活動データ
タイム
52:12
距離
62.1km
のぼり
4033m
くだり
4036m
チェックポイント
活動詳細
すべて見るあけましておめでとうございます。 ヤマップの皆様、今年もどうぞよろしくお願いいたします‼。 今年一発目からさっそく長いし写真多いですが、悪びれてませんw。 【三岳巡り】 去年の正月休み、屋久島をゼロtoゼロで縦断したのだが、Mさんという女の子に出会った。そして三岳巡りというものを教えていただき、案内してもらった。 宮ノ浦岳と永田岳とくりお岳の山頂付近に祠が隠されており、その3つをお詣りするというのが三岳巡りだとその時初めて知った。 本来「三岳」と言うと宮ノ浦岳、永田岳、黒味岳を指すのだが、「三岳巡り」になると黒味ではなく栗生になるらしい。 そしてMさんが全ての位置を知っていたので後ろをついていって、この時は無事に廻る事ができたのだが、このヤマップのコメント欄にてあさちゃんよりもう1つ立ち入った情報を教えてもらった。 「海抜ゼロから持って上がった塩か砂を、お供えするみたいですよ」 まじか?。せっかくsea to summitで三岳巡りしたのに?。なにもお供えしてない…。 滅茶苦茶ショックであさちゃんに「汗が塩になってましたよきっと…」と慰めてもらいながらも、ずっとモヤモヤしていた。 あの時知っていたなら、ちゃんと持って上がったのに! とリベンジを心に決めていた。 本当は竹の筒に入れてお供えするのだとも教えてくれたけれど、そこまではしなくて良いかな(THE B型) この話をmegっぺにしたところノリノリで一緒に行く事になった。 ただ、前回やった者の感想として「宮ノ浦岳sea to summit」は、そんなに甘くない。 生半可な気持ちでは達成できないという事も伝えたが、覚悟はしているみたいだった。 綿密に計画を練ってルートが決まった。 前回と同じくゼロtoゼロで屋久島を縦断する。しかし湯泊歩道は絶対に避けたいので代わりに隣の尾之間歩道で下山する。 初日 基本前回と同じコースで行く。 ①早朝に宮之浦港に着く「はいびすかす」に乗って屋久島入り。 ②徒歩で楠川歩道を経て白谷雲水峡→トロッコ道→縄文杉 ③最終目的地は新高塚小屋。でも少し悩んだ。俺はソロで16時に新高塚小屋へ到達し、幕営できたのだが休憩はおろか食事もほぼ無し(歩きながら食べた)で黙々と歩いた結果だからだ。 今回はmegっぺに景色などを見せてあげたいし、楽しくないと思わせてしまったら不本意なので手前の高塚小屋でもOKとした。 できれば新高塚小屋。最低でも高塚小屋。これで行く。 2日目 ①新高塚小屋幕営なら3時撤収。高塚小屋幕営なら2時撤収。宮ノ浦岳へ御来光を拝みに行く ②日が昇ったら永田岳とくりお岳で三岳巡りを達成する ③花之江河を経て淀川小屋で幕営。 3日目 ①淀川小屋から淀川登山口まで行き、尾之間歩道で下山。 ②夕方に尾之間温泉入りつつジェリーズキャンプ場で幕営 4日目 朝からバスかタクシーで宮之浦港へ移動してトッピーで鹿児島に帰る これに決まった。もちろんエスケープルートもいくつか用意した。 直前の長崎出張のおかげでろくに準備もできぬまま決行となった。 12月29日 【忘年会】 なぜこの日に?と思うが忘年会。しかも長崎で。コーラのみで数時間凌ぎ、夜な夜な福岡まで帰る。 パッキング終わったのは朝方だった。 12月30日 【はいびすかす】 5度寝くらいしてお昼過ぎにmegっぺをピックアップして九州自動車道を南下。 熊本の例の渋滞にどハマりして鹿児島入りが大幅に遅れる。18時出港のはいびすかすに15分前で飛び込んでなんとかギリギリセーフ。 途中でmegっぺが運航会社に電話してくれて遅れると伝えてくれたので助かった。 中は寿司詰め。megっぺは多少空いてる女性部屋に避難。俺は雑居部屋。種子島までの3時間を窮屈に過ごす。 