活動データ
タイム
07:27
距離
11.0km
のぼり
1191m
くだり
1203m
活動詳細
すべて見る今日は私がこの世に生を受けた日。 頼んでもいないのに何故か休みだ。 この休みに辿り着くまでが辛かった。 1ヶ月30日。 最後の10日間に今日一日しか休みがないってどういう事だろう❓ どうりで疲れが抜けないわけだ。 せっかくの休みなのに行く先もなかなか決まらない。 もうすぐ扇沢への林道閉鎖となるので立山や爺ヶ岳なんかへも行きたいが重い腰が上がらないのだ。 南アルプスは天気が良さそうだが、日帰りで危険なく歩いて来られるのは夜叉神からの鳳凰二山くらいか。でも長いんだよな。16時からは用事。それに峠で白峰三山見たらずっと樹林帯だしな。 とにかく起きてから考えようと3時起床。 天気予報を吟味しつつ、結局行き先は裏山の金峰山に決めた。 ここのところ山から見ていない富士山と、これまで自分が登った山々を眺めながらゆっくりと歩きたいと思ったからだ。 いつもより1時間ほど遅く出発。 そのうちに真っ暗だった空に山の稜線のシルエット。 富士山のシルエットも浮かぶ。 どうやら天気は良さそうだ。 増富温泉方面へ車を走らせると正面に瑞牆山と金峰山を並んで見られるポイントに差し掛かる。 ここからみる金峰山は甲府から見るのっぺりした山容ではなく、シャキーンと尖った山頂に堂々とした五丈岩が載った雄々しい姿だ。 見惚れていると金峰山のさらに東側から明るくなってくる。 まさに金色の黎明。その後まだ薄い水色の空に桜色が差し、天女の羽衣のように薄雲がたなびいてなんとも美しい。 一時の素晴らしい色彩の競演。 本当は山の上から見られたら素晴らしかったろうけれど…。 登山口に着き、サッと支度を済ませて出発。 瑞牆山荘前からすでに冬枯れの様相で、落ち葉を踏みしめながら歩く。 富士見平小屋から素晴らしい富士山を拝み、先へ進む。この登山道は奥秩父らしい樹林帯歩きながらも、途中いくつかある展望スポットや大日岩というとても美しい岩があり飽きることはない。 そして最後には胸のすくような大展望が待つ爽快な稜線歩きが待っている。 いつもの通り大日岩の前から八ヶを眺め、少しキツイ登りを2か所ほどこなして砂払の頭へ。 この稜線に初めて出た時の驚き、喜び、いまでも覚えている。 そして何度来てもこの稜線に出る瞬間がたまらなく楽しみで、嬉しい。 稜線に出て正面には南アルプス北部の山々。 右を見れば八ヶ岳と瑞牆山。 南アルプスとの間には御嶽と中央アルプス。 稜線を少し進めば富士山が見え、南アルプスは南部まで見渡せるようになる。 瑞牆山の奥には小川山。そのさらに奥には浅間山。 八ヶ岳の奥には北アルプスの後立山連峰と白馬岳。 そして稜線の先には美しい千代の吹上の絶壁を伴った道と、その一番先に五丈岩が見えている。 なんとも美しい。 後ろから来る人はおらず、下山が2人ほど。 貸切状態の稜線は静寂に包まれている。 予報ほどの風もなく、冬用のシェルを着込む必要もない。 薄雪のついた岩場があったが、前日沢山の人が歩いた為か、注意すれば問題ないレベル。 ゆっくりと景色を眺めながら歩く。 五丈岩が少しずつ大きくなってくる。 最後のピークを登りきるとあとはゆるやかだ。 「ただいま」 五丈岩に声をかける。 何度も繰り返し訪れる山はあるけれど、心の山、大菩薩嶺が母のような存在ならば、この金峰山は父親のような存在なのかもしれない。振り返ればいつもそこにいてくれる大きくて安心できる存在。 そんな事を考えながら景色を楽しむ。 どうやら三脚を忘れてきてしまったようなので方位盤にカメラを置いて撮影。 そしてスマホを置いて自撮りなんかも。 たまにはいいよね😚 高曇りの空模様になってしまったけれど、山々はガスることなくハッキリと見えていた。 下山は慎重に。ザレていたり、ガレていたり、意外と足元が悪くて大変だ。 無事に登山口まで戻ってくると心地よい疲れに包まれた。 「また帰ってくるね」 そう心の中で山に語りかけた。
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