9/4 地獄の閻魔王庁 〜前編〜

2018.08.29(水) 日帰り

活動データ

タイム

01:58

距離

4.3km

のぼり

21m

くだり

26m

チェックポイント

DAY 1
合計時間
1 時間 58
休憩時間
15
距離
4.3 km
のぼり / くだり
21 / 26 m
2 2

活動詳細

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いつもありがとうございます🌿 先づは台風21号ですが、進路コースの皆さま大丈夫だったでしょうか😣? 今日4日、わたしの会社も午後より臨時休業となり急ぎ帰宅致しましたが…… 家中の全窓シャッターを閉めていても、暴風と大雨、久しぶりに恐怖を感じるほど凄かったです💧 “直感的“に『これは不味い?』と思われている方、どうぞ早めの避難をお願い申し上げます🙇 直感で感じるもの、 それは貴方を守っている守護霊からの叫び声です! さて、 今回も山行ではございませんので、 ご興味無い方は、誠に申し訳ございませんがスルーお願い申し上げます🙇 レポの写真は、先月8月29日に伺った 京都 北野天満宮さん→京都御所 のものです。 北野天満宮さんに関しては、今年の3/5 のレポに詳細を書いておりますので省かせて頂きます🙇 京都御所ですが、 結論から申しますと、神仏はどなたもお見えになりませんでした。 そして驚いたのは、いわゆる『幽霊』や『邪悪な存在』も、“一切“ 居ませんでした。 正確に申しますと、御所内に入れない、 とてつもなく強い『結界』が張られており、『鳴くよ(794)ウグイス平安京』で暗記されたと思われますが、 794年〜現代2018年まで、衰える事なく作用し続ける『結界』、 どなたが張った結界か存じませんが、半端なく凄いです! 時の陰陽師のどなたかだと思いますが、天皇を守る為に張った結界、 実はこの結界は、現代の私達にも良い作用があります🌿 ここで覚えておいて頂きたいのは、 『結界』内には幽霊や邪悪な存在、邪悪な念は一切入れません❗️ つまりいつもお話しするように、 人間は普通に日常生活しているだけでも、『成仏させて欲しい!どうしたら良いの?助けて!』という魂、いわゆる『幽霊』が、簡単にヒョイと取り憑いています。 また生きた人間から飛ばされる恨み辛み妬みなどの『生霊』の念はもっと厄介です。 (ちなみに生霊は、幽霊と違って簡単には離れませんし、一気に運も急降下、体調もいきなり最悪な状態になります。生霊を祓ってもらえるのは、お不動様のみ🌿 三峯神社のご眷属方でも生霊は絶対に剥がせません!のでご注意を🙇) こういった邪念から、 簡単に逃れる・祓ってもらう初期段階として、京都御所に観光にふらっと行かれるのがおススメです🍀 付いて来れないので、幽霊などは簡単にヒョイと離れ、他の人間に乗り移って行きます。 と、ここで不安になられる方も。 御所内は、40分程で歩いて散策出来ますが、人間は30分以上この結界に身体をさらしていると、暫くの間(1週間くらいです)、この結界を身にまとってますので、散策後門を出ても、再び取り憑かれる心配は全くございませんのでご安心くださいませ🌱 また、この京都御所。 上空から御所に向けて、非常に良い『気』が流れてます🌿 いわゆる『パワースポット』🍀 まだ今は分からない方々でも大丈夫。 大切なのは、“意識的“に『上空から何かがソヨソヨと流れてくる』とイメージしながら深呼吸することです。 間違っても、下から上のイメージをしないこと❗️ 『上から下です❗️』 『見えない世界』の風、 あなどらない方が良いですよ。 間違えると、この世の『見える世界』の方では治せませんので、取り返しのつかない事になります。 と、ここまででも長くなりましたが🙇💦 〜〜 『死後の 閻魔王庁』 〜〜 7月〜8月にかけて、 お盆が近かったからだと思われますが、 『人間の死後って?どういう世界なんですか? わたし、上司を恨んだ覚えがあります。 