種子島で95%の人が降りることは知っていたので我慢できた。 種子島に着くとやはり殆どの人が下船。屋久島へ帰る高校生兄妹とうちらの四人で部屋を独占できゆっくりと朝まで眠る事ができるようになって安眠できた。 12月31日 【sea to再び】 朝6時にエンジンがかかり種子島を出港していたが、あと30分だけ寝てから朝のパンを食べる。 ジャスト7時。宮之浦港へ接岸。初日は時間との闘いなので港でトイレと水購入だけ済ませて早々に歩きだす。 sea to summitの始まり。 車道を小一時間ひたすら歩いて楠川歩道入り口から右折。この角にトイレ付きの休憩施設があるので、ここで下界最後のトイレ休憩をした。そして海とおさらばして登山道を登っていく。 車道を登っていくとついにトレイルに変わる。結構勾配もキツくて何度もmegっぺの足が止まる。 踏みあとも少なく整備もされていない。 テン泊装備でのこの斜度はきつかろう…。しかも朝イチ。 何回か休憩をしながらついに楠川歩道が終わった。ここから白谷雲水峡。 表の整備された正規ルートは観光客が居るのがミエミエだったので裏のショートカットルートでまた荒れたトレイルを登り始める。 ついに正規ルートへ合流。せっかくなのでザックを投げ捨て、少しだけ下ってさつき吊り橋と白谷雲水峡を見に行った。 本道へ合流してから初めて人に会うようになった。てか意外にたくさん居る。冬でもたくさんの方が世界遺産を見に来ているんだな。 またザックを担ぎ、観光客の間を縫って登り続けた。途中の白谷山荘で水をゲトってついでに昼食を食べる。 まだまだこの辺りは下の方。普段着にブーツ、スニーカーの方がたくさん休憩している中に混じってパンを食べた。 さて出発。トロッコ道に向かって下っていく。megっぺは「なんでこんな下るとー💢」とご立腹だった。 しかしトロッコ道に出ると、二人ともテンションが上がった❗。ルンルンでトロッコ道を歩く!。最初の10分だけ。 なぜならこのトロッコ道、一時間以上歩くので、しばらくしたら飽きて「歩きにくい!」とか「なげーよ!」とかブーたれていた。 途中の小杉谷山荘で水をゲトり、最後の「綺麗なトイレ」休憩をした。 電動で混ぜてくれる超綺麗なトイレ。全く臭くない。 megっぺに「ここから先は全部坊がつるのトイレだと思った方がいい」と念を押した。 長い長いトロッコ道も踏破して、いざウィルソン株へ。斜度がキツくてゆっくりゆっくり登る。 予定の時間より少し早くウィルソン株に着いた。ハートの写真もそこそこに、先へ急ぐ。 時間ピッタリに縄文杉。 ここはザックを下ろして撮影しまくった。 さあ、縄文杉まで来たら高塚小屋はすぐそこ。どうするか聞いてみた。 meg「新高塚まで絶対行く!」 了解。よー言うた。ヘッデン用意しよう。 高塚小屋を華麗にスルーして先に進んだ。 滅多に見られない夕暮れの屋久島トレイル。シカも活発に活動を始めてるし凄く幻想的。ある意味貴重な体験でもあった。 途中から暗くなりヘッデンつけて新高塚小屋まで歩く。 ついに新高塚小屋へ到着。去年から遅れること2時間半。それでも最低限のヘッデン歩行で辿り着いたので上出来だった。 小栗旬風に「よく…頑張った。」と言ったが全く気づいてもらえなかった。 さっさとウッドデッキに幕営して食事の準備をする。今日は炊き込みご飯を2合炊いて、半分は明日のオニギリにしようと決めていたのでmegっぺに4つ握ってもらった。 年越し蕎麦も食べて、ひととおり食欲を満たして21時には就寝。明日も長い1日になる。 良いお年を。 本日の歩行距離 21km 1月元日 【氷の世界で三岳巡り】 夜中2時に起きて撤収を始める。朝食はどこかでオニギリを食べよう。 小屋も慌ただしくなってきた。 小屋の外で準備をしている女の子に見覚えがあったので話しかけてみた。 去年も小屋泊で御来光見てたよね?。