KAWAP 北精進ヶ滝、九段の滝

この日の新宿の朝はとても涼しく、某お客様の本陣前で待っている間に半袖では寒くなった。お客さんに会わないかドキドキしながらカッパを着ておむすびで朝食を摂っているとKさんが現れる。 続いてはじめましての"てるちゃん"の運転する車が到着(えーちゃん♂が何故か助手席)し賑やかな山梨への旅が始まる。 東日本の滝の話やとある滝マニアさんのFBが大荒れ中の話、Kさんの西沢渓谷ハイキングの時に作家の穂高健一さんと会ったときに聞かされた出版予定の"燃える山脈"に関する裏話など楽しい会話が車中を埋める。 えーちゃん♂は会社の先輩。以前6年間ほど同じシステムのPJTにいたが、私が移動し5年の時間を空けて一昨年からまた一緒に働いている。滝巡りをしていることは昔から話に聞いていた。半年ほど前にYAMAPアプリを紹介し、その後のレポートを読んでからはいわゆる観光滝巡りではないことを改めて知る。その歴20年の滝マニア、そして温泉マニアである。 職場のリーダーKさんも今年に入って西沢渓谷を訪れて以降、ひとり滝巡りをしているとのことだったので皆で北精進ヶ滝に行く運びとなった。 麓から見上げた山々はどれもガスの中だった。八ヶ岳も雲の中。渋滞があり予定より1時間押して11時からのスタートとなったが天気の心配はないようである。 てるちゃんは最初から手ぶらで歩き出す❗️えーちゃん♂が全部背負うのが当たり前とのこと😬またこのエリアにはヒルもいるとのことでエタノール持参。 石空(いしうとろ)川に架かる長い吊り橋を渡り、渓谷の水の音としっとりとした苔の森に包まれるハイキングコースを進んで行く。序盤に三つの滝がある。梯子のような猛烈に急な階段を登ったり、橋を渡ったりして滝の迫力を間近に見ることができる。45分ほどで滝見台に到着すると北精進ヶ滝、九段の滝を一望できる。倒木や落石の影響なのか視界が遮られず以前よりも見栄えが良いとのことだった。皆で記念撮影後、あの滝壺を目指す。 えーちゃん♂の指示の下、川幅の狭い場所を探し、石の上に静かに足を置きながら一度左岸へ渡る。 左岸に移ると湿った斜面の急な登り。踏み跡の判別も不可でありピンクリボンを探しながら汗だくので登り、急登が一服するとKさんはシャワー浴びてきた？というほど滝のような汗。辺りは一面美しい苔の森。 足を滑らせたら怪我では済まないようなアップダウンのトラバースが続く。この辺りは踏み跡は明瞭だか、一部地面がゆるいところもあった。九段の滝の滝壺はデザートにとっておき、先に北精進ヶ滝へ行くこととする。 再び右岸への渡渉で足を置けるような石はなく素足になる。痛いくらいの水の冷たさを味わう。この辺りの岩はどれもつるつるで登るにも難儀、足を置くにも非常に滑りやすく注意が必要だった。えーちゃん♂も軽く転倒。 さらにガレ場の登りが7、80mほど続く。巨岩に埋もれないように登れそうなルートを探しながら、下り時に足場が見えるようにとその周りの草を折りまくりながらよじ登っていく。 水平ではないが凹凸の少ない大きな岩の上が本日ののピークである。汗をぬぐい改めて巨大な滝を見上げる。さらにその上には青空があった。 北精進ヶ滝と4人にビールで乾杯する。えーちゃん♂が担いで来てくれたものだ。 滝からの冷たい風でカップラーメンが美味しく頂けた。今日は林檎も忘れずに持ってきた。辛党女子は北極ラーメンとか言う激辛を食べ終え、飲み残しをえーちゃん♂に残飯処理させていた。がんばれ先輩‥ 食休みを終え空身で滝壺へ30m程下りてみる。滝壺直下の岩場はどこもツルツル、ミストを浴びながら恐る恐る下りていく。 滝壺付近は台風であった。岩かげに隠れながら近づくも1分で全身が濡れる。岩かげから出れば爆風シャワー。えーちゃん♂と写真を手早く撮りあうが、一気に体が冷えたので気持ちは急いで、手足はゆっくり慎重に帰路を探す。 着替えを済ませて、北精進ヶ滝を後にした。 九段の滝壺へ行く際は来たルートで一度下る。既に濡れ慣れたため靴のままザブザブと膝丈ほどのちょっとした沢登り。ひとり沢靴を持ってきていたてるちゃんだけが余裕である。 九段の滝は下の滝見台から見た印象とはだいぶ異なるものだった。花崗岩の白砂ビーチから見上げるこの滝は徐々に幅を広げながら落ちてくる。その水の描く軌跡がなんとも素晴らしい。仕事以外でも自らの体を張るKさんの滝行。このノリも流石リーダー。 ノリに釣られようかとも思ったが、石や木が落ちてきたら‥と思うと止まざるを得なかった。 別ルートで下ろうかと50mほど下流まで帰路を探す。なんとか下れそうだったが時間ももう16時。元来た沢の端の方から戻ることにする。 登りは滝見台の下辺りから渡渉したが、そこを見落としてしまいなかなか渡れそうな場所がない。結果、登りの時のポイントよりもかなり下流まで行ってから渡渉した。てるちゃんは一の滝に戻ってからもずっと水の中を歩いていたが、もう岸に上がるというところで転倒し服を濡らす。 吊り橋近くまで戻り、フォッサマグナ露頭を眺めるが、分かったような分からないような。異なる地質の境目ははっきりと見えた。要するに断層、と理解しておいた。 ここでえーちゃん♂の脛をヒルがチクリ。 17:00に吊り橋を渡り駐車場へ到着。Kさんのパンツからも小さなヒルが一匹。自分も入念にチェックしたが見当たらず胸をなでおろす。 近くの尾白の湯へ立ち寄りサッパリする。高濃度のミネラル成分を含む赤い温泉は適温でいつまでも入っていられた。 キャンプ場やBBQ、アスレチックやドッグランなどのも併設した総合施設で子供連れで楽しめる。 http://www.verga.jp/?page_id=41 渋滞のない高速道路を快速で走り東京を目指す。大月や相模湖辺りでは梅雨明け前の花火が上がっていた。 21:00新宿到着。道中、石空川の読みをすぐ忘れて、皆でなんだっけ？が度々会話に割り込み、何度も思い出そうとしたことを回想する。これが大人の遠足というものか。などと新鮮な気持ちを背負って帰宅した。 滝壺まで行くということで、前夜モンベルの野あそび保険¥500に加入した。 https://hoken.montbell.jp/sp/aboutdomestic/activity.php 滝見台から先は自己責任。ピンクリボンは多い。渡渉の際に水量を判断し引き返すとこと必要かと思われる。誰かが滑落してもロープなしでは救助困難。ソロはやめた方が良いだろう。 来年は鳳凰山とセットで南精進ヶ滝を訪れたい。ヘルメット、沢靴を準備したい。それと水着も。 翌日、石空川で汲んだ南アルプスの天然水で珈琲を落としてからポケモンGoをせがむ娘を連れて公園まで自転車を一漕ぎ。ボルダリングの壁は一往復で腕が痛くなる。凹側と凸側をそれぞれ楽しんだ。