坊がつる読書山行(アルケミスト/パウロ・コエーリョ)

2016.05.14(土) 2 DAYS

活動詳細

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福岡市内での配達を終え、少し早めに仕事上がり。 荷台にはテン泊セットが常備されているので、こんな時はいつもの坊がつるへ直行だ。遅い時間の入山なので、ピークはどこも踏まない。酒と温泉と読書の山行にしてしまうのだ。 大曲からなら法華院までちょうど一時間。 軽く汗をかいた後の温泉とビールを至福と言わずして何と言おう。今日は玖珠町で、竹やぶの肝刺し(運良くあった!)と豊後牛を仕入れてきたので、更にいう事なし。「う~っ」と声を出しつつ温泉につかり、「ぶはぁ~っ」と喉を鳴らしてビールを流し込んだら、キンドルを開いて本を読む。 今では山行に欠かせなくなったキンドル。 酒の入ったマグを片手に文庫本の頁をめくるのもオツなんだが、キンドルを手に入れたらその便利さに参った。まず、暗いテントの中でもバックライトのお蔭で本が読める。次に、手を出して本を押さえなくても良いので冬には助かる。更に重さは厚手の文庫本程度。コイツには数十タイトルの書籍が入っているから、持って行く本を選ばなくても良くなった。う~む、談話室で静かに文庫本を読み耽る渋い中年、という演出は出来なくなったが、見栄えよりも機能を優先するのが山道具の必定だから仕方ない。 さて今回開いたタイトルは、パウロ・コエーリョ著の「アルケミスト~夢を旅した少年」だ。言わずと知れたパウロ・コエーリョの代表作であり、世界的なベストセラーだ。いつか山で読もうと、長いこと入れっぱなしで忘れていた。 アルケミストとは錬金術師のこと。 羊飼いの少年が自分の心の声に従い、また数々の前兆に導かれながら、ピラミッドに眠る宝物を求め旅するという物語。観念的な内容に加え、訳文特有の言い回しが最初は読みづらかったが、物語が進むにつれ引き込まれてしまい一気に読破した。 自分の心の声に従うこと。 自分の心と深く語らい、互いに分かりあうこと。そして人との出逢いや、自然との対話によって導かれる愛や本当の幸せ。読み手は、少年と共に旅をしながらそれらに気付かされる。 ところで、僕ら世代の男の子は一度は「錬金術」に憧れたものだ。 似たようなところで「永久機関」にハマったりもした。「科学と学習」やら「ムー」やらの影響だ(笑)。そういや『まだかなまだかなー、学研のおばちゃんまだかなー』なんてCMやってたな。 小学生の頃に自分で考案した永久機関の設計図や、錬金術の呪文とかを書き記した画用紙が、今でもたぶん泉屋のクッキー缶の中に残ってるハズだ(笑)。藤田和日郎「からくりサーカス」とか、荒川弘の「鋼の錬金術師」とか、何度読んでも面白いしな~。 これからちょっと「愛の錬金術師」でも目指してみるか。

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