俺もここにテント張って御来光見たよ。 女の子「あ、はい!去年ここに1つだけテントあったの覚えてます(笑)」 前回は4人パーティーだったけれど、今回は二人で来たみたいだった。 3時に予定通り出発。先程の女の子パーティー+1名(法螺貝)と抜きつ抜かれつ宮ノ浦岳を目指した。 3時間コースなので易しくはないがあちらもなかなかのハイペースで歩いていて、しばらくしたらブッチギられて前方から見えなくなった。 途中から所々岩が凍りだす。 ここから先はガチガチに凍っているのを知っているので、オニギリを食べながらチェーンスパイクを付ける。 元気を取り戻し、尚且つ文明の利器を装着し、快調に歩いた。 急いだ訳ではないが、すぐに女の子パーティーに追い付く。3人ともまだアイゼンは我慢するそうで、凍った岩や凍った木道に難儀していた。 安全装備であるアイゼンを「我慢する」意味が俺にはあんまりわからないが、先に行かせてもらった。 普通に歩いているだけで一気に引き離し、ヘッデンの灯りが遠く後ろに去っていった。 それもそのはずトレイルはツルッツルのアイス状態。ヘタしたらチェーンスパイクの歯も刺さらないくらい堅い氷のトレイル。 ザックザク歩き、ついに宮ノ浦岳の祠を通過。明るくなってからお詣りしようと言って山頂へ向かう。 2017年、初めて宮ノ浦岳へ登った人類がmegっぺだった。 必然的に俺は今年も人類2番目に宮ノ浦岳へ登った男となるw。 お湯をたっぷり沸かして、ナルゲン湯タンポを2つ作る。それからコーヒーブレイクにした。当然出待ち中は激サムである。 ベストな岩影を知っていたので、そこで茶をすすりながら寒さに耐えつつ明るくなってきて造形を帯びてきた地球を見つめる。 女の子パーティーも無事に到着した。 それから次々に数名増えて10人程で御来光を迎える事になった。 徐々に明けてゆく空。見渡す限りの雲海。周りに邪魔する物は何も無い、洋上のアルプスから見る初日の出。 今年最初の朝日が昇る。 同時に背後で、ホラ貝が鳴り響く。これをする為にだけホラ貝を持って登ってこられた男性が、力一杯ホラ貝を吹く。 感動しかなかった。 屋久島の正月に鳴り響く。涙すら出そうになる。 一通り皆さんで写真を撮り合い、新年の挨拶を済ませてから永田に行く準備をした。 ザックはデポしていくので行動食と水だけ持ってゆく。 山頂の皆さんと冗談か本気かわからないが、「また来年ね!」と言い合って、megっぺと永田岳へ向かった。 先に宮ノ浦岳の祠へ入り、塩を奉納して1つ目のお詣りが完了する。 永田岳へのトレイルはあまり整備(木道、階段など)されておらず、普通に険しい登山だった。肉眼や写真では無雪の山に見えるがずっとずっと氷の上を歩く。 振り向くとダイヤモンド宮ノ浦岳。 誰も居ない凍ったトレイルを登った。 永田岳の祠に立ち寄り二つ目のお詣りをした。 永田岳登頂。当然貸し切り。残念ながら雪に足跡が残っていて、今年人類初では無さそうだった。ここで御来光を見て鹿之沢小屋の方に下山したのだろう。 岩の上でのんびりしたあとネマチを見に行った。神様が降りてくる場所らしいが、行けるルートがうっすら見えている。 俺、行ってきていい?? megっぺ「いーよ。ここで待って見ておく」 ガサガサと藪を漕ぎつつネマチへ向かった。 しかし、7~8M程の岩を降りるんだけどそれがガッチガッチに凍っている。チェーンスパイクも効かずズルズル滑る。 もちろんロープなど設置されていない。 断念してmegっぺのとこに戻った。 今度ちゃんとクロモリのアイゼン持って来よう。と心に決めた。 ネマチを諦めた俺らは来た道を引き返す。 途中永田を目指している日本1周中の「さるぼぼさん」に会う。頑張ってー!。と応援して別れた。 歩きながら宮崎出身のmegっぺが「さるぼぼ」「さるぼぼ」言っていたので、福岡で人前でボボって言うなよ。と助言しながら宮ノ浦岳へ戻った。 