てんくらトリプルA、、いや、S判定の、半島に詰め込まれている壮大なスケールの羅臼岳

2018.10.05(金) 日帰り

チェックポイント

DAY 1
合計時間
8 時間 40
休憩時間
2 時間 15
距離
12.8 km
のぼり / くだり
1455 / 1455 m

活動詳細

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10月頭、家庭のトラブル、、いや、仮面夫婦的なもの以下になる宣告を受ける。 仕事は相変わらず上手くいかないことだらけで、膀胱炎と、歯ぎしりが止まらない状態。自己満で働き、困ったら感情で押し切る奴等に私は疲れました。 本当に下らない、しょうもない。 そして、その力に負け、幸せを維持出来なかった私。 あまりの怒りと悲しみ、虚しさ、後悔。ヤケになった。 次の連休、ヤケ酒ならぬ、ヤケ登山してやる! どんな理由でそこを選んだのかはもう忘れた。選んだのは知床の羅臼岳。 夜勤明けで可能な限り移動、休み1日目で登山。1から休み2日目にかけて帰路につく。これで行こうと考えた。即、天気予報を見た。4.5日と羅臼岳の天気予報はそこだけが晴れだった。待ってくれるのか。 そして、4日を迎えた。12時、概ね予定通りに札幌を出発。車中泊を予定するウトロの道の駅まで420キロの距離、時間にしたら7時間。これは凄まじい距離だ、、今までこれ程の距離は運転したことがない。 だが、もう、止まらない。誰にも止められない。 帯広の手前までは、それほど眠気もなく進めた。 が、帯広以降は眠気が襲ってきた。どうする、、仮眠取るか? 眠気と、意地と初めて自分の力で行く土地への好奇心との戦いだった。 そして、意地が打ち勝った。眠気を意地で塗り潰す。絶対に登頂する。その思いだけで一心だった。残り90キロのところで風呂ピットイン。ここまで来たら、もう眠らずにウトロまで行くしかない。不眠での活動時間は30時間近くなっていた。 20時ぐらいにウトロ道の駅着。気温こそ低いが天気は良く穏やかだ。戦闘準備を行い、21時30分、眠りに落ちた。 5日3時30起床。しっかりと朝食を食べ、登山口まで移動。5時登山開始。どうやら私が一番乗りのようだ。看板の熊情報に目を凝らしつつ、、そう、ここは熊生息高密度地域。 でも、今は熊より、生きている人間の方が遥かに怖い。行こう。 天気もすこぶる良い。太陽こそ知床連峰の奥の方にあるが、青空であることは分かった。 登山道は物凄く整備されていて歩きやすい。土嚢が所々に敷かれている。 1号目はリスを沢山見かけた。 弥三吉水付近は獣臭こそ感じたが、すぐに通り抜けた。 極楽平も、名前通りに楽に抜けれた。 大ボスの山ってさ、山本体に取り付くまでのラストダンジョンがめっさ長いのよね。トムラウシも良い例。ただ、本体の山容が恐ろしく素晴らしいのよね。力強さとカッコよさ、いやもうどうしてそんな形になったんだという、疑問。そのギャップが感動を呼ぶ。 大沢から、羅臼岳の本領を発揮してくる。ここを登るのか、、怖さとワクワクでテンションが上がる。 大沢で、空気がフワッと変わった。奇跡はもう始まっていた。 大沢を登りきる頃、太陽とご対面する。眩しすぎて前が見えないくらいだ。あり得ないくらいの快晴。雲一つない。風もない。ベースレイヤーだけでも十分なくらいの暖かさだった。待っていてくれたのか、、 羅臼平にて、、ついに羅臼岳本体がお目見え。 何という、、強き山。空が青すぎて、山の山容が、いやもうオーラが凄まじい。ずっと眺めていたいくらいだ。 羅臼平にあるフードロッカー、ここの山だけにしかないだろう。熊が来るんですね。 奇跡過ぎる景色に後ろ髪引かれつつ、羅臼岳を目指す。ハイマツ帯の中を抜け、本当直下。 岩山だ。岩石が積み重なった、目国内岳の1.6倍くらいの規模か、、ここを登るのか。。 岩場を慎重に、手を使いながら、登っていく。ミスれば大ダメージは必死。なかなかの岩山、高度感。積み重なった、その上に一つの岩盤の上に頂上はあった。 360度大パノラマ。頂上も快晴だった、、風こそ若干あるが、この規模の山の山頂にしては十分に穏やか。雲一つない。 国後島も択捉島も見える。 知床の全てが見えた、、壮大なるスケールの半島、全ての自然がここに凝縮されている。溢れんばかりに。 言葉には出せない、、登頂した達成感と、想像を絶するスケールの景色、、感動を超えるものがあった。 後から2人、頂上で出会いましたが、その内の1人は4年連続で羅臼岳に登っているが、国後島択捉島まで見えたのは初めてだった、と。天気良くても島はガスってることがほとんどだと言っていた。 もう1人の方は、3日連続で登山。雌阿寒岳→斜里岳→羅臼岳と。。どんだけ脚力と体力あるんだ、、半端ないな。 頂上でもずっと快晴だった。これ以上ない天気、明らかにナンバー1だろう。 後ろ髪引かれつつ、、降りることを決意。羅臼平では何組かとスライド。 羅臼平を抜ける頃にようやく雲が出てきたくらいだ。 下山家を意識し、テンポ良く降りる。下山が苦手なもんで、登りと同じくらい時間かかるもんで。。 楽しく安全に。 極楽平を抜ける頃、登山道に一部変化があった。掘り返したような跡、、蜂の巣があった。明らかに巣が飛び出ている、、何故だろう。 まあいいや。 無事に下山。時間はまだある。道の駅まで戻り、鮭の親子丼を食べ、オシンコシンの滝を高速で見学。 帰路につく。帰りは旭川ルートを選び、300キロを休憩無しで進めた。道央自動車道まで戻ってきて力尽きた。。 そう、車中泊二泊目、登山後の二泊目だ。 活動日記を書いているということは無事に家に辿り着いた証拠。 これから先、どれくらい生きるのか分からない。 こんな無茶な旅、馬鹿だろうとも思うだろう。 また残念な仕事もしないといけない。でも仕事しないと山に登れないからね。 現実で死に、山で生きる。 そんな不器用な人生なんだ。 次はどこの山に行こうか。

活動の装備

  • プラティパス(Platypus)
    225601
  • マムート(MAMMUT)
    Add-on bottle holder

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