活動データ
タイム
09:20
距離
6.5km
のぼり
1214m
くだり
923m
活動詳細
すべて見る以前北岳にご一緒したまっつんさんの何気ない一言。 「表妙義行きますか?笑」(「笑」がついていることからして半分冗談の可能性大アリ) む…行きたい。でも怖い。でも行ってみたい。怖い。行ってみたい。いいやもう、行く! そんなわけで、表妙義にチャレンジしてきました。 とはいえ大変小心者、良く言えば慎重な自分は、前日まで激しく緊張しておりました。ネットの記事を読み漁り、Youtubeの動画を見まくって、常に最悪な状況を想像しまくっていました。 それが幸いしたのか、行ってみたら思ったよりはましだった印象です。しかしそれは、それまで本当にひどい想像をしていたからです。こういうときは、物事を悪く悪く考えておくのも有効である。と思います。 まっつんさんという経験者が同行してくれたのも大きかったです。ソロだったら絶対行ってません。経験者が一緒だとそれだけで大きな精神的支えになるし、話すことで気も紛れます。本当にありがたかったです。 片方の車を中之獄神社の駐車場に置いて、道の駅みょうぎ前の登山者駐車場からスタート。こうすると帰りのだるい車道歩きをカットできるのでとってもラクです。 中間道は第二見晴あたりで崩落があり、そのあたりが通行止めになっているため今は通して歩くことができないので注意です。 妙義神社にお参りして入念に心の準備をし、まずは大の字に向かいます。いきなり鎖が始まるのかと思いきや、結構長い樹林帯歩き。しかも前日の雨でぬかるんでます。このぬかるみ&濡れには最後まで苦しめられました。 簡単な鎖をいくつかクリアして、大の字直下でようやく歯ごたえのある鎖が登場。あとあと考えると短いし大したことないんですが、最初なのでちょっと緊張します。これが厳しかったら引き返したほうがいいと山と高原地図には書いてありました。 大の字で眺望を満喫したら、いよいよ上級者コースへ。いきなり難所のひとつ、奥の院4連30m鎖の登場です。なお、奥の院そのものはすっかりスッポ抜けて寄るのを忘れました。次回金洞山に登るとき、立ち寄るかな(実は面倒くさい) そこそこ斜度があって長い鎖は剱岳カニのタテバイに似ています。ただ、岩が丸っこいうえに濡れて滑るのがカニのタテバイより怖い…(ここは樹林帯の中なので、岩が濡れていることが多いみたいです)。ですが、ホールドやステップがなくはないので、落ち着いて慎重に登ります。最初の一歩が一番緊張しました。 登りきったあと短いトラバースがあるのですが、過去にそこで滑落事故があったようなので気を抜かないように気をつけます。 右側が切れ落ちた濡れた岩などを通過すると見晴。眺めはいいけど下を見るとクラっときそう。 そのあと細い岩の間を通るんですが、ここ、「ある意味」一番怖かったところ。足元はフラットなうえにぬかるんでツルッツル。両サイドの岩に頭の上まで挟まれ、ホールドは握りにくいし足は滑って進まないし、万が一ここでコケようものなら、ゴキブリホイホイよろしく挟まったまま動けなくなる可能性大…。ヒー、想像しただけで(ある意味)こわい! コントみたいにツルツルしまくってた私の背中を文字通り支えてくれたまっつんさん、本当にありがとうございました。 3連の鎖が張られたビビリ岩は、まず1つ目の鎖を越えて反対側にまわり、岩壁に斜めに張られた鎖を2段登ります。そこまで斜度もなく、岩も乾いているので恐怖は感じませんでしたが、写真を撮ろうと振り返ったら凄い高度感。通過中に振り返らなくてよかった。 玉石と名前のついた岩で胎内くぐりごっこをしてなごんだら、岩尾根を辿ると背ビレ岩。両サイド切れ落ちた激ヤセ尾根で、特に左側は木もなく高度感が半端ない。左側を見ないようにしてドキドキしながら慎重に通ります。 石碑が2つある大のぞきからは、目の前にそそり立つ天狗岩の絶壁が威圧してきます。が、この絶壁を登るわけでないと聞いてひと安心。しかしそこに行くためには、キレットを大きく降りなければいけません。ここが奥の院に次ぐ難所、滑り台状3連50m鎖の下降です。 10m、10m、30mと続く鎖は、下に行くほどスタンスがなくなっていきます。腕を頼りに降りると速攻で腕力が尽きてしまいそうなので、靴のフリクションを最大限効かせるようにして、僅かなスタンスを探りつつゆっくりと降りていきます。