須磨アルプス

2017.06.24(土) 日帰り

活動詳細

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やはり須磨アルプスを歩かずして帰京することはできない。夜勤明けに3時間の午睡のみとし、うつろうつろしながら長過ぎる時間をやり過ごし21時には就寝した。朝4時、快調に目覚め帰京の支度をし、ホテルに荷を預けて再び神戸へと向かう。 須磨駅で下車したホームには潮の香りがあった。乗り継ぐ山陽須磨駅は道路のすぐ向かいだった。 松林の向こうに海を見せる車窓はこれから山へ向かうようにはとても思えない。釣り人と共に須磨浦公園駅で下車すると、ホームのすぐ上にロープウェイ駅が見えた。ロープウェイにも乗り継げるとは驚きだった。 朝はちょうど六時半、海とラジオ体操第一の音声を前に年寄りが集まり海を見ながら体操をしていた。 公園内の舗装路を行き、時折覗く海を見ながら石段を登っていくと鉢伏山上の展望台とリフト乗り場に着く。湿気の多い朝もやの明石大橋が見えた。この日は曇り予報だったが、朝から薄日が挿し込み午前の天気は上々。 鉢伏山の山頂がどこだか分からぬまま旗振山に到着する。茶屋は朝から開店していた。ここからの風景もなかなか良かった。ハイキングコースの見慣れない木々をきょろきょろ見やりながら尾根上の道を行くと今度は鉄枴山に着く。鉄枴とは鉄の杖の意。鉄枴山の由来が気になるところである。 鉄枴山からやや下って、第二名神の上を行き舗装路へ出る。ベンチや東屋があり広場のようになっていた。鉄枴山から見えた建物は「おらが茶屋」だったらしい。屋上の展望台へ上がると無線機を持った男性と裸足でヨガのような運動をする男性がいた。風は心地良かったが狭い屋上、なんとなく居心地がよろしくないのですぐにそこを後にした。ここから狭い長い長い階段を下ることになった。眼下には白いサイコロのように見える白い建物団地が何棟も見えた。昭和を感じさせるノスタルジックな風景がよかった。その向こうには次に向かう栂尾山が構えていた。 平地まで階段を下りて団地を抜けるとスーパーマーケットがある。補給するものもなかったので先へと急いだ。「六甲全縦走路」の道標は住宅地にもある。住宅地は迷いやすいのでありがたいが、ここも縦走路・・なかなか思えなかった。 住宅地を抜け、陸橋を渡ると山の裾野にたどり着く。ここからまっすぐ上に伸びるえげつないほど長い階段には滅入った。この日の心拍数は最高潮に達したでろう。階段途中で一回だけ立ち止まり、登りきる頃には大汗をかいていた。ここからは山の右手に明石大橋が見えた。栂尾山にも展望台が立っており、休憩しながら景色を眺めるには良い場所だった。やや下り次の横尾山へ向かうころから、岩が露出してくるようになる。横尾山を過ぎるといよいよ道は白くなり、森を抜けて空が広がった。花崗岩がむき出した細い岩尾根は「馬の背」と呼ばれる。しばし上からの眺めに浸る。もっとよく見える場所はないかと欲をかいて道を外れ細い尾根のどんつきまで行き、再び馬の背を眺めていた。すぐそこには住宅地が広がっていた。 コースへ戻り、馬の背の上を歩いて行く。序盤の下りには金属製の階段が付けられておりが危険はなかった。 高校二年生のときに修学旅行で神戸にも足を伸ばした。三宮商店街を歩き、北野異人館をめぐり、ポートアイランドにも立ち寄った。その翌年の震災、それによりこの地形がどう変わったのか分からないが、現在も人気のハイキングコースであり続けていることに感謝した。”名勝 馬の背”の標柱の後ろに構えるその異風な山肌をひとしきり眺め、たくさん写真を撮った。 馬の背から東へ伸びる尾根末端までが須磨アルプスなのかどうか分からないが、高取山も地図の須磨アルプスエリア内に記載されている。まだ時間も十分にあったので、加藤文太郎に思いを馳せて高取山へ向かうこととした。 またも下って舗装路を行くこととなる。何人ものトレイルランナーが私を追い越していく。神戸山手線をくぐり、信号を渡り住宅地を行く。山中ゆるい九十九折を経て、荒熊神社で汗を拭う。平らな道を進み神戸の町並みがよくみえる場所から階段を上がると鳥居があり、更に奥の階段を登ると高取山山頂があった。石碑に囲まれた静かな場所だった。高取神社を経て西代駅へと下山する道中はゆるい舗装路とゆるい階段だった。茶屋も幾つかあり「中の茶屋 卓球道場」には驚いた。山中であのピンポンの音がするのだった。鶏数羽と猫に挨拶しながら下山し、駅までの坂道で携帯電話がないことに気づく。社用の携帯電話で写真撮影し、自分の携帯電話でGPSログを取っていた。icloudで携帯を探すとそこはやはり山中であった。三年も使用したオンボロになった携帯は来月機種変更または解約予定であり、もう戻って捜索する気は無かったが、念のため電話をかけてみる。誰も出なかったので念のため捜索モードにし、自動販売機でコーラを買い、少し気を落ちつけてから駅へと向かった。駅は地下にあり、下山して地下鉄に乗るのかと思うとこれもまた不思議な感じがした。 大阪を出る前に妻に報告すると「へらへらしてないで、出来ることをさっさとやってください」とご機嫌麗しくない雰囲気だったので、もう一度電話をかけてみるがRBTが続く。iphoneのデータ削除と回線停止をしてから新幹線に乗った。 新横浜を出たあたりで社用携帯電話に未登録の番号からの着信があった。私の携帯電話は運良くハイカーに拾われたらしい。「すごいとろこに落ちてましたよ(笑)」と言われ、そのすごいところと言われる場所に足を踏み入れてくれたその男性にとても感謝した。起死回生、大満足の大阪出張(登山)となった。 天満5:18 5:21大阪5:26 6:16須磨 山陽須磨6:24 6:26須磨浦公園6:30 6:58旗振山7:00 7:07鉄枴山7:08 7:19おらが茶屋展望台7:20 7:41栂尾山7:42 8:15名勝 馬の背8:16 9:23高取山9:24 10:00西代駅10:06 10:11新開地10:13 10:48阪急梅田 大阪10:57 10:59天満 土曜に帰宅し、家族で久々の夕食。息子の言葉が増えていることに驚く。あちこちにくっつけたご飯粒をとってやることがたまらなく幸せだった。 翌日曜からまたホテル暮らし。休みが無いがあと一週間で全部が終わる。 今月は出張登山で70km以上歩いた。最高記録だ。

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