時間軸では計れない変態の遊び(富士山・吉田大沢)BC・・・決死の1ターン

2016.04.27(水) 日帰り

チェックポイント

DAY 1
合計時間
6 時間 12
休憩時間
2 時間 11
距離
8.0 km
のぼり / くだり
1136 / 1136 m

活動詳細

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4/27(水) 長年の夢の下見・・・ スノーボードを始めた約30年前 その時に富士山を滑れることを知った。。 しかも頂上から・・・ いつかはやってみたいと思っていてが、あっと言う間に時日は流れ そんな時に富士山のお誘い 本当は18日(月)だったのだが強風のため中止になって今回 前夜、居酒屋付きの宿セブンイレブンで素泊まり 翌日すき家で腹ごしらえしてスバルライン料金場へ・・・ 朝6時開通 誰もいない5合目駐車場 6:50 オッサン2人 準備をして板を背負い歩き出す。。 板にスノーシュー、ボードブーツ・・・ クソ重い! いつも思うのだが、この吉田口ルート・・・ 一回、下ってから富士山に登る・・・変なルートだ ! 天気は曇り、無風 晴れていれば気持ちがいいが、紫外線が強烈 眼下には山中湖、遠くには白い中央アルプスの峰々が見える 7:21 雪で覆われた吉田ルートの登り口に着いた。 上まで雪はつながっているだろうとスノーシューを装着 少し歩くと雪が無くなり、砂礫の中をシューで進む 夏道で登る予定だったが、おいらが急登のが好きと言ったら、雪渓を直登することになった。。 先に出発したソロの登山者が雪渓を登っている どうやら今日は、おいら達と3人で富士山は貸し切りのようだ。 静かだ・・・ 聞こえてくるのは、時々崩れる砂礫の音のみ 普段生活していて静かに過ごせる場所はそうそう無い 自然の中に行かなければ・・・ 今いる雪渓の中、お金を出しても、この場所に来たいと思う 年によって違うが、富士山を滑るのは雪が緩んでくるGW以降、もしくは半ばから下旬以降 昨日は暖かく条件が良かったみたいだ・・・ 今日はどうだろうか? 夢を叶える為頂上まで行きたいが 状況判断で行けるところまで・・・ 高度を上げていく 進んでは呼吸を整え、進んでは整えて一歩一歩高度を稼ぐ 最初は緩んでいた雪も高度が上がるにつれてピッケルが刺さらない固い部分も出てきた。 3045mの雪渓の島の部分で休憩 ここから上は斜度が上がり休憩できる場所は無い おいらは水だけ飲んで出発 更に高度を上げ振り向くとかなりの急斜面 前ばかり見ていてがむしゃらに登っていたから気が付かなかったが、いつの間にか滑落する斜度になっていた。 CLがところどころピッケルで雪面をチェックしながら登っている おいらは、まだ行けるんじゃないかと先に進む 少し風が出てきた。。 「ガーガー」とトランシーバーが・・・ 振り返るとCLはピッケルで雪面を刺し 「fumiさーん・・・そろそろヤバイよ!」 CLが上がってくるのを待つ 近づいてきて「これ以上、上はもう無理だよ」 おいらは・・・ 「あの上の、斜度が緩むあたりまで行かない?」というと 「イヤ止めた方がいい」と・・・ 振り向くと・・・既に身動きできないような斜度 意味が分かった。。 ここら辺から滑らないと・・・もう少し行って風でも吹いて身動きが出来なくなると、進むことも引き返すことも出来なくなるはずだ! 風も強まってきた。。 CLはこの場所でピッケルでテラスを作り滑走準備をするようだ・・・ おいらは身動きできない 左手には夏道があり8合目だろうか?小屋も見える その下に富士山によくある落石除けの石を積み上げたブロックが見えた。 あそこの上なら平らだし、安全に準備が出来そうだ! でも、あそこまでは、この斜度のトラバース しかも・・・100m以上はあるなぁ でも、この場所じゃ何もできない おいらは、「あそこまでトラバースする」といい進む CLが「気を付けてね」の一言・・・ まあ、この斜度じゃ自分で何とかしないと とてもシューを横に出来る斜面じゃない 横で進んで、もし滑り始めればピッケルを打ち込むタイミングがコンマ何秒か遅れるはず ここは、ゆっくりでもシューは斜面と平行、歯を効かせながらの一歩一歩のカニさん歩きしかないなぁ この斜面で蟹になるとは・・・ 足元を見れば股の間から急斜面がのぞく・・・怖ぇー 急に恐怖心が混みあがってきたげっそりってこれって滑れるのか? まずは、安全なブロックの上まで行かないと 一歩左足を横に出し、その横に右足を並べる・・・何回この動作を繰り返しただろうか? やっと雪渓の真ん中・・・あと半分 焦ってはダメだ・・・ 途方もない時間が過ぎていく・・・ だんだんとブロックが近づいてくる・・・あとチョット。