死後直後の『丸い光』を探すことは分かりましたが、49日後、進むべきその光の向こうの世界が知りたいです! 恨んでしまったわたしは地獄に落ちるんでしょうか? そもそも地獄ってあるんですか?』 と言ったご質問メールを沢山頂きました。 (ちなみに、死後直後〜49日までの『丸い光』を探すことに関しては、6/4 ハイドーンと白山 のレポをご参照お願い致します🙇) 地獄については、その都度個々メールをしておりましたが、 7月、京都の引接寺(いんじょうじ)さんに伺い閻魔大王さんに直接伺って参りました。 (ここ引接寺の閻魔大王さん、司命さん、司録さんは、仏像ではありません。しっかりご本体と繋がっている仏様です) 要約致しますと… 地獄は存在致します。 これをお読みいただくと、 勘違いなさる方がお見えかと存じますが、 閻魔大王様は、『仏様』です🌿 神仏のお一柱なんです。 ですので、閻魔大王様が管轄する地獄の世界は、 神仏の世界という事を、先ずはご理解の程お願い致します🌿 そして、閻魔大王様に直接お聞きして、 識子さんの『閻魔王庁物語』が、 一番的確であり、ご理解しやすいかと存じましたので、引用させて頂きます🙇 既にお読みになられた方、 ご興味が無い方は、スルーお願い申し上げます🙇 尚、このお話しは、 ストーリーとして短編の『物語り』風になっております。 〜 ①『閻魔王庁に就職』〜 ここが俺、コウスケの職場になるのか…… 荘厳なつくりの建物に圧倒された俺は無意識に深呼吸をしていた。これが、最初に抱いた感想である。 建物は平屋だというのに天井が異様に高く、3階はゆうにあった。 内部の装飾は豪華絢爛で美しく、壁や柱の彩色文様は古代中国風で、赤や緑が多用され色鮮やかである。 内部にはとても大きな机が真ん中にあるくらいで、家具らしきものは他にはなかった。 そして不思議なことに、この建物には窓が一つもないのだった。 俺が珍しそうにキョロキョロと観察をしていると、案内をしていた先輩の司仙がニヤリと笑った。 "なんだコウスケ、お前、覚えてないのか?" "え?俺、ここに来たことがあるんですか?" "あるに決まってるだろう。人間だったんだから。" 来たかなぁ?もし来ていたら、こんなに特徴ある場所を忘れるわけがないんだけどな…… "僕はあるよ。" 並んで歩いていたチビ太が、 子供特有の高い声で口を挟んだ。 チビ太も俺と同じくこれからここで働くのだが、見かけは幼稚園児だ。 身長が1メートルちょっとしかないので、勝手にチビ太と呼んでいる。 "魂の最初の頃ですよ、コウスケさん、覚えてないのですか?" 魂の最初の頃? 過去をずっとよじのぼって考えていたら、魂の奥底にあった記憶が蘇ってきた。 "あ! あるある! 俺もここに何回か来たことがある! そして俺は、閻魔様にしこたま叱られたんだっけ " と、そんなことを思い出しながら、法廷を見学した。 今日から俺とチビ太が勤務する職場… それは世間一般で言うところの 『閻魔王庁』、冥界の裁判所であった。 どうして閻魔王庁に勤務することになったのか…… その理由は、実は俺にも明確には分かっていない。 気がついたら俺は死んでいて……変な言い方だけど、死ぬとはそんなものだ。 朝、目覚める時を考えてもらうと分かりやすいかもしれない。ふっと目が覚める。 気がついたら目が覚めている。 ああ、朝か、と思うあの感じに似ている。 ふと、目が覚めたように気がついて、 あれ? ここはどこだ?と、かたわらを見ると、俺の体がそこにあった。 そこで思い出した。 そうか! 俺は崖から落ちたんだった、と。 山登りをしていた俺は、切り立った鎖場で足場を滑らせてしまった。 とっさのことで腕に力が入らず、そのまま数十メートル下の地面に落下したんだ。 全身打撲だった。 あちこち骨折していたし、頭も強く打っていた。 即死だったのかな、とぼんやり自分の肉体を見ていたら、そこに大天狗がやってきた。 大天狗は山神様の眷属である。 大天狗は俺の前に立つと、 " このまま死ぬか? それとも生き返るか? どちらを選ぶ? " と聞いてきた。 