宮ノ浦岳に着くともうお昼だった。 山頂で贅沢(食事は質素)な昼食タイムをとり、お腹いっぱい食べた。 花之江河へ向かうとすぐにくりお岳。 祠に入り、最後の塩を奉納して三岳巡りが完結した。 一年越しの念願が叶い、感無量だったなぁ。 近くに携帯トイレブースがあったのでそこでトイレ休憩。 ブースの外に座ってロボット巨人兵を見つめていると、背後の頭上をさるぼぼさんが手を振りながら通過して行った。 冬の屋久島山間部は、数えるくらいしか人が居ない。会う人はみんな顔見知りになってゆく(笑)。 次の目的地、投げ石平まで氷の世界を堪能しながら歩く。 水が豊富な屋久島は、冬になると氷の世界となる。 投げ石平に着くと、やりたい事があった。 結露でびしょ濡れのテントを干すという事。 靴脱いで、ゆっくりコーヒー沸かしながらインナーもフライもグラウンドシートも全部干した。 雲1つ無いドぴーかん☀。 のんびりコーヒーを飲んでまたパッキングをし直した。 途中の分岐で黒味を華麗にスルーして花之江河へ。正直あんまり時間が無いのだ。 と、そこに男性が追い付いてきた(すでに顔見知りw)。初日にトロッコ道付近で抜きつ抜かれつした人だ。 しばらくお話しながら歩いた。 転勤で屋久島に来られているその男性は「まだ行った事の無い最後のルート。栗生歩道を下山する」そうだ。それで屋久島はコンプリらしい。 栗生も湯泊同様ヤバそうなのでお気をつけて! と言ったものの、「尾之間歩道も、お気をつけて。数日前に尾之間歩道行った人の話だと鯛之川出合で膝まで増水していたみたいですよ。雨降ったら腰や胸まで増水するので本当に気を付けて。」と逆に言われた。 今から栗生歩道だとまだまだ長い道程なので、時間が勿体無いだろうと先を譲って行ってもらった。 また二人で歩いた。 花之江河も貸し切りでしばらく散策してみる。 去年行った湯泊歩道の入り口がある。あの苦労した歩道はここから始まったんだなぁ。 先程の男性が入ったであろう栗生歩道の入り口もある。 色々な思いが込み上げてきて少し胸が熱くなる。 あまり時間も無いので先を急いだ。 淀川小屋までほぼノンストップで下った。 昨日と同じく夕暮れの屋久島トレイル。凄く暖かくてロンT1枚でいいくらいだ。 綺麗な川と橋が出てきたら、すぐに淀川小屋。 変わらず貸し切りのテントブースに幕営する。 小屋の中にはさるぼぼさん他4~5名の方が居た。はいびすかすから顔見知りの男性も居た(笑)。 夜はまたご飯2合炊いて、半分は混ぜご飯にしてオニギリ。 白飯半分は二人で食べた。 昨日よりも数倍綺麗な星空を眺めながら歯を磨いて就寝した。 本日の歩行距離 14.1km 1月2日 【共に笑顔でありますように。】 朝目が覚めると雨だった。 去年も3日目は朝から雨だった。 雨の中撤収して、今日はゆっくりめのスタート。 淀川登山口まで一時間もかからない。そこまでに歩きながら今後を話し合った。 意見をぶつけ合いながら。本音で話した。 そう全ては鯛之川出合。 「雨だと腰まで増水する」との情報を聞いているので、そこが話の軸となった。 megっぺは俺が尾之間歩道で下山したがっているのを知っている。 megっぺ「ソロだったらどうしてる?」 わりと小雨だし俺だったら尾之間歩道を行く。行って膝まで程度なら渡る。 ダメでも、『このくらいの雨だったらこのくらいの増水』ってのを自分の目で見ておきたい。今後の為にも。そして引き返してヤクスギランドにエスケープする。 それか腰でも渡る。 どっちみち尾之間歩道に行く。 megっぺ「正直、わたしは尾之間歩道で下山して増水して引き返すとなったら、絶対気持ちが折れると思う。多分帰りの登りもめっちゃ遅くなると思う」 淀川登山口から鯛之川出合まで往復4時間以上かかるので当然の話だと思った。二時間下山してダメで引き返したら誰でも気持ちが折れるわな。 