活動データ
タイム
06:22
距離
8.6km
のぼり
960m
くだり
961m
活動詳細
すべて見る「鷹羽ヶ森」その山名を出す度、登山経験のある方は皆、一様に同じリアクションをします。 「鷹羽はねぇ~」から始まり、不満げな感想、そして「景色は良いんだけどね」で締める。 そのうち、僕の中でキツく、見所もあまりない里山というイメージが根づいてしまった。 しかし、思い返してみると皆、半笑いで楽しそうに話をしていた気がする。 これは、キツい面白くないと言いながらも、登った人間にしか味わえない何か楽しいことが在るんじゃないか? こうなると、高知の岳人として、この山を登らなければ山を語る資格がないんじゃないか?ぐらいに思えてくる。 悔しいので、登ってみた。 ■猿たちの森で 国道33号線でいの町へ、そして194号線に入り吾北方面へ。勝賀瀬橋を渡り「中追渓谷」の看板を右折して100mほどで登山口の看板が見えてくる。 さあて!1,000m未満の低山とはいえ、標高差は約900mなので舐めてかかると痛い目をみそうだ。 いつもより、入念にウォームアップしてから登りはじめる。 植林と照葉樹の混じりあう登山道をすすんでいると、すぐに急峻な道へと変わり、キツイ山の片鱗が見えてきた。 ただ、見所が無いわけではなそうだ。 見事なヤマモモの大木や、太平洋が輝く展望所など普通に山歩きを楽しめるじゃないか。 キツいけど。 写真を撮りながら登っていると、猿たちの警戒&威嚇の鳴き声が辺りに響き始めた。 1匹や2匹ではなく、かなりの数の群れのようだ。 これは怖い。 びくびくしながら歩いていたが、鳴き声はうるさいほどだが、襲ってくる気配はないので安心した。 ただ、ずーと鳴きながらついてくるので、ちょっと鬱陶しい。 冗談半分にレイザーラモンHGよろしく「フォ-!」と奇声をあげると、とたんに気配が無くなった。 仲間と思ったのか興味がなくなったのかは分からないが、猿相手にどん滑りしたような気分になってしまった。 ■パノラマが待ってるよ 主尾根の分岐を北谷方面尾根コースに向かう。 一旦、頂上を後にして道がうねうねしてるのでちょっと不安になるが、すぐに頂上への案内看板が出てくる。 歩きやすい落ち葉の道を進んでいくと、ほどなく祠のある頂上へ着いた。 ほとんど360度のパノラマビュー! 石鎚山系の山々、稲叢山や平家平がキレイに見渡せる。 南を見れば仁淀川と太平洋がまぶしいほどだ。 良い景色だー!キツいけど。 ■絶景!展望岩 山頂は、風を遮るものがないので極度の寒がりな自分にはつらい。 展望岩なら少しはマシだろうと早々に移動。 15分くらいで展望岩に到着する。 おおー! キラキラと輝きながら蛇行する仁淀川。 それはもはや仁淀川ブルーではなく、銀色に輝いてた。 そして太平洋、まぶしくオレンジ色に光っている。 道中、ほぼ同じ景色を何回か見たはずなのに、標高や時間の関係なのかはわからないが、色彩まで違って見えた。 この景色を見るためだったら、あのキツい坂もありだな。 山ラーも3割増くらいに旨く感じるよ。 ■下山そして湯気の老舗温泉 たっぷり眺望を堪能、腹も満足したし下山するか。 下山ルートは分岐を産谷方面へ、主尾根の分岐を弘瀬登山口へと向かうルートで降りることにした。 鷹羽ヶ森は江戸時代、針広混成林のお留山だったが住民に払いさげられ、生活の糧に伐採されたらしい。現在は二次植林の山だけれど、その頃の自然林も残されているように感じる。 こちらのルートも北谷ルートと同じく登りはキツそうだが、下りは快調に歩いていける。 ややガレ場やザレ場も多いけど注意していれば問題はないな。 なんて事を思いながらも、木立や苔に気を取られていて尻餅をついてしまった。 まったく油断大敵だ。激しく反省! その後は問題なく無事下山。 さて下山後のお楽しみ温泉だ! 今日は、鶴が傷ついた羽を癒していたという秘湯「蘇鶴(そかく)温泉」。 高知県では老舗温泉で、昔の銭湯を思わせるつくりになっている。 浴室は、隣で猿が入っていても分からないくらい湯気が濃い。 天井から時折たれてくる水滴、7時22分で止まったままの時計や16kgを指したままの体重計。 ここも昭和のいい香りが残っている。 慣れない人が入ると、湯あたりするという濃い温泉につかりながら今日の山行を振り返ってみる。 やっぱり登った人にしか分からない楽しみがあったじゃないか。 車で1時間、8kmの行程で登りごたえ充分!絶景のご褒美あり! 大好きだよ。鷹羽ヶ森! でも登ってない人には「鷹羽はねえ~」と半笑いで切り出そうと思う。 さあて、次はどこのお山に登ろおか。
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