新たなるフィールドへ:鋸山(裏鋸コース~山頂~車力道コース)

2019.02.03(日) 日帰り

注意情報

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チェックポイント

DAY 1
合計時間
3 時間 8
休憩時間
18
距離
8.4 km
のぼり / くだり
548 / 568 m
44
12
43

活動詳細

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2年5ヶ月を過ごした宮城県に別れを告げ、次なる任地、千葉県に赴いた筆者。新天地に待っていた新たなる登山ライフの舞台、それは南房総だった。同県は、最高峰となる『愛宕山(あたごやま)』でも408mほどであるが、海に面し、起伏に富んだ樹林帯の地形という、豊かな自然を楽しむ事が出来る様子。宮城とはまた違った里山歩きに、これから期待が持てそうだ。   ともあれ異動から半月、まだ問題も少なくないが、ようやく新しい職場や生活環境にも馴染めてきた今日この頃。そろそろ、この地の山へ繰り出すのも良さそうである。そんな中、引っ越してすぐに手に取った、山と渓谷社の『分県登山ガイド11 千葉県の山』をめくりながら、目に留まったのが今回の『鋸山(のこぎりやま)』だ。房総丘陵のうち、東京湾に近い位置に峩々とした威容でそびえ立つ本峰は、様々な登山道が整備されているほか、西端の展望台までロープウェイも運行されており、登山者、観光客を問わず、多くの人々に親しまれている。山頂の標高も329mほどのお手軽な里山で、千葉県の登山入門にはもってこいの山であろう。   かくして、筆者の千葉県での初登山はこの『鋸山』に決定。初進出となるエリアに胸を高鳴らせつつ、見知らぬ駅へ向かう列車に乗り込み、いざ出発だ。