二人で3つの案を出した。 俺案①『予定通り尾之間歩道で下山。鯛之川出合が膝までの増水で渡れるならばそのまま尾之間集落まで下山。ダメだったら引き返してヤクスギランドへ。その頃にはもう夕方なのでバスが無い。歩いて下るには距離が長すぎるからタクシーを呼んで安房へ降りる。』 俺案②『淀川登山口からヤクスギランドまで歩いて安房林道をひたすら歩いて下山する』 meg案③『先輩は尾之間歩道で下山。わたしは安房林道で下山。安房集落から尾之間集落までバスかタクシーで合流する』 megアンサー「①はゼロtoゼロにならないので、後日絶対後悔すると思う。でも②だと先輩の記録が縦断にならないのが申し訳ない。尾之間歩道と縦断をずっと楽しみにしてたし。」 俺アンサー「③は反対。ここはしまなみ海道とは違う。こんな山ん中で別行動とか絶対せん。電波も入らんのに。そこまでして縦断にはこだわらん。」 半分ケンカ混じりで意見をぶつけた。 megっぺ泣きそう。 megっぺ「②でも怒らん?」 おし②な。安房林道徒歩で下りよう。タクシーもバスも使わんやったらゼロtoゼロになるやろ。 別にエスケープルートで下山したところで誰に恥じる事も無い。かなり勇気のいる判断やから。 そんかわり相当長いぞ。尾之間歩道の倍はあるぞ。丸1日かかるしヘタしたら夜下山やぞ。 megっぺ「頑張って歩くけん(。´Д⊂)」 淀川登山口からヤクスギランドを目指す。 2時間も立たずにヤクスギランド。 たくさん観光客が居るなか、売店でコーラとアクエリと水を購入してベンチに座り昼食。 ここから長い長い車道歩きなのでオニギリとラーメン、お腹いっぱいしっかり食べた。 電波が入ったので去年調べていた安房のキャンプ場へ電話して、今夜の予約をする。遅くなるかもとも伝えた。 あとお風呂も調べた。 宿と風呂を決めたので安心してスタート。あとは歩くだけ。 車道歩きはつまんないかな?とか思ったけど、なかなかどうして? 凄く楽しかった(前半はね)。紀元杉やら百名水やら堪能して歩く。他にも色々な名のある杉があった。 たくさんの橋を渡るが、川がいちいち綺麗で見惚れる。 屋久島入ってから、音楽をずっと流しながら歩いていた。時と場所はわきまえてね。 なんの話をしたのか思い出せないが、ずっと喋りながらコースタイム5時間という長丁場を歩いた。 すっかり雨は止んで気温も上がってくる。距離が進むごとに、傘を仕舞い。カッパを脱ぎ。ゲイターも外し。フリースも脱ぎ…と徐々に身軽になってきた。 後半に突入するとmegっぺは足の痛みを。俺は肩の痛みを堪えて歩いた。 滅茶苦茶キツい。 ふと。 遠くに海が見えた。小さくだけれど街も見えた。 めっちゃテンション上がる。 早足とはいかないが、またテクテクと歩き出した。 どれくらい歩いただろうか?だいぶ高度が下がった頃、カーブを曲がると眼下に大きく海と安房の街が見えた。 同時にBluetoothからサイプレス上野とロベルト吉野&special othersの「door」という曲がタイムリーに流れて、号泣してしまう。 ゴールが見えた時にこの曲はやべー。神のいたずらかよ。 megっぺには「あいつサ上で泣いてたよ」とか誰にも言わんようにキツく口止めした。 あと少し。あと少し。と下る。段々文明の気配がしてきた頃。 Bluetoothスピーカーの曲が止まる。バッテリー切れか? スマホをいじくると…。 屋久島入ってから流していた音楽フォルダー。400曲、全て流れて最後の一曲が今終わったのだという事に気付いた。 また最初から流しススミダス→。 人里に降りるともう夕暮れ。振り向くと名前もわからない山がガスに巻かれている。 無人販売のポンカンを100円で購入して食べながら歩いた。 死ぬ程美味しかった。6個入りの4個を二人で秒殺した。甘くて甘くて涙が出た。 安房の街に出ると、もうそこは知っている道だ。 