活動データ
タイム
10:03
距離
27.0km
のぼり
1163m
くだり
1163m
チェックポイント
活動詳細
すべて見る今日は別格3番慈眼寺のみの参拝で、鶴風亭に連泊するため、必要なものだけを持って出発です。お昼ごはんは鶴風亭の奥様が持たせてくれたおにぎりとバナナです。 深夜に降った雨の名残が残る曇り空。時おりポツリポツリと雨粒が。でも8時頃には晴れてきて、いやー、暑い、暑い。 旧国道を通り2時間弱で『やすらぎの里さかもと』に到着。さかもとさんは、元小学校の校舎を利用し、地元有志の方々が運営している宿泊施設。お遍路さんにもとっても親切なお宿です。私はトイレを借りて、慈眼寺までの遍路道の詳しい地図をもらいました。別格や番外となると、道中の道しるべが極端に少なくなり、へんろ道保存協会の地図も「ついで」くらいの簡単な扱いで道に迷いやすいので、さかもとさんの地図はとても助かりました。「お茶入れるから帰りも寄ってね〜」と見送られ。ここから歩きへんろ道を行きます。 山道を通ったり、林道や農道に合流したり変化のある道で、迷いやすいところには案内看板が必ず設置されています。他の別格と比べて、いや、88札所と比べても道しるべが多過ぎるくらい親切で、地図無しでも歩けるほど。これらも全部さかもとさんが設置したもの。 10:10、別格3番慈眼寺到着。鶴風亭を出発して3時間30分、へんろ道がどのくらい険しいのか心配で、足が疲れないようペースを落として歩いたので、思ったより時間がかかってしまいました。 慈眼寺は穴禅定という修行体験ができることで有名なお寺さん。狭いところが怖いのでどうするか迷いましたが、やらない後悔よりやった後悔、ということで折角なのでチャレンジ。この鍾乳洞本当に狭いので、境内に設置された試験場を潜り、そこを通れた人だけがトライできます。納経場でお寺の奥様?に「体系的に大丈夫!」と言われたので私は試験場潜りをしませんでした。アトラクションではなくあくまで修行ですから、白衣を借りて着ます。膝やお尻をついて進む箇所があるのでズポンも汚れます。200円で重ね履きズボンが売ってますが、何故か私は無料で頂いてしまいました。歩き遍路だからお接待してくれたのかな? 料金は1人参加で3000円、2人参加で一人当たり1500円、3人以上で一人1000円なので、他に参加する方がちょうどいれば一緒に入れてくれるので安く済みます。私は1人でした。ということで、納経場から穴禅定のお先達さんと一緒に本堂まで600m程の距離を歩いて登ります。毎回ここを何度も行き来するのは大変でしょう?と伺ったところ、私が来るまで今日は誰も来なかったから下に居たそうで、一度本堂まで上がったら一日中そこに居るそうです。 私は、貴重品は無料のロッカーに入れて、ザックと菅笠は事務所に預かってもらい、お参りセットだけを持って行ったので楽に登りましたが、結構な急坂で本堂へたどり着くだけでも大変なことです。足が悪いかたや高齢の方だと、穴禅定と坂道を往復する時間をトータルして2時間〜2時間半かかることもあるそうです。 本堂でお参りして、持ってきたお参りセットはカゴに入れて置いていきます。鍾乳洞の中には、先達さんに渡されたロウソク以外何も持たずに入ります。 「右手をここに」「頭を下げて」「お尻をついて」「肩から先に」「バンザイして」という先達さんの指示通りに進みます。ちょっとでも自己流で通り抜けようとしたら絶対に身体の何処かがつっかえて先へ進めません。閉所恐怖症を感じる暇も無いくらい、指示を遂行するのに忙しいです。これは1人で参加して良かった!参加者が多ければ多いほど、指示が後ろに伝わりません。 鍾乳洞の一番奥にはお大師さまの像が安置され、ここで般若心経を唱えます。お大師さまにお願い事ができますが、灯明料100円を帰りに納経場で支払います。穴と納経場は離れているし誰かがチェックしている訳ではないので、忘れたふりをして払わないで帰ることもできますが、そこは自分の良心に従いましょうね。 行って帰ってきて私は1時間でした。これが数人増えたら更に時間がかかることを考えると、私は3000円払う価値があったと思います。 境内でおにぎりとバナナで昼食です。このおにぎり本当に美味しかった!冷えても美味しいお米だと鶴風亭のご主人が話していた通りでした。何より塩加減が絶妙!後で奥様に伺ったところ、歩き遍路のために塩をたくさんつけて握っているそうです。歩き遍路は汗をかくから、いつも通りの普通の塩加減だと物足りないんですよね。良く分かっていらっしゃる! 穴禅定と休憩で2時間ほどを慈眼寺で過ごし、灌頂ヶ滝を見に行くことにしました。道ですれ違ったおじいちゃんにも、さかもとでも、納経場でも「雨が降らないから水が少なくて…」と言われた通り、本当に水が少ない!辛うじて降り注ぐ水も80mの落差の途中で風に吹かれ、霧と散り空中に消えてしまいます。展望台は飛沫を浴びるほど滝の間近にあるので、水量が多かったらどれほどの迫力だろうと想像すると少し残念でした。 滝からはさかもとさんの地図を見て歩きました。へんろ地図には載ってません。 途中オレンジ色の軽トラックを運転したおじさんに声をかけられました。「お接待にこれあげるわ」と杉の板に『慈眼寺』の名を彫り込んだ根付です。話してみると私が泊まっている鶴風亭のご主人とお友達だそうで、何かお接待したいとご主人と最近話していて思いついて作ったものだそうです。「お接待で人に渡すのはあんたが最初や」とのこと。貴重なお接待第1号を頂けて光栄です! さかもとさんのご厚意に甘え、帰路でもおトイレを借りてしまいました。暑い中歩いてきたので出して頂いた冷たいお茶で生き返りました。体験教室やトレッキングもできるので、お遍路以外でもいつかさかもとさんに泊まりたいな。 「早く帰ってきたらナマズ釣りに行こう」と鶴風亭のご主人に誘ってもらっていたのに、結局戻帰り着いたのは16:45。ご主人の吹く尺八の音色に迎えられての帰着です。私が根付を頂いたこと、もうすでにご主人に伝わっていました。そしてご主人の手元にも同じものが。先ほどの軽トラおじさんが「根付作ったよー」と午後に持ってきたそうです。そしてその20分後に私とばったり出会い、私がお接待第1号になったという訳。私と別れてすぐに「貰ってくれたよー」と軽トラおじさんがご主人に電話してきたという経緯で、なんとも偶然というか不思議に人は繋がってるものだなーと思いました。
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