鋸山 JR内房線に揺られること数十分、今回の出発地となる『保田駅(ほたえき)』に到着。
駅舎の向こうに連なる『鋸山』の稜線を望みつつ支度を整え、いざ出発。
JR内房線に揺られること数十分、今回の出発地となる『保田駅(ほたえき)』に到着。 駅舎の向こうに連なる『鋸山』の稜線を望みつつ支度を整え、いざ出発。
鋸山 先に述べたとおり、『鋸山』には複数の登山コースが整備されているが、今回の登りにおいては、『裏鋸コース』と呼ばれる、東側から尾根伝いに山頂を目指すルートを辿ることとした。
『保田駅』から登山口まではしばらくの車道歩きとなるが、要所には道標も設置されているため、迷う心配は皆無である。
先に述べたとおり、『鋸山』には複数の登山コースが整備されているが、今回の登りにおいては、『裏鋸コース』と呼ばれる、東側から尾根伝いに山頂を目指すルートを辿ることとした。 『保田駅』から登山口まではしばらくの車道歩きとなるが、要所には道標も設置されているため、迷う心配は皆無である。
鋸山 田畑の広がる長閑な地域を抜け、高速道路の高架を潜ると、やがて車道はあまりよく整備されていない林道に差し掛かる。
時折バイクの団体とすれ違いつつ、登山口を目指す。
田畑の広がる長閑な地域を抜け、高速道路の高架を潜ると、やがて車道はあまりよく整備されていない林道に差し掛かる。 時折バイクの団体とすれ違いつつ、登山口を目指す。
鋸山 林道の最高地点の脇が、登山口となる。
写真の、林道開通記念碑が目印だ。
林道の最高地点の脇が、登山口となる。 写真の、林道開通記念碑が目印だ。
鋸山 先程の登山口より、いよいよ『裏鋸コース』の登山道へ進出。
最初は、しばし高低差のほとんどない、なだらかな道程となる。
先程の登山口より、いよいよ『裏鋸コース』の登山道へ進出。 最初は、しばし高低差のほとんどない、なだらかな道程となる。
鋸山 ただ、少し進むと登山道は、岩と木の根が入り混じる、山路らしい趣に。
足元に気を付けながら、細い尾根道を進む。
ただ、少し進むと登山道は、岩と木の根が入り混じる、山路らしい趣に。 足元に気を付けながら、細い尾根道を進む。
鋸山 『裏鋸コース』の整備状況は良好で、所々にベンチが設置され、周辺も良く刈り払われている休憩所が設けられている。
写真の箇所からは、南西方面に東京湾を望むことが出来た。
『裏鋸コース』の整備状況は良好で、所々にベンチが設置され、周辺も良く刈り払われている休憩所が設けられている。 写真の箇所からは、南西方面に東京湾を望むことが出来た。
鋸山 山頂よりひとつ東側の小ピーク『東の肩』。ここからは山頂に向かう登山道のほか、『沢コース』と云う別の登山道も分岐しているが、そちらは現在、崩落により通行止めとなっている。
山頂よりひとつ東側の小ピーク『東の肩』。ここからは山頂に向かう登山道のほか、『沢コース』と云う別の登山道も分岐しているが、そちらは現在、崩落により通行止めとなっている。
鋸山 先程の『東の肩』から一旦コル状の地形へ下り、『鋸山』の山頂を目指す。ここから先はそれなりの急登となる。
先程の『東の肩』から一旦コル状の地形へ下り、『鋸山』の山頂を目指す。ここから先はそれなりの急登となる。
鋸山 階段状に整備された急坂を超え、本日の最高地点となる『鋸山』山頂へ到着だ。
階段状に整備された急坂を超え、本日の最高地点となる『鋸山』山頂へ到着だ。
鋸山 山頂からは、北方の見晴らしが良好である。
ちなみに、この写真の足元には『房州低名山』と記された小さな看板が立っている。
山頂からは、北方の見晴らしが良好である。 ちなみに、この写真の足元には『房州低名山』と記された小さな看板が立っている。
鋸山 山頂から一旦下った後、引き続き尾根伝いに進み、今度は西側の展望台を目指す。
山頂から一旦下った後、引き続き尾根伝いに進み、今度は西側の展望台を目指す。
鋸山 さらなる登り返しからの小ピークを経て、登山道は最後の上り坂へ。
さらなる登り返しからの小ピークを経て、登山道は最後の上り坂へ。
鋸山 しかる後に、本日のハイライトとなる展望台へ到着だ。
しかる後に、本日のハイライトとなる展望台へ到着だ。
鋸山 先述の展望台は『地球が丸く見える展望台』とも称されており、周辺の見晴らしは抜群である。
写真は南西方向の景色で、向かって左寄りの小高い双耳峰状のピークは、千葉県の名峰の一つである『富山(とみさん)』。
先述の展望台は『地球が丸く見える展望台』とも称されており、周辺の見晴らしは抜群である。 写真は南西方向の景色で、向かって左寄りの小高い双耳峰状のピークは、千葉県の名峰の一つである『富山(とみさん)』。
鋸山 写真右上の白い建物は、ロープウェイの山頂駅舎。
写真右上の白い建物は、ロープウェイの山頂駅舎。
鋸山 条件が良ければ、ここから西側に富士山の威容を拝むことが出来るそうだが、この日は比較的気温が上昇したためか空気が淀んでいたようで、その姿をはっきりと捉えることは叶わなかった。
写真中央の薄い雲のような部分が富士山の山頂付近なのだが、お分かりいただけるであろうか?
条件が良ければ、ここから西側に富士山の威容を拝むことが出来るそうだが、この日は比較的気温が上昇したためか空気が淀んでいたようで、その姿をはっきりと捉えることは叶わなかった。 写真中央の薄い雲のような部分が富士山の山頂付近なのだが、お分かりいただけるであろうか?