あとチョットで確保出来る やっとの思いでブロックの上にたどり着いた。 15分の綱渡りだった。。 高度計を見ると3345m あと400mチョットで山頂だったが、これでは無理だった。。 CLを見ると、ピッケルで削れない様で、諦めてこちらに向かってくる 心配しながら見ているが、何もできない おいらはザックを降ろし滑走準備 風が吹いてきて寒いので冬用ジャケット着込む 豆粒のようなCLが広大な雪渓の中にポツンと見える・・・ 自然の前では人間はなんて小さく無力なんだろう などと思いながら足場のしっかりしている上から見ている 辺りを見渡せば既に雲の上だ・・・ 雲の上で滑る準備をしているのが、なんとも不思議な感じがする CLも無事着いた。。 準備をしていて・・・ヤバっ! ヘルメット車に忘れてきたげっそりなんという大失態 無いものはしょうがない頭を打たないようにしないと 位置的においらが先に行かないと身動きが取れない ピッケルを手に握りしめて うぉー あのカチカチの急斜面どうすればいいのか?って滑らないと帰れないし・・・ CL一言・・・ 「ピッケルは命綱だから絶対離しちゃダメだからね」と・・・ こないだの蔵王の釜を滑ったときに練習はした。 とりあえず試しに少し滑りピッケルで停止してCLに先を譲る・・・全く楽しくない CLが滑り出した。。 これは、斜滑降で行くにも、命がけのターンを1回はしないとならないなぁ さあ・・・無事ターンできるか? 何とかCLはターンして下に消えて行った。。 さあ・・・ おいらの番だ! とりあえずは斜滑降で距離を稼がないと・・・ 怖ぇーなぁー 立上り滑り出す。。 思ってた以上にスピード出る・・・・ 板のエッジを慌てて立てるが立てすぎて前転でもしようものなら下まで滑落 ギリギリのせんでエッジを立てるが全くスピードが緩まず、どんどん加速 あわわわ・・・ 慌ててピッケルを打ち込む 雪煙を上げながら止まった。。 フゥ・・・ でも・・・ この斜面で絶対1回はターンを入れないと 怖ぇーなぁー 行くしかないし・・・ 滑り出す。。 もう少し進んでからターンだ! テールを振り気味に急いで向きを変えて、少しでもボードが斜面と平行になる時間を短くしないと落ちていく・・・ と、頭で考えながら・・・ エイやっ! 何とか向きが変わった。。 が・・・ だんだんスピードが上がる早くターンしないと・・・ 高度が下がると少し雪が緩んできた。 CLが近づいてきた・・・ピッケルで停止  フゥ! もう大丈夫だ! 止まると息ゼイゼイ・・・スポーツする高度じゃないよなぁ・・・全く 斜面と雪の状態は良くないが何とか楽しめた。 下りはあっという間だ! 雪渓下部はカットスプーンの斜面に岩がコロコロ点在していて滑りにくい ボードが傷だらけになってしまった。。 無事末端にたどり着き板を外して登山道へ・・・ 5合目までの登り返しがキツイ 13:00 無事駐車場にたどり着いた。。 朝の静粛とは一転して観光客で大混雑・・・98%中国人で大賑わい そんな人混みの中 この場所に似つかわしくない二人が歩く・・・ この人混みを見ると・・・ 先ほどの、あの雪渓の中の行為は何だったのだろう?と思ってしまう 人に押し付けるのは嫌だが 少なくとも、おいらは表面だけじゃい富士山を見てきて感じてきた。。 どっちが幸せかは人それぞれ まあ・・・ どっちでもいっか? 今回は色々と勉強になった。。 富士山滑走は日にちを決めて決行が出来ない理由も その他、体で感じた。。 おいら独りだったら あのまま、さらに先に進んだことだろう・・・(性格上) そして、きっと身動きが出来なくなっていたはず 風も出てきて、最後はガスも出てきて真っ白になった。。 色々と経験を重ねて またチャンスがあれば 今度は山頂から滑りたい・・・ 今日の富士山は、まだ冬でした・・・

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