え?選択の余地があるのか? 即死じゃないの? と、よく見たら、俺はまだ魂の緒が切れていない状態だった。 今だったら生き返る事が可能というわけだ。 崖から転落して死ぬことは、運命として、 俺が生まれる前に自分で決めた事である。 今世は長生きをしない人生を計画して生まれてきた。 だから、このまま死ぬのは予定通りなのだが、 天狗は『ちょっと、運命を変えてみる?』と聞いているのである。 天狗ってそんな権限を持っているのか〜、すごいな〜、と思うかもしれないが、真相はそうではない。 天狗の親分は山神様だ。山神様はすごい強い力を持っている。人間の人生の計画を簡単に書き換えるくらい、お茶の子さいさいなのである。 だからここで、生き返るほうを選ぶと、 瀕死の重傷だが、誰かに発見されて病院に運ばれ、俺は助かる。 どうしようかなぁ〜と一瞬迷ったが、俺は計画を優先して死ぬことを選んだ。 長く生きる人生が良いとは限らない。 寿命を延ばしてもらえることはなんだかすごい特典のように思うかもしれないが、ハッピーで万々歳とは言えないのである。 俺という人物をもう少し長く味わえる、 周囲の人とももう少し一緒にいられる、 やりかけている事があればそれを続けることも出来る。 しかし、同時にリスクも背負う。 余計なカルマを作ってしまうかもしれない。 というのは、計画を変えてしまうと、その先の人生は白紙という事になる。何か、とてつもない事をやらかした場合、本来なら関わってない人に多大な影響を与えてしまう。 決めた寿命で計画を立てず自由に生きる白紙状態と、寿命外で新たに白紙の人生をくっつけるのとでは、全く意味が違う。 転生を重ねてきたから死ぬことに慣れているし、俺はまだ大学生だから悲しむ妻や子供がいるわけではない。 両親には悪いと思ったけど、予定通り死ぬことにした。 早く帰る計画をしていたから、淡々と生きてきたのである。 生き返るかどうか、天狗は誰にでも聞いてくれるわけではない。 自分で言うのもなんだが、俺はかなり霊格が高い。魂の旅が長くて、多くの転生を繰り返し、せっせと善行も積み上げてきた。 それで、このような提案もオプションとしてもらえるのだった。 死んだあとはいろいろな行事が待っている。 死後の行事の一つに、 守護霊、及び守護・サポートしてきた高級霊たちとの反省会というものがある。 いま終えたばかりの人生をおさらいしつつ、あれこれとディスカッションする。 その反省会の場に、司仙が来た。 司仙は閻魔王庁ですでに仕事をしている先輩で、亡くなった時の姿そのままでいるから、見た目は35歳という比較的若い男性だ。 " コウスケ、閻魔王庁で修行をしてみないか? " いきなりこう切り出された為、面食らった。俺は司仙を知らなかったし、修行って何だ?と思った。 なんだかよくわからないけど、面倒くさそうだし、断る気満々で口を開こうとした時、守護霊が俺にアドバイスした。 " 仏になって人々を救うことは素晴らしい。私はお前に頑張って欲しいと思う " そして、 " 神になりたいのなら修行が違うが……お前は仏に向いている " と。 つまり、お寺の仏になるか、神社の神になるかで、進む場所が違うというわけだ。 そうかここが分岐点なのか。 神も悪くないと思ったが、神社からの誘いは無かったし、守護霊もどちらかといえば俺は仏タイプだと言っていたから、それを信じて修行することにした。 〜 ②『閻魔王庁の職員』〜 先に閻魔王庁の詳しい話しをしておく。 ここは死後世界の裁判所である。 人間が生まれて死ぬまでに、もしも悪いことをしたら、その悪事はここで裁かれる。 人間界の裁判では無罪という判決が出ることもあるが、閻魔王庁では無罪はありえない。 仏の世界なので、無実の人が送られてくるというミスがないのである。 送られてきた人は全員有罪で、全て有罪だと言っても、判決だけ言い渡すという機械的に処理をするシステムにはなっていない。 