鋸山 後ろ髪を引かれる思いで展望台を後にし、下山の途に就く。下りでは別ルートを辿り、スタート地点の隣駅方面へ抜けることとした。
一旦展望台直下の分岐点へ引き返し、しばし急な階段を下る。
後ろ髪を引かれる思いで展望台を後にし、下山の途に就く。下りでは別ルートを辿り、スタート地点の隣駅方面へ抜けることとした。 一旦展望台直下の分岐点へ引き返し、しばし急な階段を下る。
鋸山 途中に突如現れる、岩肌に穿たれた人為的な構造物。これは、かつてこの山に存在した石切り場の名残である。
『鋸山』の山体は、『凝灰岩』と呼ばれる建材などに適した岩からなっており、江戸時代から昭和期に至るまで採石作業が行われていたそうだ。
途中に突如現れる、岩肌に穿たれた人為的な構造物。これは、かつてこの山に存在した石切り場の名残である。 『鋸山』の山体は、『凝灰岩』と呼ばれる建材などに適した岩からなっており、江戸時代から昭和期に至るまで採石作業が行われていたそうだ。
鋸山 再びの分岐点へ。
『鋸山』には、今回訪ねた以外にも、大仏や『地獄のぞき』などといった名所が存在しており、ここからはそちらへ向かう道も続いている。ただし今回のところは、次に登る時の楽しみに取っておくこととし、引き続き麓への進路をとる。
再びの分岐点へ。 『鋸山』には、今回訪ねた以外にも、大仏や『地獄のぞき』などといった名所が存在しており、ここからはそちらへ向かう道も続いている。ただし今回のところは、次に登る時の楽しみに取っておくこととし、引き続き麓への進路をとる。
鋸山 先程の分岐点を北側に折れ、『車力道コース』と呼ばれる登山道へ。この道は、上述の採石作業が行われていた時代、切り出された石を荷車で運搬するのに用いられていたルートである。
石切り場の遺構も数多く残されており、往年の在り様に思いを馳せながら歩くのも楽しい。
先程の分岐点を北側に折れ、『車力道コース』と呼ばれる登山道へ。この道は、上述の採石作業が行われていた時代、切り出された石を荷車で運搬するのに用いられていたルートである。 石切り場の遺構も数多く残されており、往年の在り様に思いを馳せながら歩くのも楽しい。
鋸山 上述の通り、この登山道はかつて荷車が通っていた関係から、石畳で舗装されていたようで、それらが露出して健在な箇所も多い。
今回は足元が湿っていたこともあって、下りでは少々スリップに気を遣わされた。
上述の通り、この登山道はかつて荷車が通っていた関係から、石畳で舗装されていたようで、それらが露出して健在な箇所も多い。 今回は足元が湿っていたこともあって、下りでは少々スリップに気を遣わされた。
鋸山 なお、切り出した石を荷車で運ぶ人々は『車力』と呼ばれており、このルートの名の由来となっている。それらの役割を担っていたのは主に女性だったそうだ。
なお、切り出した石を荷車で運ぶ人々は『車力』と呼ばれており、このルートの名の由来となっている。それらの役割を担っていたのは主に女性だったそうだ。
鋸山 ともあれ、麓を行き交う自動車の音が近づいてきたら、『車力道コース』の登山道も残りあとわずかだ。
ともあれ、麓を行き交う自動車の音が近づいてきたら、『車力道コース』の登山道も残りあとわずかだ。
鋸山 無事に『車力道コース』の登山口を出たら、再び車道を歩いて、ゴール地点となる駅を目指す。
無事に『車力道コース』の登山口を出たら、再び車道を歩いて、ゴール地点となる駅を目指す。
鋸山 下山口から15分ほどを経て、出発地点『保田駅』の隣駅である、『浜金谷駅』へ到着。これにて、此度の山行は締めくくりだ。
千葉県の最西端に位置する本駅は、『鋸山』観光の主要な拠点でもあり、駅構内で登山届も提出可能。
下山口から15分ほどを経て、出発地点『保田駅』の隣駅である、『浜金谷駅』へ到着。これにて、此度の山行は締めくくりだ。 千葉県の最西端に位置する本駅は、『鋸山』観光の主要な拠点でもあり、駅構内で登山届も提出可能。
鋸山 帰りの列車までしばらく時間があったため、駅前の食堂『SANGA』にて昼食を摂っていく事とした。
写真は、今回頂いた『カツ玉そば』。いわゆるカツ丼の米部分を蕎麦に置き換えたようなボリュームたっぷりのメニューで、蕎麦でトンカツを卵もろとも絡めとって口に運ぶ新食感も魅力的だった。
帰りの列車までしばらく時間があったため、駅前の食堂『SANGA』にて昼食を摂っていく事とした。 写真は、今回頂いた『カツ玉そば』。いわゆるカツ丼の米部分を蕎麦に置き換えたようなボリュームたっぷりのメニューで、蕎麦でトンカツを卵もろとも絡めとって口に運ぶ新食感も魅力的だった。
鋸山 『浜金谷駅』の跨線橋から望む『鋸山』の稜線。
同山は、正式名称を『乾坤山(けんこんざん)』と云うそうだが、先述の採石作業の結果、切り立った岩肌が鋸の歯が如き様相を呈するようになったため、『鋸山』の名で呼ばれるようになったのだそうな。
『浜金谷駅』の跨線橋から望む『鋸山』の稜線。 同山は、正式名称を『乾坤山(けんこんざん)』と云うそうだが、先述の採石作業の結果、切り立った岩肌が鋸の歯が如き様相を呈するようになったため、『鋸山』の名で呼ばれるようになったのだそうな。

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