活動データ
タイム
24:36
距離
39.5km
のぼり
3134m
くだり
3113m
チェックポイント
活動詳細
すべて見る【アクセス】 有峰林道はまだ開通していませんので、神岡町から県道484号線に入り大規模林道を通って約30km走ると登山口の飛越トンネルに到着します。県道484号線は最初対向車とすれ違いができないくらい、狭まく、ヘアピンカーブが続く道が続き、途中に集落が出てくるようになると道が少し広くなり、大規模林道に入ると片側1車線の広い道となります。今年は途中には雪が全く無く、飛越トンネルまで車で来られました。年によっては積雪のため飛越トンネル手前に路駐となり、林道をかなり歩く事になるようです。 【お天気】 5月1日 曇り〜ガス 5月2日 晴れ 5月3日 晴れ〜薄曇り 【感想/記録】 GWはどこに行こうかと色々計画を立てましたが、連休しょっぱなから西高東低の気圧配置となり、山では吹雪の荒れ模様のお天気となり出鼻をくじかれました。週間天気予報やてんきとくらすを参考にすると、5月2日のお天気が良さそう。GWの間だけは太郎平小屋が営業しているので、去年3回も行って眺望には連敗した薬師岳に是非行ってみたい。一番お天気が良さそうな5月2日に薬師岳にアタックする日とし、前日は太郎平小屋までの移動日にしました。朝の6時半頃に飛越トンネルに到着し準備をして、まずは寺地山へ向かいました。 飛越新道も雪が無く夏道を進んでいきますが、雪解け水とあいまってぬかるみの洗礼を受け、早速ブーツやゲーターが泥だらけでになりました。標高1700mを超える付近から登山道に雪が出始め、1800m付近から雪が繋がるようになり、ぬかるみから解放されました。寺地山で休憩し一旦鞍部に下って少し登ると、眺望の良い場所に出ましたが、北ノ俣岳頂上付近はガスがかかっています。天気予報では晴れだったのですが、これまでずっと曇り空で嫌な悪寒。北ノ俣岳避難小屋に付近に到着し、ここで昼食を食べていよいよ北ノ俣岳へ登頂を開始。斜度は比較的穏やかで、アイゼン無しでも登れましたが、ガスってきたので標高2400m付近でアイゼンを装着。標高が高くなると息が切れますが、なんとか稜線にまでたどり着きました。 稜線に出ると風が強くホワイトアウトになって視界がきかず、トレースも少し吹き飛ばされたようで、進む方向がわかりません。トレースを追っていると、反対の北ノ俣岳方向に向かっていました。YAMAPで現在位置を確かめ、コンパスで方角を確認しながら進みます。北ノ俣岳から太郎山は広い稜線が続くので、目印の赤旗くらいあるだろうと思っていたら、目印が何もありません。ホワイトアウトで何も見えない所を進むのは難しく、トレースを見つけたと思ったらグルグル回っていた自分のトレースでした(´Д` )。 途中何度もYAMAPで現在位置を確認、コンパスで進む方角を決定する事を繰り返しつつ進むと、ようやく信頼できそうなトレースを発見し、標高を下げていくと風が弱くなって視界も多少はましになりました。ここは昨年一度黒部五郎岳へ行く時に来ましたが、ガスって視界が効かない状態では、どこにいるかさっぱり分からず、YAMAPが無かったら確実に遭難でした(´Д` )。 太郎山を越えてようやく太郎平小屋に到着し、やっとホッとできました。遭難も考えられる、過去最大のピンチをYAMAPとコンパスでなんとか切り抜けることができした。太郎平小屋には2泊することにし、とりあえず濡れた物を乾燥させ宿泊手続きを済ますと個室が割り当てられ、ラッキーでしたが暖房が無いので寒い。食堂で暇を潰し明日に備えます。 夜は風の音が響きお天気が不安でしたが、朝起きと曇り空。前日のテレビの天気予報では全国的に晴れの予報だったのに。それでも出発する頃には青空が見えて、今日目指す薬師岳や周辺の山々が見えます。太郎平から薬師峠に下りて急登の樹林帯を進みます。積雪期は薬師峠から右に迂回せず、太郎平小屋から山頂までほぼ真っ直ぐ進みます。薬師峠からも急登が続き、薬師岳小屋に到着し休憩してからまた急登を登り、ようやく避難小屋に到着。ここでポールをピッケルに持ち替えて、頂上を目指します。頂上付近は強風が吹き荒れてましたが、無事に登頂できました。 薬師岳頂上からは槍から裏銀座の山々、立山や剱岳まで見えました。薬師岳に来てこんなに眺望が良かったのは初めてです。頂上付近からは不安定ですが、ソフトバンクの電波が届くので明日の天気予報をチェック。少しは休憩もしたかったのですが、強風のため早々に下山しました。薬師岳小屋にまで来ると風は穏やかになったので昼食を食べ、眺望を楽しみながら下山しました。 その後は時間があったので昨日はホワイトアウトだった、北ノ俣岳を目指すことに。一旦太郎平小屋にまで戻り、太郎山を越えて進んで行きます。途中にはガスったら迷う広い雪原が広がり、この広い雪原を良く無事に太郎平小屋まで来られたなと、しみじみと思いました。北ノ俣岳山頂からは、黒部五郎岳、三俣蓮華岳、双六岳、鷲羽岳、水晶岳、赤牛岳、そしてさっきまでいた薬師岳が一望でき、体力的にきつかったけど来て良かったです。帰りは下り坂で太郎平小屋も見えて、安心して帰ってきました。 3日目は天候が下り坂の傾向なので、早く出発するため朝食をお弁当に変更し、朝の5時15分に太郎平小屋を出発。