悪事を働いた動機、その時の状況、精神状態、育った環境、他人からの悪影響など、多くの側面を仏である閻魔様が親身になって考慮し、判決を下す。 裁判官は1人だけだ。 それが閻魔様である。どうして裁判官が1人だけなのか?というと、閻魔様は位が高い仏様なので、判決を間違えることがないからだ。 閻魔様の後方には5人の補佐官がいる。 補佐官たちは罪人の人生を漏らさず調べていて、閻魔様に報告をする。 その人が何をしたか、何を言ったか、そして何を思ったのかまで、一つ残らず把握している。 それも今世だけに限らず、全ての過去世においても熟知している。 閻魔様の前には、実務を担当する2名が控えていて、 罪状の説明をする司命(しめょう)、 記録係のほうは司録(しろく)。 この2名はなぜか人間界では有名で、仏像め作られているし、補佐官の5人の方が断然格が上だし、仕事内容も重要さが違うのだが、下界では5人を知らない人の方が多い。 その他いろんな係の者がいる。 人間界の真実を映し出すモニターを出し入れする者、警備係、補佐官5人と司命・司録には眷属が1名づついる。 人間界のシーンとした法廷とは違って、意外と賑やかな雰囲気である。 〜 ③『悪行にはレベルがある』 〜 " 人間は死後、2つのグループに大別される。悪いことをしなかった者と、した者だ" 司仙が法廷内を案内しながら講義を始めた。 悪いことをしなかった人は、 閻魔王庁に来る必要はない。死後のさまざまな行事を経て、ゆっくり休養をしたあと、輪廻転生のほうへ行く、霊界で仕事をする、神になるため修行に入る、仏になるため修行に入る、などに分かれる。 一方、悪いことをした人は、 閻魔王庁に来なければならない。避けることは不可能で必ず来る事になっている。そして裁判を受ける。 先程説明をしたが、恐ろしい閻魔様の前で行われる裁判は、判決だけを言われて、ただそれを聞く、という人間界のようなものではない。 申し開きをさせてもらえるのである。 一応、自分で弁護が出来るようになっている。 この世界には法律というものがないから、 犯してしまった悪い行いについては、閻魔様が仏としての見地から総合的に判断をする。 格の高い仏様なので閻魔様は無慈悲なことはしない。 閻魔王庁は、懲らしめるために罰を与えるところではないのだ❗️ 本人の反省具合なども見て、判決が言い渡され、その判決は本人が正しく進化していくように考えられている🌿 そこでチビ太が質問をした。 " 悪い事のリストみたいなものがあるんですか? 殺人や強盗をしたらここに来ることは分かりますが、 人の悪口を言う、などはどうなりますか? " 司仙は良い質問だと思ったらしく、うなずきながら話しを続けた。 " 悪いことにはレベルがある" 明らかに悪いこともあれば、判断が難しいものもある。だから、ここまで許される、 という基準が設けてあるという。 その基準より悪い行為をした者は自動的に来るようになっているそうだ。 レベルは 同じ行為 の中にも存在する。 司仙が詳しく説明をしてくれた。 チビ太が質問をした"悪口を言う"、 これを例にすると、まず、同僚と飲みながら憂さ晴らし程度に軽く言うものがある。 今日の課長は機嫌が悪かった、 どうやら部長に注意をされたらしい、 それで自分に当たり散らしたみたいだが、自分には1ミリも非はないため腹が立って仕方ない、納得がいかない、という種類のものである。 独身の同僚が高級時計を購入した、妻子持ちの自分には買う余裕がない、それを知っていながら何度も自慢をする、非常にムカつく、などである。 こちら側は相手に対して何も悪いことをしてないのに、一方的に気持ちを害されると、その処理を自分の中でうまく出来ない場合がある。 処理が出来ないと、負の感情をいつまでも引きずるし、相手を憎む気持ちが芽生えたりもする。 心が黒くなってしまうこともある。 そこで、人に話すという行動に出る。 話してしまえば、感情の処理がうまくいってスッキリするためだ。 これは心を守る本能のようなものである。 ただし、悪口を言っている間、ずっと追体験をしてしまうため、人によっては悪口を言うほうがダメージが大きかったりする。 