活動データ
タイム
08:20
距離
18.9km
のぼり
1139m
くだり
1130m
チェックポイント
活動詳細
すべて見る今回、歩いてきたのは美ヶ原です。 詩人・尾崎喜八氏が『美ガ原熔岩台地』で謳った季節は秋。 多くのハイカーが花々を求め、押し寄せるのは夏。 しかし『日本百名山』で、深田久弥氏が美ヶ原を歩いた季節は5月なんですよね…。 「…絵のように美しい三城牧場から、原の一角に登り、金の風に吹かれながら武石峰までさまよい歩いて、この高原の高さと広さと眺めを、全く孤独の中に、存分に味わった…」 ---この時、深田氏は三城から百曲がり登山道で台上に登り、王ヶ頭経由で武石峰まで歩かれたのでしょう。でも“金の風”って何でしょうか??? 深田氏の辿ったこの道のりを同じ季節に辿り、“金の風”に吹かれてみたい…という望みを、今回ついに叶えることができました。 ご同行いただいたのは、yamap東海屈指の若手アルピニスト・みとなさんであります! 雪山やアルプス縦走を主戦場とするバリバリの登山家でありながら、自分のような超初心者の質問や相談にも常に誠意を持ってご教示をいただいてきた、自分のお師匠さまの一人です。…そんなスゴい方に、ヒザ痛おじちゃんの高原ハイキングに付き合っていただくのは本当に申し訳なかったのですが(^-^;)今回、厚かましくもお言葉に甘えてしまいました。みとなさんとは中津川ICで待ち合わせ、同乗して松本方面へ。車中と道中、数え切れないほどの貴重なお話をいただきました。行動食、装備、パッキング、軽量化、服装、ストックの使い方、ヤマメシ、コッヘル…、みとなさんの経験に基づく濃厚なノウハウを惜しげもなく教えていただき、楽しい中にも、非常に為になる素晴らしい一日となりました(^-^) ■三城牧場から広小場を経て百曲がり園地へ【百曲り登山道】 三城いこいの広場・センターハウス下の登山者用無料駐車場にクルマを停めて、スタートです。時折覗く明るい草原を横目に、渓流沿いの白樺林の中を登りはじめます。野鳥のさえずりと心地よいせせらぎを耳にしながらオートキャンプ場を通過、沢に沿って木漏れ日差す爽快な樹林帯へ。…蛇足ですが、みとなさんも自分も、子ども時代に地元の森を歩き回ってきたせいか、森に幻想がない(森の危険なところ、嫌なところ、危険な生物…を知ってしまっている)のですが、ここの樹林帯は「素晴らしい!」ということで意見が一致しました。 ほどなく広小場に到着。ここから沢を離れ、台上に向けて本格的な登りが始まります。しばらく白樺林を進みますが、傾斜が増すにつれ周囲はダケカンバと笹に変わっていきます。やがて樹林が薄くなり傾斜も急峻に。九十九折の登山道に鉄平石が現れ、最後の急登を経て台上の入り口、『百曲り園地』に到着。 そこには…一面に広がる黄金色の笹原を、さらさらと音を立て冷涼な風が吹きわたっていました。「これが深田久弥氏のいう“金の風”なのだ…」。心地よい涼風に身を任せながら、そう確信しました。 ■烏帽子岩を経て王ヶ頭、美ヶ原自然保護センターへ【アルプス展望コース】【美ヶ原パノラマコース】 百曲り園地からは塩クレ場方面ではなく、台上の西端を辿るアルプス展望コースを選択。晴れてはいるものの春霞で遠くが見渡せなかったのが残念でしたが、本来は北アルプスから御嶽、乗鞍、中央アルプス、南アルプス、八ヶ岳連峰、富士山などなどをグルリと見渡せる贅沢なルート! 心地よい風を全身に受けながら烏帽子岩を経て、美ヶ原の最高地点である王ヶ頭(2,034m)へ。ここからは放牧場内のハイキングコースに合流、天狗の路地を経由して自然保護センターに向かいました。 ■カラマツ林を抜け、美ヶ原牧場から武石峰へ【信濃路自然歩道】 自然保護センターの駐車場脇から美ヶ原スカイラインに沿って伸びる『信濃路自然歩道』で武石峰に向かいます。途中、美しいカラマツ林や、美ヶ原牧場の爽快な草原を通過。約1時間ほどで美しいお椀型の丘、武石峰(1,973m)に登頂しました。快晴であれば360度の景観を心ゆくまで堪能できる別天地! 遠く王ヶ頭、王ヶ鼻を眺めながら“金の風”を堪能しました。ちなみに自然保護センター〜武石峰間は、スカイラインを通り抜ける自動車や自転車以外、誰一人すれ違うことがありませんでした。 ■自然保護センターでランチタイム その後は辿った道を戻り再び自然保護センターへ。その屋外ベンチをお借りして、お昼ご飯をいただきました。みとなさんお手製の超絶クオリティのチキンハム(!)やカレーピラフを美味しくいただきながら(^-^)、自分は実戦初投入のメスティンで湯きりなしパスタに挑戦。食後はこれまた初投入のコーヒーミルを使いコーヒーを淹れました。目の前に現れたキジの声を聴きつつ、まったりと楽しい時間を過ごしました。なお自然保護センターには無料のWCもあり、非常に便利です(王ヶ頭ホテル、山本小屋のWCは有料(100円)です)。 ■王ヶ鼻から再び王ヶ頭経由で下山【美ヶ原パノラマコース】【ダテ河原登山道】 自然保護センターから牧場用の道を通り、王ヶ鼻へ。昼を過ぎ、若干ですが春霞が薄くなってきたため、アルプスのシルエットや山頂付近の雪を目にすることができました! まさにアルプスの展望台、やはりここの眺望は最高ですね…。その後は王ヶ頭を経由しダテ河原登山道を通って『少年自然の家』前に下山。ここから一般道を徒歩10分、『三城いこいの広場』駐車場に帰着しました。 深田久弥氏が“金の風”に吹かれながら遊んだ美ヶ原の野。 花の季節前、シーズンオフの美ヶ原は人影も少なく、深田氏が楽しまれたように静寂の中でした。最高に楽しく、贅沢な高原の一日をご一緒いただいたみとなさんに、心より御礼を申し上げます(^-^)
動画
メンバー
もしも不適切なコンテンツをお見かけした場合はお知らせください。