お天気良いものの風が強く、歩いていると風に身体を押されてしまいます。北ノ俣岳山頂は昨日行ったので、強風から逃れるため神岡新道を下ります。しかし、クラストした斜面を下山していくと、ますます風が強くなり身体を持って行かれそうになります。少し風が弱くなる樹林帯に身を潜め、ポール1本とアンカーにするためのピッケルに装備を変更し、風で身体を持って行かれないようにし、なんとか北ノ俣岳の麓まで下山しました。ここからは樹林帯になりますので、急に風が弱くなり暑くなってきたのでハードシェルを脱いで下って行くと、気温が高いため、2日前よりも融雪が進み、踏み抜きとドロドロの登山道となっていました。最後は足元が泥まみれになりつつも尻餅をつかず無事下山できました。 2泊した太郎平小屋は1泊9,200円、宿泊者は1日が40〜50名ほど、2日は20名ほどで、ほとんどがバックカントリの方でした。飲料水はなく水筒に入れるお湯は100円、お茶は200円、缶ビールは600円でした。水は貴重品なのでペットボトルなどの飲料水は全て有料です。水洗トイレは置き水をカップですくって流します。流しには手洗いや、うがい用の非飲料水はありました。朝食を変更したお弁当はチマキが3つとペットボトル飲料(お茶)でしたが、帰りの気温が高くなった飛越新道ではこのお茶で助かりました。 4月30日は午前はお天気が良かったものの、午後急速に天候が悪化し立山は猛吹雪、5月1日のお天気もあまり良くなく立山は荒れ模様で吹雪だったようです。このため立山で遭難事故2件有り、うち一件で2名の方が死亡、もう一件は生還、剱岳でも遭難事故がありこちらは無事救出と、立山界隈で遭難事故が相次ぎました。3日は朝から強風でしたが、ヤマテンの緊急メールで予想より早く強風が吹き始め、ドンドン風が強くなるとのメールの発信がありましたが、電波が届かず下山してから知りました。富山県内でも暴風警報が発令されましたので、早く下山して正解でした。 今回遭難しなかったのはホワイトアウトでも気温が氷点下より高く、雪や雨が降っていなかったので、iPhoneが死なず画面を確認出来た、いつもはザックの底にあるコンパスを地図と一緒にすぐ取り出せるようにしてあった等でしょうか。薬師岳では無く遭難が頻発していた立山方面へ行っていたら遭難していたかもです。 高温のため融雪が急速に進んでいます。今後は登山道の雪はさらに減り、登山道はぬかるみ、踏み抜き地獄や融雪雪崩も考えられます。状況はドンドン変化すると思われ、これからこちら方面へ行かれる方は十分ご注意ください。 【注意点】 遭難時のビバークに備えてツェルトぐらいは持っていた方が良かったかも、いや必須ですね。 ホワイトアウトに備えてコンパスは必須ですが、コンパスの予備やガーミン等の携帯GPSがあるとさらに良かったかもしれません。 宿泊した部屋は暖房が無く寒くて(これはどこの山小屋も一緒だと思います)、ダウンパンツやビーニーが必要だった。 登山口には水場が無いので、泥を落とす水を持っていくと良かった。 【コース状況】 今回は飛越トンネル〜寺地山は夏道なので問題ありませんでしたが、雪があるとジグザグに進みますので、コースが分かりづらいかもしれません。北ノ俣岳〜太郎平小屋までや、北ノ俣岳からの神岡新道は広い稜線なので、ガスると道迷いしそうです。今回は赤旗等の目印は何もありませんでした。 太郎平小屋から薬師岳も特に目印はありませんので、ガスっているとコースが分かりづらいかもしれません。 比較的長いコースなのである程度の体力が必要だと思います。雪が多くて林道を歩く年は時間がかかるので、北ノ俣岳避難小屋でビバークすることも想定しておいた方が良いかもしれません。 【5月10日追記】 北ノ俣岳〜太郎山の尾根は広いので、尾根に乗ってからもしばらく真っ直ぐに進むと、ちゃんとしたトレースに出会えたと思います。 5月1日はお天気が悪かったため、BC系の方は太郎平小屋で停滞していたので、尾根上では誰1人として出会うことはありませんでした。 ホワイトアウトの中では樹が人に見えたり、聞こえるはずの無い「ドーン」と言うような幻聴が聞こえたりと、普段体験できないようなことを体験できました。 ソフトバンクの電波は不通なのですが、自分宛のLINEのメッセージに既読が付かず、遭難が起こっていた時期だけに、あいつも遭難かと話題になっていたようです(汗)。
活動の装備
- オリンパス(OLYMPUS)M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO
- バーグハウス(berghaus)チベッタ ジャケット
- パナソニック(Panasonic)望遠ズームレンズLUMIXGVARIO35-100mmF4.0-5.6マイクロフォーサーズ対応H-FS35100-Kブラック
- マムート(MAMMUT)Spindrift Guide45
- マムート(MAMMUT)Plano Jackettwilight
- サーモス(THERMOS)山専用ステンレスボトル FFX-500
- モンベル(mont-bell)GORE-TEX アルパインスパッツ
- モンベル(mont-bell)LXB-12アイゼン
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