人の悪口を言ってしまった……という、後味の悪さなどに苦しむ人は、霊格が高い証拠だから、悪口は我慢したほうが良い。 悪口は言わないに越したことはないが、 この感情処理の種類だったらそんなに悪いものではない。 閻魔王庁にも来なくていい。 社会に出たら、理不尽なことは山ほどある。 幸い俺は大学生で死んだから、会社勤めをしてない。まわりは親と友達だけだったから、人の悪口はほぼ言わずに生きることが出来た。 チビ太は5歳で死んだから、悪口は一つも言わないまま戻って来ている。 司仙は説明を続けた。 " 感情を処理したくて言ってしまう悪口よりタチが悪いのは、 相手を見下したい、ザマーミロと人の不幸を楽しみたい という気持ちから言う悪口だ。 優越感を感じたいと言ってもいい " 例えば、気に入らないママ友がいて、 " あの人の旦那さん、毎晩帰りが午前様だって〜。 何してるか分からないよね〜。 あの人って、あまりオシャレしないじゃない? 髪なんてボサボサだし。 こないだランチにノーメイクで来たのよ、ありえないでしょ。 一緒にいるこっちが恥ずかしかったわ。" " あの人のブランド品って、偽物だよ。旦那さんが派遣って言ってたから、本物が買えないんだと思うの。そこまでして見栄を張る必要ある? 負けたくないのかしら?" など、この手の悪口は先程とは逆で、 『相手が自分に何もしてないのに』 こちらの感情で一方的に言う悪口である。 気に入らないから、 嫌いだから、 自分の方が優れている、 という快感にひたって良い気持ちになりたいから、 そのような感情から出た悪口だ。 相手を不幸と決めつけられる要素を探し、 見下すように言う悪口、 ザマーミロ感全開で言う悪口、 これは良くないそうである。 更に、もっと悪質なバージョンがあって、 それは 『相手を陥れるために言う悪口』 だそうだ。 例えば、 営業成績でライバルに負けているのが悔しい、 あいつの方が早く出世しそうだ、 なんとか失脚させてやりたい! と、 『悪意・邪な目的を持って言う悪口』である。 相手の評判を悪くして降格させてやりたい、 できれば自主退職に追い込みたいと思いつつ言う悪口。 相手の人生を悪く変えることが目的で言うものだ。 陰謀と言ってもいい悪口である。 そこで俺は気になったことを聞いてみた。 " 同じ悪口を言ったとしても、そこに人格や霊格は関係ないのですか? 良い人格の人や、 たくさん善行を重ねてきた人も、基準は悪人と同じでしょうか? " "同じだ。 行った行為のみで判断される" 司仙の答えから、基準以上の悪いことをすれば逃れる手はないのである。 〜 ③『閻魔様』 〜 そうしている間に、 ゴォ〜んと鐘が鳴った。 司仙の表情から笑顔が消えた。 今から閻魔王庁が開廷されるのだ。 正面の扉から、閻魔様が入ってくる。 堂々とした体系に道服(どうふく)をまとい、頭には冠(かんむり)をかぶっている。 見慣れない服装だがなんだかすごい迫力だ。 しかも、である。 体がでかいのなんのって、2メートルは超えているんじゃないだろうか。恐怖を覚える大きさなのだ。 続いて5人の補佐官と眷属、 司命と司録、その眷属たちが続く。 閻魔様が内陣の中央に座り、他の者たちも所定の位置につく。 チビ太と俺が法廷の中央でぼっ〜とその様子を見ていたら、 "新入りだな " と、閻魔様が声をかけてくれた。 "はいっ! " 俺もチビ太も気負って大声で返事をした。 " 2人とも久しぶりだ " 閻魔様は懐かしそうに眼を細め、 " 良い仏になるために頑張りなさい " と、激励してくれた。そして俺たち2人に向かってにっこりと微笑んだ。 えっ! ええええーっ! あの、閻魔様が! 微笑むとか! 閻魔様はにっこりすると、なんとも言えない優しい顔になる。 胸の奥にポッと灯りがともって、あたたかい光を放つような、そんな穏やかで平和な気持ちにさせてくれる笑顔だ。 仏様なんだなぁ、と俺は感動した。 