このときほど自分の靴に感謝したことはありません。6万も払った甲斐があったよスポルティバ。 幸い危ないと感じることはありませんでしたが、長時間、かなりの集中力を要したので、降りたときは精神的にヘロヘロに。リセットするため休憩して、先に進みます。 眺望のない天狗岩のてっぺんは通過して、樹林帯をしばらく歩くとタルワキ沢のコル。更に樹林帯を歩けば最高峰の相馬岳山頂です。 山頂は混んでいたので少し降りておにぎりを食べ、バラ尾根へ。ホッキリまでコースタイム1時間30分ほどのこのバラ尾根、本日歩いた中で一番嫌らしい箇所です。 ザレて落石が多発しそうなもろい急斜面が続き、普通の山なら鎖がついていそうなところもほとんど鎖なし。おまけに濡れて一部は川にまでなっている始末。常にどこかの面は絶壁で、樹林帯のくせに気も抜けません。 特に一箇所、鎖もなく斜度のある急斜面を攀じ登るところはかなり苦労しました。 バラ尾根で消耗しすぎ、ホッキリに着いた時点でかなり疲労が溜まっていました。体力よりも、常に気が抜けないための精神的な疲労が大きかったです。 当初は一応全山縦走予定で、鷹戻しが厳しそうなら引き返すつもりだったのですが、時間も微妙だし、今日はここまでにしようということでそのまま中間道へ下山。下り20分の短いエスケープルートとはいえ、鎖のない下降が続いたりと決して易しくはありません。 中間道を辿り、天狗の評定に立ち寄り。このとき自分は既にスイッチが切れてしまい、笑顔で天狗の評定や胎内くぐりを巡るまっつんさんのカメラマンに徹しました。というかここ、今日歩いた中で一番怖いんですけど!周りが全部落ちていて、空中の島みたいになっている場所が苦手みたいです。丁須の頭の上にワープしようものならショック死するかも。 あとは中間道を降りるだけなのでのんびり石門広場で休憩して、石門めぐりコースから駐車場へ。途中の鎖場、カニの横ばいでは剱岳カニのヨコバイごっこをしたり。完全に気が抜けてただのアホと化してます。ただしこのあたりの鎖場、初心者向けとされていますが初心者にはちょっと怖い気もするので、行く際は要注意です。 道の駅に戻り、ソフトクリームで乾杯して地元群馬県民まっつんさんが調べてくれた温泉、砦の湯へ。露天風呂が修理中だったのは残念ですが、誰もいなくて貸し切りで、のんびりできました。しかし群馬のこういう山深い景色、いいなあ。好きです。 翌日、自分たちと抜いたり抜かれたりとほぼ同じペースで歩いていた3人パーティの1人が滑落していたと知りました。自分たちが行くのを断念した金洞山のほうへ登り、10mほど落ちて意識不明の重体だそうです。中之獄神社登山口から約350mの地点らしいので、鷹戻しやルンゼなどの有名な危険箇所ではなく、かなり終わりに近い場所で起きたようです。 見ていて少し危ないかんじがしていたのに、何もできなかった無念さと、もしかしたら自分も同じことになっていたかもしれないと思うと心底ゾッとします。 あのとき途中で降りたことを、本当は少し悔しく思っていましたが、その判断ができて良かったと今は思います。幸い妙義山はエスケープルートが豊富で、途中で降りても続きをまた登ることが可能です。体力や技術や時間に不安があれば、潔く諦める。パーティだったら無理とか疲れたと素直に告げる。簡単なようで案外難しかったりしますが、大切なことだと思いました。
活動の装備
- その他(Other)climbing technology galaxy
- ブラックダイヤモンド(Black Diamond)メンズ クラッググローブフルフィンガー
- ファイントラック(finetrack)スキンメッシュノースリーブ ウィメンズ
- スポルティバ(LA SPORTIVA)トランゴアルプエボGTX
- バーグハウス(berghaus)ヴェイパー ロングスリーブ ジップ ベースレイヤー
- その他(Other)SWANS Dee-I GW-3701 BK-BR
- ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)テルス25
メンバー
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