いつか行く場所 屋久島

2018.12.30(日) 3 DAYS

チェックポイント

DAY 1
合計時間
2 時間 39
休憩時間
0
距離
8.3 km
のぼり / くだり
642 / 273 m
1 21
24
43
DAY 2
合計時間
9 時間 4
休憩時間
1 時間 1
距離
10.6 km
のぼり / くだり
946 / 1002 m
2 33
12
44
1 13
48
DAY 3
合計時間
5 時間 9
休憩時間
7
距離
10.0 km
のぼり / くだり
540 / 1220 m
24
37
19
11
1 40
28
45

活動詳細

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屋久島って山を始めた頃は全く興味がなかった。旅行社に行けばパンフレットがいっぱいあって、山ガールメインの「◯◯ネイチャー」やら、「◯◯トレッキング」やら……何だか凄くミーハーな気がして。 時間の経過と共に思想や嗜好は変わるもので、周囲の方々が発信してくださる屋久島登山のレポートを見ているうちに行ってみたいなと思うようになった。 決定的だったのは、北岳でお会いした関東の方の一言 「屋久島は、屋久島でしかない魅力があるよ。」 いつか行くなら冬がいい、ずっとそう思っていた。 仕事納めの夜、鹿児島に向かった。 12月30日 鹿児島から高速船で屋久島に 港でメンズ3人組を見かける 私好みのザックだなぁと思っていたら、蛸ちゃんご一行だった。 宮之浦港でメンズ達をお見送りして、一本早いバスで乗り継ぎして紀元杉行きのバスに乗り込むと運転手さんの一言。 「今日はヤクスギランドまでしか行けないけど大丈夫?」 やっぱり…… 雪が降るとヤクスギランドで通行止になり、バスもタクシーもマイカーもそれから上には行けない。 この2日前に福岡にも雪が降っていたので予測はしてた。運転手さんは今朝下山した登山者の方から聞いた山頂付近の積雪状況も色々教えてくれた。 地図を開いて脳内でザックの中の装備品と照らし合わせ計画を見直す。 バスを降り、ヤクスギランドから淀川登山口まで約7キロのロード歩きからスタートすることになった。 車が通らない道路には、何度も猿と鹿が現れた。写真を撮ろうとすると逃げていくけど。 2時間歩いて淀川登山口到着。そこから山道に入るとだんだん雪道になっていく、1時間程で淀川小屋に着いた。日暮れになる前に寝床を整える、パンをかじって暗くなると同時にいつの間にか眠っていた。 12月31日 夜明前に淀川小屋を出発した。雪を踏み締めながら歩く、今年初めての白い雪道が楽しかった。 花之江河に出ると薄く雪がチラついていた。夏は緑が濃く美しい場所なのだろう。 チェーンアイゼンを装着し、アップダウンを繰り返して宮之浦岳山頂へ 霧が凄いスピードで山を包んでいく。白い山肌は私の思っていた南の島の山とは違っていた。でも、九州最高峰のその場所は美しく壮大だった。 緩やかに高度を下げて今夜の寝床に向かう。 新高塚小屋でとも思ったが、もう少し歩けそうだったので高塚小屋へ向かった。高塚小屋小屋は収容人数が少ない。テント持参していたので小屋に入れないようなら幕営しようと思っていた。 高塚小屋で恐る恐る小屋の扉を開けると、もう数人の方々がシュラフにくるまっていた。上から声がした。 「2階が空いてるからどうぞ」 高塚小屋は3階建てだった。 せっかく空けていただいたのでお邪魔することにした。 仙台、東京、大阪、千葉、福岡それぞれソロで来ていたので、山雑談しながら夜を迎えた。 天気が良いらしいので、明日は太鼓岩で初日の出を見ようと思った。2時にアラームセットし、今日歩いた白いルートを反芻ながら眠った。 1月1日 ゲイターとアイゼンをしっかり装着して雪道を歩く。水を含んだ雪は山頂より重く歩きにくい。 トロッコ道近くなると雪は無くなった。休憩所でアイゼンを外した。トロッコ道をひたすら歩いて太鼓岩を目指す。 この日の写真はない。トラブル発生 この一時間後転倒し、起き上がったら左腕に激痛と違和感。 危機を感じて、ストックを取り出してペースを落とさぬようひたすら歩いた。動ける内に出来るだけ歩いておきたかった。 腕の熱が上がってくるのを感じた。 この時、同じように小屋を出てナイトハイクで太鼓岩への道を歩いてたお二人に本当にお世話になった。 荒川登山口への下山し救急車を提案してくだったり、開けることさえ出来なかった私の代わりにザックを開け閉めしてくださり、怪我の経験の話を聞かせてくだって励まされたり。 先に行ってくださいと何度か申し出たが、同じペースで歩きついててくださった。 分岐から辻峠までの登りが辛かった。 負荷を与えないように身体の軸を右にして歩けど、段差で揺れて左腕に衝撃が。 何とか登り切り、太鼓岩への分岐でお二人にお礼とお詫びを伝えお見送りし別れた。 ここで待って一緒に下山しようとおしゃってくださったが、丁重にお断りした。もうこれ以上甘えることは出来なかった。 私のせいで日の出にはきっと間に合わなかっただろう。本当に申し訳なかった。 この大阪と東京からのソロの二人には改めてお礼を伝えたい。もし、ここを見ていたらご連絡頂きたい。ヤマップをやってらっしゃるかすら分からないけど……。 怪我したのが足じゃなくて良かったと思いながら、白谷雲水峡まで1人ゆっくり歩いた。 始発のバスに間に合った。 口と右手でザックを開けて痛み止めを服用した。宮之浦港で高速船の予約を早い便に変更してもらった。 汗だくのシャツが辛かったので、トイレで着替えた。腕は袖が上がらない程、腫れ上がっていた。エマージェンシーの小さなハサミで切って脱いだ。お気に入りの長袖山シャツはこんな形で終わった。 ベンチに座って、大師匠にラインしたらホッとして涙が溢れてきた。 今回のルートで一番安全な場所でこんなことになった自分が情けなかった。 今回の行程にも装備にも無理があったとは思えない。ちょっとしたとこで急いで滑って転倒しただけだった。 自力下山出来たこと、早い出発だったから交通機関の移動がスムーズだったことが救いだった。鹿児島中央駅まで移動して、新幹線で福岡に戻った。 病院を受診したら骨折。全治4週間リハビリ長くなるから覚悟してね、医師に言われた。怒ると思っていた母は呆れて病院に付き添ってくれた。 これくらいで済んだのだから、良い方に考えなさい。この冬の雪山は禁止ね♪ 笑ってそう言われた。 こんな散々な年明けだったけど…… 私はバカなのでまたいつか屋久島にいきたいと思っている。

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