〜 ④『獄卒(ごくそつ)たち』 〜 司仙と一緒に 被告人 が順番待ちをしている廊下のようなところへ行く。 細くて長い通路状になっているのだが、そこには 獄卒 と呼ばれる職種の者がいて、被告人たちを管理していた。 驚くことに彼らは人間ではなく"鬼"だった。 鬼はツノが1本の者と2本の者がいる。 この部署にいるのは赤鬼という種類なのだろうか、体や顔が赤みを帯びている鬼ばかりだ。 その鬼が被告人を叱り飛ばして整列させていた。 司仙に言われて、入廷係の俺とチビ太は、 列の一番前にいる男性を法廷へ連れて行く。 年齢は45歳くらい、 ふて腐れた態度でチンタラチンタラ歩く男だ。 仮の名前を 『真次』とする。 俺とチビ太で挟むようにして連れて行くんだが、真次はわざと少し後ろから着いて来る。 めんどくせぇなぁ、だの、俺は悪いことなんかしてねぇよ、だのブツブツ文句を言いながら。 真次はチビ太を見て、 " なんだよ、このガキ。 ガキのくせに偉そうだな " と言ったかと思うと、いきなりペッと床に唾を吐いた。 そして走り出した。 逃げるつもりなのだ。 すると、どこからともなく獄卒が数名現れ、猛スピードで真次を追いかけて、あっという間に捕まえて戻って来た。 脱走を試みたということは、 真次は閻魔王庁に来るのが『初めて』だと思われる。 獄卒を知っていれば逃げられるわけがないと、『魂が覚えている』からだ。 獄卒は法廷の入口まで真次をガッシリ掴んでいたが、そこで手を離した。そして鬼は、それぞれの持ち場に戻っていく。 鬼は法廷内に入れないからである。 なぜかと言うと、 閻魔様のいる…… つまり、位の高い仏が居る空間に、 鬼はいることが出来ない。 同じ空間に入れないのだ。 鬼が法廷内に入れないため、入廷係や退廷係は人間だった修行中の者が務めることになっている。 〜 ⑤ 『真次の場合 ー殺人ー 』 〜 真次の横柄な態度は、 閻魔様を前にしてもそのままだった。 " 名前は? " 閻魔様が低くて太い声で聞く。 真次が俗名を答えると、次は司命が、 真次が犯した罪や行った悪行を一つ残らず読み上げる。 殺人、窃盗などの人間界でも罪となるものが最初に述べられ、続いて行った悪行が続く。 人を平気で裏切ったり、騙したり、そのような行為がすべて晒されるのだ。 閻魔様の後ろでは必要に応じて、5名の補佐官が代わる代わる閻魔様に耳打ちをする。 被告人の魂の経歴に関する細かい報告をするためである。 司命の読み上げが終わり、補佐官が閻魔様の後方に下がると尋問が始まる。 " 27歳の時に最初の殺人を犯しているが、どうして殺したのだ " " どうしてって、あいつが俺を怒らせたからだよ " " 何をしてお前を怒らせたというのか" " 俺が歩いていたらよ、あいつがわざとぶつかってきやがったんだ。 すみませんって一応言ってたけど、酔っ払ってたから、余計に許せなかったんだよ " " 相手は謝ったのだな? " " ああ。だけど、すみません、だぜ? 土下座しろって話だろ! そう言うと、やつは土下座して謝った。 仕方ないから許してやったさ。 だがな、こっちが許してやったのに、やつはすれ違いざま舌打ちしやがったんだ! " "それでどうしたのだ? " "そりぁ腹も立つってもんだろ! 許してやった恩も忘れて舌打ちだぜ? こいつは殴られて当然だと思ったね。 ムカついたからボコボコに殴ってやった。 そしたら、地面に倒れて、 頭でも打ったんじゃねーかな? そこで俺はその場を去ったから、そのあとのことはわかんねーんだよ。 死んだってのはテレビで知った " " 自首しなかったのはなぜだ " " 俺、悪くねーもん。俺を怒らせたあいつが悪いんだ。 あいつが怒らせなかったら、俺は殴ってねーし、あんなことになってねーよ。 自業自得だ " " 彼に対してどう思ったのか " " へ? どうも思うわけないだろ。俺を怒らせたあいつが悪いんだからな " " 死んだと知って、どう思ったのか " "だ〜か〜ら〜、何回言わせるんだよ。 自業自得だって。 弱いくせに舌打ちなんかするからだよ。 