初の遠征　高千穂峰

ここは日本なんだろうか。 一瞬、そう疑うほどの壮大な景色に目がくらんでしまった。 地球儀を見ると、日本はほんの小さな島国。 そのほんの小さな島国の、ほんの一部である九州の、ほんの一部にある高千穂峰。 そのほんの小さな一点に私がいる。 でも目の前に広がる景色は、壮大で　暖かく　そして厳しかった。 時折、強く吹き付ける風に体を持っていかれそうになる。 ドンっとくる風圧。 冷たさで頬が痛くなる。 雲が迫ってくる。 雲の切れ間から陽が差すと、ダウンの上からも温かみを感じる。 一歩一歩に力が湧いてくるから不思議だ。 こんな過酷な環境にも緑があるのに驚いた。 そして元気をもらう。 歩を進め、たどり着いたそこは神が降り立った場所。 今までの山行とは一線を画すスケールの大きさと何か大きなものに包まれているかのような感覚に戸惑いながらも またここに来ることを決めた。 高千穂峰。 また好きな山が一つ増えた。