15/sep/2016第3日目

2016.09.15(木) 日帰り

チェックポイント

DAY 1
合計時間
6 時間 55
休憩時間
1 時間 40
距離
4.4 km
のぼり / くだり
661 / 668 m
6 55

活動詳細

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山行経験で数少ないご来光を相部屋となったチリ人と拝みました。ABCに到達して残念だったのが、氷河がかなり後退していることでした。グレーの3本の氷河が合流して深くエグった谷を下って行くのですが、写真でも分かりますが合流すらしていません。本来はエメラルドグリーンの静止した流れがあるはずなのに・・・ ただ、これは本日の密かなアタック、できるだけ高いところへ到達するには好都合です。道標だけでなく道すらありませんので、YAMAPと周辺地図と実際の山の形や、地面の状態(草?岩?)からどう進むかを考えます。とても無謀なことですが、第1日目のあの崖での経験により引き際は判断できると自信があります。 アタック(<--大げさです)を事前にABCのスタッフに相談すると、クライミングに相当する岩登りやアイゼンピッケルを使う登攀(トウハン)は私が持つトレッキングパーミットではなくクライミングパーミットが必要なのでNG、比較的容易なABCのすぐ南側は多くの人が登るが私が試案する西へ向かう人は少ない、そして、少ないが登った人はいる、との情報を得ました。真顔で「気をつけろ」と忠告を受け、8:30に出発しました。 ヤギの放牧地帯を抜けるとすぐに南へ進んで標高を上げたくなりますが、すぐに岩の壁で行き止まります。今回のルートは一旦西へ進んで氷河帯まで出てから南へ進路を変えて岩壁を迂回する作戦です。 地図に記された氷河帯に到達すると氷は溶けて無くなっており絶壁に落ち込んでいます。その境の尾根を縦走するように南へ進路を変えて進みます。斜度がだんだんときつくなりますが、地面を覆う草のお陰で手を使わず楽に登れます。途中、小高い丘があると右へ交わすか左が良いか、谷沿いで進むか尾根まで出るか。霧の中、状況を判断して進む事を楽しめました。 草が無くなりガレ場を進むと小高い平坦地に到達しました。平坦地はゴールに相応しくしっかりしたケルン(石を積み重ねた道標)が点在していました。標高は4642mを示しています。ダイヤモックス(のジェネリック)を前日より服用していたお陰か高度障害は感じられません。霧が少し晴れて辺りが見通せます。 もう少し、氷河が後退しているあの先まで進んでみよう。 一旦小高い平坦地を降りてさらにガレ場を進みます。すると岩の下に水の流れる音が聞こえてきました。岩の下に水を通さない粘土質でもあるかと思ったら、なんと氷の上にガレ場の岩石が乗っており氷の上を川になって水が流れているのです。氷河が後退するときの独特の形態に思えました。 そして遂に、岩壁と氷河の境に到達しました。標高は4757mを示しています。氷河の上には石ころが乗っており、足を乗せると立つことができそうです。斜度は30度ほど。この氷を100mほどトラバースすると目の前の岩壁を迂回してさらに標高を上げる事が出来そうです。 もう少し、あの岩壁の裏側を拝んでみよう。 さてこの足元の氷、立つことはできるが滑ったら終わりです。一本だけ持ってきたストックではピッケルの代わりにはなりません。崖の体験を思い出さずともこれ以上進む事はためらわれました。ここを頂上と致しましょう。 帰りに先ほどの小高い平坦地で1時間ほどかけて一番高いケルンを作りながら霧が晴れるのを待ちましたがダメでした。霧の中でも道のないABCまでの帰路をYAMAPが導いてくれました。 ABCの山小屋に戻ると、前日のアンナプルナへのクライマーが同じ宿に到着していました。我々トレッカーとは少し距離を置いて俺たちはクライマーだぜという雰囲気でした。するとシェルパ殿が私に気づいて「調子はどうだ」と握手を求めてきてくれました。今日、4700mまで行って気分いいっす、なんて言えないので、Same with youと答えておきました。sameとmaybeは便利です。

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