あのバーカ " 閻魔様は、そこで小さくため息をついた。 " 逮捕されるまでに、もう一人殺しているが、これはどうしてだ " " あ? ああ、それも知っているのか。 警察にはバレなかったのにな。 それもそいつが悪いんだぜ。" "どう悪いと言うのか " "深夜遅くに、女が1人でふらふら歩くのは悪いだろうが " 説明をし忘れていたが、こうして被告人が状況などを話している時に、仏にはその場面が明瞭に見えるようになっている。 人間には理解するのがちょっと難しいかもしれないが、ワープしてその場に行ったかのように目の前で映像が展開されるのだ。 これは本来なら仏にしかできないことなのだが、仏の眷属や、俺たちのような修行中の者でも、法廷内で働く者はみんな特別に見えるようになっている。 だからさっきの話も、真次はぶつかってきたと言ってたが、酔っ払った被害者の肩が軽く触れた様子が俺たちには見えていたのだ。 被害者はすぐさま謝ったが、真次が土下座してと怒鳴るもんだから、逆らわずに土下座をしていた。 何回かその姿勢で謝ると真次は『これからは気をつけろ!』 とその場を去ろうとした。 去っていくその背後で、被害者が小さく舌打ちをした。 その理由は、土下座によってスーツのズボンが汚れたためだ。 ボーナスで新しく買った少し高価なスーツだったので、汚れた事が残念だったのだ。 それで舌打ちをしたのだが、真次は自分に向かってされたものと勘違いをし、激怒したのだった。 『仏には、真実が見えている🌿』 被告人が嘘をついてもすべてお見通しなのだ。 真次は次の殺人では、女性をレイプして口封じのため殺していた。 ひとけのない田舎道での出来事だ。 殺した後、事件が発覚しないように死体を山中に埋めている。 埋める前に女性が持っていた現金と金目のものを奪っていた。卑劣極まりない犯行である。 " あんなに暗い道を女が1人でふらふら歩いてなければ、俺だって変な気は起こさなかった。 あの女が悪いんだ。 俺は悪くない。 " " 殺した女性に対して、どう思っているのか" " どうって? 悪かったとか、そういうことか? 別になんとも思ってねーよ。 穴を掘るのが大変だったけどな " このようにして、閻魔王庁の裁判では一つ一つの悪事について本人の動機や気持ちなどを聞いていく。 この男は反省どころか、悪いことをしたという自覚がまるで無い。 他にも多くの悪事を働いていた。 悪事を働くために生まれたのかと思うくらいだ。 " お前は貴重な人生を、このような悪事三昧で終わらせた。 そのことについてはどう思うか " " どうって、俺、刑務所に入って償いはしたんだぜ? 10年もムショ暮らしをさせられたんだ、死んでまでとやかく言われる筋合いはねーよ。 " " お前というやつはー💢 " ついに閻魔様の堪忍袋の緒が切れた❗️ 大音量の怒鳴り声が耳に痛い。 なぜか皮膚までチクチクと痛い。 " 反省することもわからないほど、未熟なのかー❗️" 閻魔様が怒鳴るたびに法廷内に稲妻が走り、ドーンとかバシッとという音がする。 閻魔様が怒ると大量の雷が落ちるのだ。 被告人はその電気を浴びているから、さぞ痛いだろう。転げまわって痛がっていた。 " お前は第1地獄行きだ❗️ " ひとしきり閻魔様は真次を叱り、判決を言い渡した。 第1地獄? 一番目って、もしかして一番つらいところ? あれ?俺もそこに行ったことがあるような…… と、俺はそんなことを考えていた。 そこで司仙が、『司会! 司会!』 と俺のことを呼んでいたのだが、その名前にはまだ馴染んでないため、全く耳に入ってこなかった。 "コウスケさん! " とチビ太が袖を引っ張った。 "あ、ごめん " そうだった、判決が出たら次の被告人を連れてくる準備をするんだった。 ということで、 また次回 〜後編〜に続きます🙇 超〜〜〜長文、 ここまでお読み頂き、誠にありがとうございました🙇

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