稲子湯～本沢温泉泊からの夏沢峠……硫黄岳手前まで。

1月14日15日の土日。今期最大の寒波が、日本に大雪をもたらしてくれた事は、山好きなら嬉しいはずなんだけど、この次の日に八ヶ岳に行っちゃったもんだから、さあ大変(；´Д`A 仙台を夜中の2時に出発して、福島通過の際に大雪に見舞われ、ワイパーやフロントガラスが凍りつき、運転でも大変な思いをする。 ６時間のロングドライブの末、稲子湯手前の駐車場に車を入れたら、ぐずぐずの雪に軽くスタックしながらもなんとか駐車完了→睡魔が襲ってきて、そのまま1時間ちょっと眠ってしまい、スタートしたのが9時頃でした。 このルートは、みなさんほとんど、つぼ脚(もしくはアイゼン)で歩かれていますが、いやさすがにこの雪だったらスノーシューでしょと、車を降りてすぐにスノーシューを履いて歩き出します。 途中でしらびそ小屋泊の方々とすれ違いました。硫黄岳まで登る予定だったようですが、しらびそ小屋から先の本沢温泉までもトレースがなく、もう戻ってきたとのこと。 うわーまじかー。 こりゃ夏沢峠までラッセルだなと思いましたが、まぁいけるところまで行こうと。なんせ初めての八ヶ岳だし、絶対に本沢温泉の雲上の湯に入りたかったし。 モフモフ歩いて経由地のしらびそ小屋へ。ここのチーズケーキ＋コーヒーセットは700円でしたが、チーズケーキが濃厚でとても美味しかったです。 挽きたてのコーヒーの香り、雪に包まれた山小屋特有の冬のかほり、穏やかな雰囲気をまとう小屋のおにいさんと話が弾んでしまい、居心地がよすぎてなかなか出発できませんでしたが、名残惜しくも本沢温泉に向かいます。小屋のおにいさんも、「土日は大雪だったから夏沢峠までは誰も通っていないかもー。ひとりじゃ行けないかもよ」と話していました。そしてお土産にお菓子をくださいました。ありがとうございます🍴(•ㅂ•)ŧ‹"ŧ‹" ･･････うん。確かに。みどり池から先もトレースありませんでしたが、要所でロープがあるし、迷うことはありませんでした。13時には今日のお宿の本沢温泉に到着～。しかしこっちは小屋が寒い(°д°)寒すぎる。日曜は最低気温がマイナス20度だったそうで、今日はまぁいい方かなと言われました。インナーグローブを外すと、指に痛みが走り、すぐに真っ赤になります。山の本がたくさん置いてある談話室で薪ストーブに火を入れてもらっている間、わたしはさっそく雲上の湯へ向かいました。 雲上の湯までも、沢のトラバースは腰ラッセル。「やった！これは貸しきりで入れる！」と、もっこもこの雪の中を進みます。吹き付ける風と寒さに負けず、一気に脱いで温泉へドボン。さっそく持ってきたほろよいをグビーっとやって、ぷはぁー幸せ( ･ω･c)ﾓﾋﾓﾋ ずっと入ってみたかった本沢温泉の雲上の湯。念願叶って、大雪の日に入ることができました。こんな人気の温泉、夏に来たら貸切はありえないし、人も多いし、虫に刺されるし、そう考えたら冬がいいですね(๑•̀ㅂ•́)و✧ 1時間くらい入ると、冷えた身体も温泉とお酒と相まってほっかほか～♪さてどうやって上がろうかと思考し、まずは温泉につかりながら上から徐々に着ていくことに。風も強かったですが、大丈夫。上手く着替えられたので、身体は冷えませんでした。(ウェア類脱ぎっぱなしにしていたら、湯気で凍って、風でバラクラバが沢に飛ばされてしまいました･･････) 今夜、本沢温泉は貸切かなーと思いましたが、関東から来た山岳会の10名の団体さんたちがチェックイン。夕食ではワインとチーズをご馳走になり、寝る前までずーっと山の話をしていました。(わたし東北以外の山はほとんど知らないので、あまりお話がわからずごめんなさい。)