父と鍋割山

今年で70歳。 私の父親の話です。 仕事を辞め運動不足の父を外に連れ出すのが今回の目的だ。 数年前から登山ブームと言われているが、父の世代にも登山ブームがあった。 私の父もそのブームに乗った一人だった。 今のブームに乗っている私。 親子とはそう言うものかもしれない。 登山道具を貸してあげたので、なかなかサマになっている。 最初は緩やかな道が続き、快調に進む。 本格的な登山道に入ると、父のペースは落ち始めた。 肉体労働を数年前までやっていたとはいえ、かなりキツそうだ。 荷物を持ってあげたり、ペースを合わせたり。 昔は力強く頼りになった父。 兄と一緒に後ろを追いかけた子供時代。 いつから、逆転してしまったのだろうか？ 下りでは足が動かずふらつく父。 人間、老いていくのは仕方ないがなにか寂しさを感じる。 父もいつまで動けるか分からない。 同じ趣味があるのは良いことだと思う。 父が残りの人生を楽しく過ごす手助けが出来るからだ。 自分にも子供ができて家族の大事さがわかった。 両親との時間も大切にしないといけない。