天国の遊歩道　赤水渓谷

　この暑さのせいでハードになりそうな登山はさりげなくパスして、涼を感じられるであろう奥森吉の赤水渓谷へ。有名な桃洞滝も見てみたいが、子どもらに「なんで女滝っていうの？」とか訊かれても困るのでそっちには行かないことにした(笑) 　 　隣県ながらもアクセスに時間がかかるので、前夜のうちに道の駅かづのまで移動。車中泊し早朝にトレッキング出発点となる森吉山野生鳥獣センターへ向かう。 　目的地手前、自分の車の前を熊の親子が横切る。2年前に残雪の森吉山を登っている最中にも小熊に遭遇しているので、自分的に森吉山周辺での熊遭遇率は100％…さすがマタギの地だと妙に感心させられる。 　オープン時間前の野生鳥獣センターに到着し準備をしていると、センターの職員さんがやってきて親切に声をかけてくれた。今は沢の水量が少なくて歩きやすいとのこと。ウサギ滝までのおおまかなコース説明を受けた後に出発する。 　 　赤水沢へのアプローチはほぼフラットな原生林歩き。深緑の木洩れ日の中を気持ちよく…のつもりだったが、実際には蚊の襲来を手で払いのけながらのトレッキング。先日の岩手山の蒸し暑さに懲りごりしていたせいで全員ショートパンツ姿。虫除けスプレーも大して効かずに脚はボコボコにされてしまった。 　U字渓谷への入渓点からはウォーターシューズに履き替え、ウサギ滝を目指して遡行する。日差しは強く気温も高いが、足下は冷たい沢水に浸っているおかげで爽快な気分。 　一枚岩の上をなめるように流れる水、小滝やおう穴が連続する渓相はとにかく美しいの一言で正に天国の遊歩道を歩いているかのよう。夏ならではの貴重な体験をすることができた１日となった。