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しまなみウォーカー 涙の撤退編

みきTさん YAMAP Meister Gold

  • YAMAPマイスター:ゴールド
  • 自己紹介:1000m上の頂上も、100km先の目的地も1歩ずつ。
    中国地方・四国地方に出没。
  • 活動エリア:広島, 愛媛, 島根
  • 性別:男性
  • 生まれ年:1975
  • 出身地:
  • 経験年数:10年以上
  • レベル:初心者
  • その他 その他

しまなみ海道

2016/01/10(日) 13:01

 更新

しまなみウォーカー 涙の撤退編

公開

活動情報

活動時期

2016/01/09(土) 04:06

2016/01/09(土) 15:10

アクセス:308人

軌跡・時間・距離

軌跡データをダウンロード
累積標高上り 2,175m / 累積標高下り 2,194m
活動時間11:04
活動距離49.07km
高低差163m
カロリー2464kcal

写真

動画

道具リスト

文章

【プロローグ】

しまなみ海道を自転車で渡るのは、サイクリストなら誰しも夢見ることと思う。

だが私はサイクリストではない。
正確にはサイクリストをやめて10年以上になる。
もはや自転車でしまなみを横断することに、何のモチベーションも湧いてこない。

それでも旧友たちに「しまなみ走ってきたよ!すごい景色良かった!」などと聞かされると、羨ましい気分にもなった。
そのたびに「おれもレンタサイクルでも借りてしまなみ走ってみようかなぁ」と漠然と思ったものだった。
だが実際にはそれは実現することなく、山にのめり込むうちにその思いも記憶の奥に追いやられて行った。

そして月日は流れ。
しまなみ開通から15年が経った冬のある日・・・。

男は何の前触れも脈絡も無く、ふと思ってしまった。
「しまなみ海道って歩いて渡れるんじゃないか?」

思いついてしまった(まったくバカなことを思いついてしまったものだ)、と同時にこの行為にふつふつとモチベーションが湧いてくるのを感じた。

早速ネットで情報を収集すると「自転車・徒歩での横断コースは約70km」とあった。
どうせやるなら1日で横断するのがおもしろい。

思いつくとこの男は良い意味でも悪い意味でも前のめりだ。
ウォーキングシューズを購入し、ネットで徒歩での横断レポを漁り、手製のマップを作成し、着々と準備を進めていった。

そして年明け早々の三連休の初日。
男は早朝の尾道駅に立っていた。


【尾道~因島】

早朝4時に尾道駅を出発。
今治駅到着タイムリミットは、尾道行最終バスが出る19:30だ。

まずは海岸沿いをゆっくり歩きだす。
さすが港町の観光地だけあって、街灯も整備されていて夜でも安心感がある。

まずは尾道大橋へのアプローチだが、ネットでも情報が乏しくハッキリとわからない。
ただ、どのしまなみ関連の公式ページを見ても「自転車・徒歩での通行は推奨しない」とあった。

入口は道路標識のおかげですぐにわかったが、明らかに自動車専用道へのアプローチのような作り・・・。
だがお決まりの○○cc以下のバイクの通行を禁ずる的な標識は見当たらない。
不安を抱えたまま、自動車道特有の回り込んだ道を登っていくと、果たして尾道大橋が見えてきた。
まずは最初の橋に辿り着けてホッと一息。

橋の取りつきまで来て、車道の脇に歩行者用の道があるのに気付いた。
これを登って来てたら1、2kmはショートカット出来たのに・・・。

この後何度も悩まされる橋への取りつき方だが、基本的にオフィシャルサイトでは、自転車と歩行者は同じ道を通るように表示されている。
だが実際にはほとんどの橋に、橋の取りつきに直接アクセスする歩行者専用道があった。
階段だったり、農道のようなコンクリート道だったり、登山道のような道だったりするのだが、そのほとんどがアンオフィシャルな道なのだ。

思うに、徒歩で橋を利用する人は少ないため、歩行者専用道の整備には金も手間もかけていないのだろう。
整備しない道は安全を保証出来ないから、アンオフィシャルにするしかない。
だからもちろん標識も無いので入口を見逃す。
そして橋までたどり着いて初めてショートカット道の存在を知る、というあんばい。
ショートカット道を利用することで、多分しまなみ全線で5kmは距離を短縮出来ると思う。
いかにショートカット道を見つけるかが、しまなみウォーカーの肝だ。

