11日にGO‼️だ。 11日 1日目 午前8時 まずは札内川ダムに向かう。道路脇には5台の車。ほとんどがカムエクに向かったようだ。今年は札内川ヒュッテまでの通行止めが続いている。そこでダムからコイカクの登山口まで余分に5kmほど歩かなくてはならない。7つのトンネルを1時間ほどかけて歩くとやっと登山口だ。林道からすぐに石だらけの川に下りる。沢靴の調子が悪い。歩いていると右かかとが擦れる。しかし2時間の我慢と考えて何とか歩く。帰りに分かったのだが、水量がかなり少なかったので、沢靴でなくても登山靴で濡れずに行けた。 巻道を2度使いやっと2股に着く。ここで靴を履き替えるとともに、出来るだけ水を浄水して飲んでおく。また、食料用の水4Lも浄水して持つ。ペットボトルなどのお茶やジュースも入れると、全部で9Lの水を持った。沢靴と浄水器はここでデポする。さて、ここからが本番。夏尾根頭までの約1000m急登だ❗️北海道では一番急な登りではないだろうか? まずは笹薮漕ぎから。相変わらず日高の笹は元気がいい。手袋が無ければすぐに傷だらけになっていただろう。笹や泥で足元が滑るので、常に何かを掴みながら登らなければ転んでしまう。常にロープを掴んで登っている状態だ。20kg以上のザックを背負って登っているので、かなり汗をかく。1500m程から笹からハイマツに変わってくる。また徐々に急登の細尾根に変わってくる。両側が切れ落ちている場所もあるので、突風にも気をつけながら慎重に登る。そのためコースタイムは4時間だが、5時間かかった。やっと雲の中の夏尾根頭に出た時には、午後6時になっていた。夏尾根頭のテン場は使われていたので、そこから30分かけてコイカクシュサツナイ岳のテン場に向かう。今までとは違い、ハイマツが足に絡みつく。これが次の日にずっと続くとは、この時は思ってはいなかった。 テン場に着くとすぐにテントを設営した。風が強く、シートが飛ばないように気をつけた。その後、アルファ米とビーフシチューを混ぜて食べた。夜にテントの外を見てみると、真っ赤な火星がこちらを見ていた。寒いので、シュラフにカバーをし、上下ダウンを着た。するとあっという間に眠りについた。 12日 2日目 午前4時 テントから外を見ると、薄暗い中に1839峰が見えた。もしかしたら晴れている?すぐにテントから飛び出して周りを見回す。山の下に雲海が見えるが、1839峰やヤオロマップ方面はとてもよく見える。そしてご来光。1839峰が徐々に赤く染まる。テンションは最高❗️前の日に作っておいたおにぎりを食べ、アタックザックを背負って午前5時30分に出発❗️いよいよずっと目標だった山に登ることができるんだ… テン場からすぐにかなりの下り。さらに今までになかった大きさのハイマツが邪魔をする。脛に、太ももに、そして顔にも枝が当たる。これがこれから5時間以上続くとなるとうんざりする。朝露と松ヤニ対策で、上下レインウエアとスパッツをつけてきたが、すぐに全身ベチャベチャに。でも、ずっと1839峰を見ながら歩くことができているので、スピードはあまり落ちない。何度も稜線を登り下りしていると、ヤオロマツプに着いた。ここにもテン場があるけど、ここまでは自分は荷物を背負っては来れないな…と思っていたら、帰りにはここにテントが2つ張ってあった。凄いパワーの人もいるんだな。 さて、真っ直ぐ行くとペテガリ岳、左に行くと1839峰。ハイマツに覆われて、分岐点にはほとんど見えない場所から左に曲がる。すると段々と雲が出てきた。焦る!ここから山頂まで3時間もかかる。多分山頂に着いたら雲の中だろう…でも、気を取り直して進む。ここからがさらに険しい道になる。両サイドがキレている稜線を、岩を登ったり、ハイマツと戦ったりして進み続ける。何度も転びながらも一歩一歩進む。すると目の前に1839峰が見え始めた。雲の切れ間に入ったようだ。そこから猛ダッシュで山頂に向かう。崖を登りハイマツをかき分けると、急に広い場所に出た。山頂だ❗️ 何とここだけが晴れている。周りの山は全て雲で覆われているのに、頭の上に太陽がある。とても不思議な光景だった。山頂では夏尾根頭でテン泊していた先行者さんと写真を撮り合い、お互いの無事を祈って別れる。 まさかこんな日高の真ん中の山の頂上で会えるなんて凄い偶然だな。さて、ここまで6時間。12時を過ぎたところ。これからまた6時間かけてテントまで帰らなければならない。この日の日没は午後6時半過ぎ。少しでも遅くなると真っ暗だ。1839峰にサヨナラを言って山頂を後にする。 帰りはかなり疲れていた。昨日、ほとんど飲まなかった水も2L飲み干した。来た道を帰るだけなんだけど、前の日からの疲労で足があまり動かない。そのうちに周りが雲の中に入って真っ白になった。その中をGPSを見ながら歩く。何度見てもあまり進んでいかない。いくつものピークを踏んだ。1度歩いた道だから5時間位で着くかと思ったら、きっちりと6時間かかってテントまで着いた。いやあ疲れた… テントですぐに夕食の準備をした。この日はまたアルファ米で作ったカツとじ丼とスープ。そしてどうしても甘いものを飲みたかったので、カルピスを一気飲み。この日の外は真っ白で何も見えない。何もすることがないので寝るしかないが、登頂できて興奮しているのかなかなか寝付けなかった。 13日 3日目 午前4時 また今日も朝焼けが見えるかと思ったが、テントを開けると外は雲の中で真っ白に…これは今日登る人は辛いだろうと思っていたら、2人組が真っ白な登山道を進んでいった。朝はラーメンと前の日の残りのご飯で作った雑炊。そしてコーヒーを飲む。今日は下りるだけなので1Lのお茶とペットボトル1本を持って、後の水は捨てる。午前8時下山開始! 夏尾根頭からまた1000m下りる。この日はかなり風が強いので、突風による滑落を防ぐために、常に枝や笹を持ちながら下りる。靴の中はこの2日間の山行で、濡れまくっていた。だからかもしれないが、下りで足の皮が3ヶ所むけてしまった。3時間で二股へ下り、デポしておいた沢靴と浄水器を持ってコイカクシュサツナイ川を下る。下りは足に合わない沢靴は履かなかった。それでも水が少ないので、濡れることはなく中札内ヒュッテまで行けた。 さて、あとはダムまでの6つのトンネルを含む5km歩き。もう右足のかかとの皮がむけてしまっていたので、靴を脱いで裸足で歩く。マラソンなら5km20分ほどで行けるけど、70分もかけて車までたどり着く。すると20台位が駐車していた。1839峰の登って来た人はほとんどいなかったので、かなりの人達がカムエクに向かっていたことが分かる。 やっと帰ってこれた。久しぶりにワイルドな登山をしたな。この後、すぐに中札内に戻り、コインランドリーで洗濯機を回し、更別温泉で自分も洗った。 さて、来週は北海道マラソン。この皮が3ヶ所むけた足で、フルマラソンを完走することができるのかな?

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