活動データ
タイム
07:25
距離
8.8km
のぼり
1247m
くだり
730m
活動詳細
すべて見る娘と二人で山を歩くのはおよそ一年半ぶりになる。この日、最も緊張し、焦り、弱気になり、逃げ出したくなるほど辛かったのは下山後の梅の湯の受付時であったであろう。小学生(の娘)は女湯となりますが大丈夫ですか?という絶壁のような難関が娘の前に立ち塞がる。モジモジが始まり、への字口でチロチロとこちらに上目遣いで拒絶を表現する。 朝の電車の出来事。本を読んでいたおばさまが栞を落としたがその事に気付いていなかった。栞は娘の座席の斜め前の床に落ちたままとなっていた。落ちましたよ、と言って拾ってあげて。と娘に勧めた時も同じように恥ずかしそうにモジモジが始まったことを思い出した。 「構いません。別々で入りますから。」私がそう言った時、娘はほとんど泣きそうだった。入らないで待っている…そんな意味のことを小声で言ったが聞こえないふりをした。男湯と女湯の入り口前で防水バッグに入れた着替え、タオル、手ぬぐいなどを見せ、ロッカーの位置が高すぎたら周りの人に助けてもらいなさい。シャンプー後の髪留めはないから手ぬぐいで頭を覆いなさい。湯船にはゆっくり静かに入りなさい。時間がかかっても気にしないで自分でやりなさい。パパはすぐに出てここでまっているから。など何を言ったかよく覚えていないが、言うだけ言った。泣きそうな顔で女湯に消えた娘が後で気にかかり、こちら全裸となってしまってはいたが、脱衣所に女性スタッフを見つけて、小3の、これくらいの背の、髪の長い女の子が一人で困っていないか見てきてくれないかと頼んだ。 「パパはいるかなー」というあの女性スタッフの声と一緒に、少し照れながら、さっぱりとした顔をした娘が出てきた。湯煙の中に何を見たのだろう。今日は娘と二人で来て良かった。そう思った。
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