安房川の橋を渡って番屋峰キャンプ場に向かう。途中のAコープで明日の朝食やお菓子、お土産を二人とも袋いっぱいに買い込み、手に下げて歩いた。 番屋峰キャンプ場に着くと、エアライズがひと張りだけで誰も居なかった。目の前は海。 一人800円の料金を支払いテントサイトへ。幕営よりも先に砂浜へ飛び降りた。 波打ち際まで行ってゼロtoゼロの儀式をすると同時に今回の旅が終わり、俺はヤマップの停止ボタンを押した。 さっさと幕営して荷物を全部押込み、着替えとお風呂セットだけ持ってテントサイトをあとにした。 ヤクスギランドで調べた時に「グリーンホテル」が23時まで立ち寄り湯を開放してくれているのが分かったので、先にご飯を食べに行こうという話になった。 最後の夜も自炊する計画だったけれどもAコープ手前で見かけた焼肉屋の暖簾に二人とも完全にヤラレてしまって、自炊するとか消し飛んだ。 車道を歩いて『れんが屋』という焼肉屋へ。 ヤクシカも食べさせてくれて初めて鹿肉を食べた。甘味が強くて美味しかった。 食べたい物全部、飲みたい物全部を胃袋に入れると21時。最後の夜くらい夜更かしするやろ。 歩いてグリーンホテルに向かった。 フロントで感じの良いお姉さんから説明を受ける。 ハンドタオル、バスタオルの貸し出し込みで600円。激安!。 3日3晩風呂にも入らず焼き肉を貪り食らい、完全に獣の異臭を放っている身体を隅々まで洗って、貸し切りの湯船に浸かった。 最高の瞬間だったw。 お風呂から上がってキャンプ場までまた歩いた。 満天の星空。流れ星がビュンビュン流れている。その時は屋久島すげー!って思ったが、あとからなんとか流星群が来ていたのだと知った。 本日の歩行距離 27.3km+α 1月3日 【おまけ】 目が覚めると日の出30分前だった。 昨晩買った食材でお雑煮らしきものを作って食べながら日の出を迎えた。 まぁ雲が多くて、たいしたあれじゃなかったけどオーシャンビューのテント場で、滅多にできない朝食だなと噛み締めて食べた。 8時に撤収してまた土産で重くなったザックを背負うとお土産物屋を転々と見ながらグリーンホテルまで歩く。グリーンホテルでもお土産を物色。 どんどん荷物が増える(笑) グリーンホテルに9時半で予約したタクシーが入ってきたので買い物をやめて宮之浦港まで行ってもらった。 20分程で宮之浦に入ると、初日に歩いたロードが見えていた。ちょうど楠川歩道辺りから宮之浦港までの間、タクシーの中からずっとずっと外を見ていた。 港に着くとすぐトッピーの手続きをし荷物を置きっぱにして、また付近のお土産物屋に走る!。 無事megっぺの意中のブツを見つける事ができて、心残り無く島を離れられるようになった。 小走りに港に戻るとトッピーへの乗り込みを開始していた。 相変わらず入り口付近は別れを惜しむ人達でごった返している。 おばあちゃんが、孫の手の平を両手で握りしめて「頑張りなさいよ!一生懸命頑張れば大概の事は自分でできるから!」と言っていたのが我々の右耳に刺さり、また涙が出てきた。 ありがとう。でも俺らは知ってるよ。この島で身をもって知った。 トッピーが離岸して進みだすと、今年も堤防の人達が手を振ってくれたので、こちらからも手を振り返しながら鹿児島に向かって走り始めた。 トッピーのテーブルにお土産を広げて、今回の旅を1つ1つ思い出して話していた。 全体的にキツい行程を文句言わずついてきてくれてmegっぺには本当に感謝です。 鯛之川出合は結局どうだったのだろうか? あのまま尾之間歩道で下山したらどうなっていたのだろうか? 神のみぞ知る…だが、今となってはどうでも良い事だ。 少しエンディングが変わっただけで、旅は何も遜色することなく想い出となった。
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