活動データ
タイム
04:27
距離
11.6km
のぼり
906m
くだり
908m
活動詳細
すべて見る今年登る計画をしていた暑寒別岳を狙うが、またも天候が良くなく濃霧らしい。 胆振方面はまずまずの天気ということで未踏の山、昆布岳へ変更する。 朝3時に起きようとアラームをセットしておいたが、アラームの前に2:51地震の揺れで目を覚ます。 厚真の大地震から1週間以上経つがまだ時々揺れて落ち着かない。 今日の山行大丈夫かな、、と不安が過ぎるが昆布岳は日高山系じゃないから大丈夫と勝手な理由を付けて自分を納得させて出発の準備に取り掛かる。 4時に札幌を出発して6:40登山口に到着。 登山口駐車場に設置されたトイレに入る。当然ボットン式だが定期的に管理されているのか割とキレイな部類だ。 トイレットペーパーは備えてあったが手洗いの水は無い。 登山を快適に過ごす要素として「登山中に便意を催さない」ということが自分にとって結構重要な要素を占める。 大抵道中の公衆トイレやコンビになどで済ませてくるが、「さて登りましょ」としたときに便意を催すことが度々ある。 こうなると気になって登山どころでは無くなるからだ。 その点、登山口にトイレがあるとありがたく尚且つ清潔に保たれていると感謝の気持ちで一杯になる。 心置きなく用を足し7:00駐車場を出発する。 民家納屋の脇を通り過ぎると登山届け記帳台が設置された登山口が現れる。 記帳して7:05登山口を出発。 歩き始めは粘土の道で滑りやすく歩きづらい。 なんてことのない緩やかな上りだが日差しのせいか汗がダラダラでる。 3合目まで特に変化の無い広々とした登山道を進む。 このあたりから白樺が多くなってくる。 花の時期も終わり紅葉にもまだ早い変化の無い上りに少し飽きを感じながらちんたら上る。 4合目を過ぎたあたりで上の方から話し声が聞こえて来て、女性2人と男性1人の3人組みパーティーが下りてくる。 もう山頂から戻ってきたのか?それにしても早いなと思い先頭で下りてきた女性に「早いですね」と声を掛けると御来光狙いで登ったが生憎ガスで御来光は見れなかったとのこと。 「でもこれからだったら山頂バッチリですよ!」と言われて俄然登頂意欲が沸いてくる。 挨拶を交わしてパーティーと別れた。 下山後に気付いた事だが、この会話を交わした女性がYAMAPでフォローしてる平日登り隊!のmiyaさんだった。 miyaさんのことを勝手に、背が高くバリバリのスポーツウーマンで平日にしか山に登らないというイメージでいたので全く気付かなかった。 実際に会ったmiyaさんは小柄で気さくなキュートな方で平日だけでなく祝日にも山に登るらしい。 しかもこの後、彼女が細川たかし像の前で「北酒場」を熱唱することなど知る由もなかった。 miyaさんの言葉に気を良くして5合目に向って再び上り出す。 5合目に到着し、今まで休憩らしい休憩をとっていないので大福を食べながら一服する。 休憩の後、歩き出して間もなく昆布岳で唯一の見どころと言っても良いメガネ岩が右手に現れる。 岩脈の一部が崩落で空洞のトンネルとなりアーチになった形がメガネ岩と言われる所以と思う。 アーチのところまで行って下から覗くと板状節理が幾何学模様のようでカッコ良い。 自然が作った芸術、地震で崩れなくて良かった。 アーチをくぐっると上部に続く踏み後があるので屁っ放り腰でモゾモゾ上る。 メガネ岩の上部は紅葉真っ盛りだった。ここからだと登山道からは見えなかった昆布岳の山頂部が良く見えた。 降りようと岩場から下を覗くと岩場の下は思った以上に切れ落ちた斜面になっている。 ビビリながらおだてブタのようにズリズリ下りる。 