さて尾道大橋だが、歩いてみて「自転車・歩行者の通行を推奨しない」意味がわかった。
歩道はあるのだが、歩道のど真ん中に橋のケーブルがぶっ刺さっているのだ。
これでは自転車は通れないだろう。
だが歩くぶんにはケーブルを避けるだけだから問題なかった。

そして最初の島 向島に上陸!
住宅地の中など、出来る限りショートカットを意識して歩いた。
瀬戸内海の朝焼けが美しかった。

因島大橋でも、最短の取りつきルートを見落として、大幅なロスをしてしまう。
この時点で用意していた予備タイム2時間のうち1時間を使い果たしていた。

因島大橋は上下2層構造になっており、歩行者は下層を歩く。
通勤と思しき自転車や原付をチラホラ見かけるようになってきた。

すっかり夜も明けて、因島内陸部をのんびりと歩く。
途中寄ったコンビニで朝食を取りながら休んでいると、白いわんこが遠巻きにチラチラこっちを見てくる。
あんまり目線でアピールしてくるもんだから、一旦敷地を出て、ゆで卵をお裾分けした。

最近では市街地で野良犬を見かけることはほとんどなくなったが、しまなみはどの島でもよく見かけた。
多分10匹は遭遇したんじゃないかなぁ。
どの子も必要以上に人間に近づいて来ず、野良犬としての生き方を熟知している様子だった。
だが明るいうちに遭遇するぶんにはいいのだが、暗いうちは怖かった。

向島でショートカットをしようと峠に向かっていたら、けたたましく吠えて威嚇された。
暗がりで姿は見えず、しかも2匹以上いる・・・。
結局ショートカットは断念するしかなかった(笑)。

それでも、人と犬が共存している大らかな島の生活は素晴らしいし、こうあるべきだと思った。

さて内陸部を抜けて島の反対側に出ると、ほどなく生口橋が見えてきた。
美しい斜張橋で、歩行者は車道の脇の専用道を歩く。
ここは取りつきへ上手くショートカット出来たと思ったが、橋に着いてみるとさらに近い道があった。
うーん・・・ほんとショートカットは難しい。


【生口島~大三島】

生口島ではしまなみ公式推奨ルートではなく、時間短縮のため島の南側のルートを取ることにした。
このルートはとにかく長かった・・・。
観光開発に見放された道沿いには、コンビニも商店も無く、ひたすら海沿いの道を歩いた。

この頃から休憩後の再始動が辛くなってきた。
時間を取り戻すため、ペースアップしたのが響いてきたか。

長い長い生口島を抜けて、多々羅大橋を渡る。
しまなみ一の美しさと称えられる、鳥が翼を広げたような見事な斜張橋は、何度見ても感動する。
この橋が斜張橋の可能性を切り拓き、後の巨大斜張橋完成に繋がったのだとか。

大三島に渡ってすぐの、道の駅のようなところで昼食にした。
エビフライカレー大盛りとタコ天を注文。
エビもタコもぷりっぷりで美味しかったー。

昼食を取りながらマップとにらめっこしてると、もう予備タイムを使い果たしていることが判明。
さらにペースアップしたいところだが、もう足が思うように前に出てくれない。
タイムリミットを気にせずこのままゆっくりゴールを目指すか、とにかく行けるだけ行って、最悪どこかでリタイヤするか、決断を迫られる。
歩きながら悩んで、後者を選択することにした。
とにかく可能性があるうちは、ペースアップして行けるところまで行こう。


【大三島~伯方島 そして撤退】

大三島橋に辿り着く頃には、右足の感覚が無くなっていた。
実は向島のあたりですでに甲に痛みがあり、だましだまし歩いていた。
それは我慢できるのだが、ペースアップの影響で太ももからふくらはぎから、しびれるような痛みを感じるようになっていた。
もはやストックを頼りにトボトボと歩く有様。
10歳のとき以来、30年ぶりに渡る大三島橋の感慨に浸る余裕も無い。

もうタイムリミットには絶対間合わないが、何とか行けるところまで行こうと自分を鼓舞する。
ドン亀のように遅い足取りながらも、どうにか伯方・大島大橋が見えるところまで来た。
が、その瞬間伯方島のバスストップが目に入る。
この先の全島中最も長い大島の行程。そして同じく最も長い橋 来島三連橋が頭を駆け巡る。
そして心が折れた。

49キロ地点。
全行程のおよそ三分の一を残しての撤退。
バスストップでバスを待つ負け犬は、リベンジを心に誓って島を後にした。

次回、しまなみウォーカー 感動の完全踏破編に続く?

コメント

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