「ちょっとおねぇさん！話聞いて～」とあっちでもこっちでも話をされて酒を勧められるので、なかなか寝かせてもらえず･･････(涙)もう眠すぎていつ布団に入ったのか覚えていませんでしたが、朝は暑くて眼が醒めました。山岳会のおねえさんたちは、寒くて眠れなかった～と話していましたが、極度の寒がりのわたしはシェラフを持ってきてコタツに突っ込んでぬくぬくにしておいたので、ちょっと汗かいてました。凍らせちゃいけない水とかスマホもしっかりシュラフの中に入っていたので一安心(۶•ω•)۶そして、起きて即効朝ごはんのスキヤキを作りに談話室へ。朝食まで暖かいものを飲んでいた山岳会の方に、「早く出発するんだったらラッセルお願いね～」と皆さんに言われる。 ･･････マジかよ。まぁいいや。がんばる( •̀_•́)ง♡ さぁ出発しようとすると、あれ。わたしの行動食がない･･････。寝床を見ても談話室を見ても何処を見てもない。おかしいなぁ。あんな大きい袋に入ってる大量の食料、なくなるはずないし。談話室においていたはずなんだけど。小屋のおにいさんに聞いたら「もしかしたらテンが持ってったのかもー。夜中、がさごそしてたよ」と、テンの住処と思わしき床下を覗かせてもらう･･････。 そこには大量のパンのゴミや何やがたくさん･･････(°д°) ぅわわわわ、マジかよー。 わたしの行動食全部持っていかれたよ！！ うわーアイツ許せん。(置きっぱなしにしていたわたしが悪いんですけどね。) 次に見つけたら襟巻き決定！！ しかしどうしようと思っていたところ･･････。 おじさん「ラッセル･･････お願いね。あのね、ぼくたち、ワカン、三人だけなの。あとはみんなアイゼン。」 わたし「マジですか。この雪でアイゼンは無理ですよ。」 おじさん「うん。つぼ足軍団は後ろ。ワカンは前。おねぇさんスノーシューでしょ。最強だね。」 山岳会の方々がパンとかスニッカーズをくださる。 わたし「･･････し、仕事行って来ますー」 と言うわけで夏沢峠まで、夏道CT1時間のところ、2時間ちょいもかかってラッセルしてきました。 もう、ちょー雪深いの。本沢から夏沢ルート上部1/2は腰まで埋まるし、なかなか足が上がらないし･･････。わたしの20分後に出発してきた方々は、すでに3/4上がった、小屋までもうすぐのところで追いついてくる。しかも「楽だねー」と笑顔でスタコラ登ってくる。「ラッセル交代しようー。」と、此処で交代。二番手で歩くのはちょー楽。疲れない！ご飯食べながら後ろを歩いていたら、20mも進んだところで「こりゃーすごい雪だな！よく上がって来たなー。夏沢まで行けるか！？」とのこと。「いや～もう15分くらいだから行っちゃいましょう。」とラッセル交代。黙々と雪を掘り堀りして、ようやくみんなで夏沢到着～！！みなさんと握手をして、ここで写真を撮ってお別れしました。 あわわわわ。つつつ、疲れた。 もう9時半になっちゃった。いけるところまで行っちゃおうと、夏沢～硫黄岳の見える稜線まで上がりました。硫黄岳を歩いている人が綺麗に見える。時々覗く青空。これが八ヶ岳ブルーかー。なんだか温泉とラッセルで満足して、テンに悔しい想いをさせられたわたしは胸がいっぱいでもう此処でいいやと引き返しました。また来るよー八ヶ岳。次は二月かもね。 今回テンに持っていかれたもの↓ 手作りサンドイッチ５個。チョコパイ５個。とらやの高級ヨーカン４個。マカデミアナッツのクッキー5つ。ラミーのラムレーズン板チョコ。山小屋のおにーさんにもらったおかし。山岳会のおにーさんにもらった沖縄のむらさき芋のタルト3つ。 あぁー……とらやのヨーカン……笑