英彦山南岳(ひこさんみなみだけ)

母が生きていたら 生きていたら84才の誕生日である。 母は死んだのだから 命日が新しい誕生日であるとわかってはいるのだが。 母が好きだった桜。 添田町の桜は満開に近かったので、ついつい母に見せたいと思ったわけさ。 母はあの世で、大好きな桜やワビスケという椿を見て楽しんでいることと思う。 南岳。 なんともやさしい山だった。 北岳の寒さ。 中岳の人の多さ。 南岳は静かで、なんだかぬくもりを感じた。 確かに、展望台は朽ちて廃墟的になっていたが、やはり、山頂に人工的なものは作らないほうがいいですよと南岳展望台が教えているようだった。 僕は 梅おかかのおにぎりをゆっくり食べた。 キットカットも食べた。 お茶を飲んで草の上に横になった。 それから、 リコーダーをリュックから取りだし、 即興曲『南岳のバラード』を演奏した。 あまり調子がよくなかった。 南岳山頂でのひとときも忘れません。 ありがとうございました。 123座151山目。 軌跡は英彦山北岳にあります。