無事岩場から降り一頻り満足して登山道に戻り再び上りだす。 このあたりから白樺よりダケカンバが目立つようになる。 6合目を過ぎ、7合目の上りから少し勾配がきつくなる。 お助けロープが設置されているが足掛かりも有り斜度もそれ程ではないのでロープを使う程ではない。 812Pをから少し下ると8合目。 C900mまで上ると9号目、ここからやっと登山らしい登山が始まるのでフルグラサンダーを食べて気合を入れる。 今まで樹林帯の中だったが木々も少ない笹地となり見晴らしが良くなる。 後ろに尻別岳見える緑深い東尾根やP944まで丸みを帯びた優しい西尾根は、これまでの退屈だった山歩きを一掃してくれる。 C960mあたりで山頂を視界に捉える。 ここから森林限界、笹地のみの登山道をほぼ直登で登って行く。 山頂直下から見上げると昆布の形をした山頂標識が「おーい!まだかー!」と言わんばかりにこちらを見下ろしている。 9:12貸切の山頂に到着。さすが一等三角点の山だけあって抜群の眺望だ。 登頂と同時に羊蹄山がズドーンと目に飛び込んで来る。 北西に目を向ければアンヌプリから雷電山まで連なるニセコ連邦の山々、南東に目を向ければ洞爺湖と有珠山などの湖周辺の山々。 山頂標識越しに南を見れば噴火湾と遠望に薄っすらと駒ケ岳を望むことができた。 それと狭い山頂で一際存在感を放つ一等三角点「昆布岳」の佇まいが立派だ。 ぐるり眺望を撮影し、記念に山頂標識や三角点と自撮りする。 ひと通り写真を撮り終えて一服していると人が登って来る気配を感じ、貸切状態をいいことに広げ放題に置いていたザックやらポールやペットボトルやらを掻き集め体裁を繕う。 登ってきたのはソロの男性でハーハー荒い息をしながら登頂すると直ぐザックより折りたたみの椅子を出して腰掛け、こちらに背を向けたまましばらく肩で息をしていた。 このまま倒れるんじゃないかと心配しながら見ていると、段々息が整い出して平常な状態になった。 話を聞くと登山口から一回も休憩を取らずに黙々と登って来たとのこと。 自分を追い込むような登山スタイルの人で登山を始めて2年目で、今日も羊蹄山に登ろうと計画していたが出発が遅れて昆布岳に変更したとの事だった。 登山スタイルは違うが登山を始めたばかりの頃の自分と重なり、興味が沸いて追い込むスタイルということでロングコースの無意根山を奨めたり、自分と同様に「熊が怖い」ということで、熊除けには蚊取り線香が効果的だなどと、まだ経験も浅いくせにあれよこれよとお節介な話をしてしまった。 会話しているうち彼も自分と同様YAMAPユーザーで、下山後彼がコッタさんだったことを知る。 コッタさんは簡単な食事を済ませて、疾風のように去っていった。 コッタさんが去った後、早い昼食をとりながら「人それぞれ色んな山の楽しみ方があるんだな~」としみじみ思いながら飽かず山頂からの眺望を満喫した。 絶景な眺望に心残りを残しつつ10:18下山を開始する。 下山時は登頂時とは違ってバス山行の団体さんを含め多くと登山者とすれ違った。 素晴らしい眺望に満足してニコニコしながら山を下る。 コッタさんに少し影響されて休憩をとらずに下山する。 11:29駐車場に無事到着。 2時間5分かけて登った山を1時間11分で下山できた。 調子に乗ってザックザック下ってるうちに携帯用蚊取り線香ケースを落としたのを下山後に気付きガックリする。 しかし今日は昆布岳に計画を変更して良かった。 好天で素晴らしい眺望を堪能したのは春に登った小喜茂別岳以来で、久々のんびり楽しい山頂を過ごした山行だった。
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