残雪の杓子岳双子尾根

2016.04.25(月) 2 DAYS

活動詳細

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週末のイベントを終え、予てより目を付けていた後立の杓子岳双子尾根を一泊二日で登ってきました。 都合が付けば奥穂のコブ尾根と南稜あたりを考えていたのですが、予定も色々あって春山は諦めていたところ、今のタイミングなら行けるとふんで強行しました。 4月25日(月) 二股に着いたのが午前10時半。 まだ通常は閉まっている冬期通行止めのゲートが開いていたので、道路交通情報センターに問い合わせてみると、22日から開通したそうです。 これで登山口の猿倉まで歩かなくて済んだのでラッキーでした。 猿倉から久しぶりに、白馬岳の威風堂々とした姿を望みました。 今から17年前に登った白馬岳主稜もよく見えます。 ただ、やっぱり雪が少ないです。 双子尾根は大丈夫かな? 一抹の不安を抱えながら、登り始めました。 猿倉台地に続く尾根はブナの木がとても綺麗でした。 そして目の前が開けると、左からこれから登る双子尾根に、続く杓子岳、杓子尾根越しに白馬岳、小蓮華尾根のパノラマが広がっていました。 展望を楽しみつつ、お昼ご飯をとりました。 今日は、あと1時間半も登れば幕営地の小日向のコルに辿り着くので気が楽です。 最初緩やかに盛り上がった台地を登っていきます。 左の沢状のデブリを越えコルへ向かう斜面に取り付きます。 ここが結構急で、あまり寝ていないのと週末の疲れで、大変辛かったです。 小日向のコルは、広くて幕営するにはとても快適なところでした。 テントを張って、すぐにでも寝たいぐらいでしたが、明日からのことを考え雪の状態を偵察しにいきました。 樺平までの尾根が所々雪が崩壊してブッシュが覗いていましたが、明日は何とかなりそうです。 (二日目) 昨日は疲れていたので、夜の7時には寝ていました。 夜中に何かが崩れる轟音で2回目が覚めましたが、よく寝れました。 お陰で少し寝坊してしまったので、慌てて朝ごはんと出発準備を済ませます。 今日は気温が上がらない内に、下の雪が途切れているところを越えないと厄介なことになりそうなので、ちょっと焦ります。 4月26日(火) この日は素晴らしいお天気でしたが、気温も高いので少しでも早く山頂に抜けないとヤバそうです。 樺平までのブッシュが露出していたところは案の定ヤブこきを強いられましたが、大したことがなくて良かったです。 ただ、雪が崩壊しそうなところがいくつかあったので、雪がゆるんでからでは戻って来たくない状況です。 樺平から上は傾斜も増し、高度感も出てきました。 奥双子のコルから上の露岩帯は右の雪壁から巻きましたが、ちょっと雪がゆるんできたので気持ち悪かったです。 その上は高度感のあるリッジが続きジャンクションピークへ到達しましたが、傾斜のない尾根上は雪がゆるんできて膝ぐらいまで足がとられ、体力を消耗しました。 いよいよ頂上へ抜ける最後の登りは、急な雪稜と雪壁が続きます。 主稜線上には雪庇がブロックのように張り出し、何か今にも落ちてきそうです。 最後不安定な露岩帯をやり過ごすと、一旦傾斜も落ちホッと一息。 下を見ると今まで登って来た道程がよく見え、ゾクゾクするような高度感に酔いしれます。 最後の最後に5mぐらいの雪壁を乗越せば、主稜線上に這い上がります。 杓子岳(標高2,812m)の山頂はすぐそこです。 10時過ぎに頂上到着。 白馬鑓ヶ岳、白馬岳の展望を楽しんだ後は、白馬岳頂上宿舎を目指します。 主稜線を一旦大きく下るので、登り返しが辛い所です。 白馬岳を目の前に大雪渓との分岐に着くと、下からスキーやボードを担いだ人達が見えました。 予定では白馬岳もピストンしようと思っていたのですが、主稜線はほとんど雪もないし夏道と同じ様でしたので、そそくさと大雪渓を下りました。 今シーズン最後の雪山を、何とか北アルプスで過ごせたので良かったです。

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