活動データ
タイム
06:49
距離
7.3km
のぼり
299m
くだり
1664m
活動詳細
すべて見る■1日目:https://yamap.co.jp/activity/1080851 4時。風がテントを打っています。フライシートを開けて外を覗くと、明るくなり始めた空の下には雲海が広がり、東にはほのかに朝焼けの兆し。急いで朝食を摂り、支度をしながら待っていると…出ました!ご来光です。周囲に広がる稜線が、オレンジ色の朝日に染められてゆきます。 前回の穂高といい、2回連続でご来光を拝めるなんて、自分にとっては非常にレアな事態です。ありがたや。 しかし美しい朝焼けも束の間、あっという間にガスが上がってきて、テント場は一面ガスガスガス。風もどんどん強くなってきています。 昨日、出発する前の天気予報は、2日目の今日いっぱいまでは晴れの予報でした。しかし、昨日同じルートを予定していた別の登山者から聞いた話では、午後から崩れる予報に変わったとのこと。幸いテント場の自分のテント周辺だけauの電波が入ったので(なんというラッキー)調べてみると、確かに夕方雨マークが。 それでも大門沢小屋に着くまでもちそうならば行ってしまうつもりだったのですが、朝からこのガス&強風っぷりは…昨年の悲劇を思い出して、どうも躊躇してしまいます。 結局悩んだ末、お隣テント女子と親しい小屋の方に助言を求めることに。聞くなり一言。「今日は下山したほうがいい。断言する」このあたりの気候を知り尽くした小屋の方に断言されたら、もう従うに決まっています。縦走は断念して、広河原に下山することに決めました。 小屋の方に聞いたところによると、夏はどうしても午後から天候が悪化する傾向があり、特に間ノ岳周辺は雷の巣と言われていて、悪天候時は非常に危険だそうです。昨日の無風に近い好天(それでも雲が多かったけど)は今夏ではかなりの珍しさだったらしく、夏場は不安定なのは仕方ないとのこと。 今回は天候の悪化が早まっているらしく、今日農鳥まで縦走したら、間違いなくズブ濡れになると言われました。そうでなくてもガスガス真っ白じゃ、せっかくの3,000級の稜線に来た甲斐がありません。 「近いんだから、また来なよ」という小屋の方の言葉に励まされ、お隣ソロ女子とお別れして、北岳山荘を後にします。縦走はできなかったけど、こういう出会いがあったし、去年よりは全然いい天気で北岳に立てたし、それだけでも満足だ。そう思おう。 ガスに覆われた山頂はスルーして、巻道コースへ。ここはキタダケソウの群生地があることで有名です。もうキタダケソウは終わっていましたが、登山道を取り囲むように延々と続くお花畑は素晴らしい。 道はだんだん険しくなり、断崖に取り付けられた丸太の上を歩くようになります。丸太で整備されているので安心ですが、ここも北岳の中では高度感のある箇所で、ちょっと楽しい。 ゴーロ帯をルーファイミスしたりしながら下り、岩尾根を伝って八本歯のコルに到着。 ここまでで、考えていました。どうせ撤退するにしてもタダで下りたくない。プランその1は、白根御池小屋に寄ってソフトクリームを食べることでした。しかしこれは前回やっているし、御池からの急下りを降りるのがちょっと嫌。 そして何より…プランその2。この八本歯のコルから見える美味しそうな岩場!前回から気になってしょうがありませんでした。ボーコン沢ノ頭から、池山吊尾根に至るルートの初っ端にある、八本歯の頭の岩場です。 もう見れば見るほど登りたくてしょうがなくなってきたので、寄り道プランは八本歯に決定。八本歯のコルにザックをデポし空身で、行ければボーコン沢ノ頭まで行ってみることにしました。14:10のバスに乗りたかったので、9時までにボーコン沢ノ頭に着けなければ引き返すことに決め、レッツラゴー。 八本歯のコルからボーコン沢ノ頭のほうに一歩踏み出すと、途端に左右が切れ落ちた高度感のあるヤセ尾根になります。そのつもりじゃない人が間違えてこっちに踏み込むと危険そう。 ハシゴを登り、お助けロープがかけられた岩場を攀じ登ります。半ばバリエーションルートと化しているのか、岩が脆くてちょっと危険。その先もトラロープのかけられたトラバースなどを経れば、八本歯の頭です。岩が脆い以外は思ったより難易度は高くなく、あっという間に着いてしまいました。とはいえソッチ系の方以外は行かないほうが無難です。 それより驚いたのはその向こうの稜線。ボーコン沢ノ頭まで、なんとも美しいたおやかな稜線が広がっているではないですか。しかも当然、誰もいない。貸し切りです。ヤバイ…ガスガスの間ノ岳よりこっちに来れてラッキーかも。 しかしその先が問題でした。だだっ広い稜線は、歩く人が少ないせいかルートがハイマツに埋もれてかなりわかりづらい。さながらハイマツの迷路です。何度もルートミスをしては藪漕ぎ気味に戻り、なんとか途中まで進みましたが、時間的にも微妙になってきたので引き返すことに。 冬期ルートと言われる池山吊尾根もいつか歩いてみたいのですが…少なくとも最初は経験者と来たほうが無難そうです。 再び岩場を下って、八本歯のコルから左俣コースで二股へ。このあたりのザレた下りで、前回数え切れないほど滑った記憶があるのですが、今回も数え切れないほど滑りました。全く進化していない自分。ストックがあったので、尻もちはなんとか免れました。滑落するような場所ではないですが、下りは尻もち注意報です。 二股で休憩しながら、道中で花の名前を教えてもらったりいろいろ話したおばちゃんとお喋り。あまりにも植物に詳しいのと、歩き方がベテランの枠を越えているので聞いてみたら、案の定ガイドさんでした。今回はプライベートで北岳に来ていたそうです。しかもよくよく話すと、なんと7月に常念岳で仲良くなった白馬のガイドの女の子と知り合いでした!なんという偶然…。それにしても今師事してるガイドさんも山で知り合ったし、山でガイドさんと知り合う率が妙に高い気がする。 颯爽と先に歩いて行って、あっという間に見えなくなったガイドさんとお別れし、あとはゆるゆると大樺沢ルートを下るだけです。ちょうど時間帯も微妙だからか、登ってくる人もだいぶ減って快適。蒸し暑いので、ときどき沢に近寄ってクールダウンします。 バスの時間には余裕で広河原に到着。朝は人だらけでしたが、この時間帯は閑散としていて静か。暇なのでインフォメーションセンター2階で本を読みながら時間を潰します。 奈良田行きのバスは空いていて、来たときと違い余裕で座れました。肝っ玉母ちゃんみたいなバスレディが添乗しているのは初めて見た。 奈良田に着いたら、温泉へまっしぐら。これを果たせなかったら、長時間かけて奈良田に来た意味が皆無になってしまいます。お目当てはもちろん白根館!日帰り入浴16時までというので急いで行ったら、15時半までに変更になっていました。あと15分遅かったらヤバかった。セーフでした。 ずーーーっと気になってしょうがなかった白根館のお湯は、あり得ないぐらいトロットロ。ドロドロと言ったほうがいいかもしれない。トロトロ系はいくつか入ったことがありますが、こんなにドロドロしているお湯は初めてです。美肌効果を期待して、顔に源泉かけまくり。浴槽の底はヌルヌルなので、転倒して溺死しないよう注意が必要です。 七不思議の湯と呼ばれるここのお湯は、日によって濁ったり透明になったり青くなったりと、色が変わるそう。この日は透明でした。硫黄の匂いが漂うとてもいいお湯に大満足。これは片道2時間かけても、来る価値があるかも。 温泉から上がったあとも、タダで帰るのがもったいない気がして、長い吊橋を渡ってみたり(山梨県百名山難易度スペシャリストの山のひとつ、笹山へ通じる橋)、山道の途中で車を停めて山深い景色を楽しんだりしながら、のんびり帰宅しました。 縦走できなかったのは悔しくはありますが、去年より天気の良い北岳に登れたし、一眼レフも壊れず写真が撮れたし、いい出会いもあったし、八本歯の頭にも登れたし、温泉もよかったし、奈良田もいいかんじだし、そう考えるとなかなか満足な山行でありました。 何より、やっぱり自分は南アルプスが一番好きだということを実感できました。特に北岳。プロフィール欄に書いているように、一番好きな山は甲斐駒だったのですが、「登る」という点では、北岳が一番になってしまったようです。 岩場鎖場はありませんが、花と緑と岩稜帯のバランス、3,000m越えの稜線の圧巻の雄大さ、それになにより、登っている人や山小屋の人の雰囲気が凄く好きです。なんていうか、フレンドリーで気さくな雰囲気で、他の山と全然違く感じるんですよね。自分だけでしょうか。 できたら今年中にもう一度挑戦したいけど…うーん。迷い中です。
活動の装備
- プリムス(PRIMUS)イージークックNS・ソロセットM
- ソト(SOTO)マイクロレギュレーターストーブウインドマスター
- その他(Other)ソーラー式エコライトsolarpuffソーラーパフウォームライトPUFF-15WL
- サーマレスト(THERMAREST)プロライト
- モンベル(mont-bell)U.L.コンフォートシステムピロー
- モンベル(mont-bell)ダウンハガー800 Women's
- その他(Other)エアライズ1(AIRRAIZ1)1人用
- その他(Other)FineSlimPantsDGPH462PA64S
- ファイントラック(finetrack)スキンメッシュノースリーブ ウィメンズ
- マムート(MAMMUT)Illiniza Light Zip T-Shirt AF Women
- ホグロフス(HAGLOFS)LIMBER HOOD WOMEN
- ブラックダイヤモンド(Black Diamond)メンズ クラッググローブフルフィンガー
- ブラックダイヤモンド(Black Diamond)ディスタンスカーボンFLZ
- カリマー(karrimor)jaguar grace 55+10
- ファイントラック(finetrack)メリノスピンソックス5本指クルー
- スポルティバ(LA SPORTIVA)トラバースX4 MID GTX
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