幌尻岳 幌尻岳〜戸蔦別岳 (第2日目)

2015.07.04(土) 日帰り

チェックポイント

DAY 1
合計時間
11 時間 2
休憩時間
3 時間 17
距離
9.6 km
のぼり / くだり
1421 / 1424 m
3 49
2 23
2 55

活動詳細

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朝3時半に起きだし、簡単なシリアル系の朝食をとり登山準備を行う。 4時40分、1座目の幌尻岳へスタート。 樹林帯をひたすら登って行く、たまに樹木の間から見えてくる眼下には奥深い日高のびっしり詰まった木々の山々が見えているだけだ。 当然、幌尻岳はどこにあるのか勿体ぶっているのか姿を見せない。 そのうちに左手にとんがり帽子の美しい山が見えてきた。あれが幌尻岳かな?でも方角的には違うな。地図で確認するとやはりそれは戸蔦別岳である。青空を貫くような実にいい鋭さを感じさせてくれる形だ。 昨日バスで一緒だった9人ほどのパーティを追い越し、戸蔦別岳がよく見えるちょっとした場所で簡単な食事をとりエネルギー補給。 この辺りにくるといろいろな高山植物があちらこちらで咲き乱れている。花オンチの僕は写真をいっぱい撮って後で調べることしかできない。羊さんがいたらなぁ〜と思うが、そこで教えてもらっても右耳から左耳に抜けてしまい脳ミソにストックされないから同じだなんて勝手に納得してしまう。 そうこうしているうちに尾根に出た。 ああ、これが幌尻岳か、左手前方にしっかり根が生えたような裾がしっかりした山が見えた。地図を見て、幌尻岳と確信した。 尾根伝いにはこれまた数々の高山植物が今しか咲けないから綺麗に咲くよと言っているかのように花開いている。左手のカールには残雪が美しいキャンバスを描いている。 尾根伝いに来ると風が強くなり、ウィンドブレーカー代わりのカッパを着る。 不思議なもので、山頂が見えていると力が湧く。目標って大切だな。 最後の登りをすぎたら山頂だ。 8時35分、幌尻岳登頂! 午後から少し天候が崩れる予報の兆候か、雲が掛かったり吹き飛んだりと少し忙しい。 記念撮影をして、今回のハイライトのひとつであり北海道の1座目の幌尻岳登頂を喜ぶ。 すると突然、先ほどのパーティの中の女性心配が『100名山完登達成』と書いたフラッグを取り出し記念撮影した。そのことをパーティは誰一人知らなかったので、全員からいい意味での罵声を浴びせられ、祝福されていた。 ぼくは軽く食事をとり。さあ、どうしよう?戸蔦別岳を回って七ツ沼カールを見るべきか? 時間的には大丈夫だ。天候は微妙だ。戸蔦別からの急な下山ルートどうなのか。前日聞いた人は沢靴なしで大丈夫との情報であったが、最後の渡渉は登山靴で大丈夫か。とかを考えていると、先ほどの女性を含めたパーティの6名が戸蔦別岳のルートを進んで行った。残りの人は来たルートを下山した。 よし、行こう。足は戸蔦別岳に向かった。 天候はイマイチであるが、景色はしっかり見えるし、幌尻岳から離れるにつれ幌尻岳のしっかり裾野が広がったどっしりとした山容が先ほどの登りルートからは見られない姿が眼に入ってくる。 来て良かった。この方角からの幌尻岳はいい。時折、雨粒が流れてきたり、風が出てきたり、暖かくなったりとてんが変わる度に面倒だがカッパを着たり脱いだりした。北海道の山で低体温症で亡くなった例が沢山ある。ソロだから助けはないので慎重に。 七ツ沼カールが見えてきた。カールに点在する残雪と沼とお花畑と冬を 越えた白樺の木々が眼に焼付く。やっぱり、この縦走ルートは素晴らしい。 努力は報われる。 この頃、先ほどのパーティの方と抜きつ抜かれつシーソーを繰り返し、お互いに意識し始めていた。僕の後ろには誰ひとりいなかったので、少しばかり不安になったりしたので、必ずパーティが眼の中に入っているようにした。 彼らのリズムは一定であった。このリーダーも相当の人だなと感じていた。 戸蔦別岳までの最後の岩場の急登は今までと景色が違っていた。岩場をゆっくりゆっくり登った。 昨日と違って、会話が少なくちょっと孤独を感じていた。 12時丁度、戸蔦別岳、登頂。 衣類の着替えやこまめな休憩でちょっと時間を要したようだ。 山頂には先ほどのパーティが休みを取っていた。本日、やっと会話らしい会話をした。お互いの話しをして、隣県であることがわかりさらに親近感がでてきた。 僕の町の隣は餃子で有名なので、餃子の話しで盛り上がるが、僕は正直、自分の家の餃子が好きで餃子をいろいろ食べ歩いてはいない。 せいぜい、MaかMiだ。今や話題作りのために餃子の食べ歩きは必要不可欠な状況に立たされているのだ。 すっかり餃子で打ち解けあい、女性の方が『よかったら、一緒に行きましょう。』と言ってくれた。『是非ともお願いします』と答えた。 僕はどうも下りが苦手だ。でも、最後尾に付いていった。パーティの人が入る写真もできるだけ撮った。自然の中をひたすら歩く姿が好きだから写した。 幌尻山荘への分岐点に着いた。その分岐点には標識はない。なのでここは十分に気を付けなければならない場所だ。リーダーは熟知しており、皆んなにそのことをしっかり伝えていた。ガスっていたら簡単にルートをロストしてしまう恐ろしさを感じる。 いや、昨日この分岐点のことを聞いていたが、今だって一人だったら素通りしていたろう。ここからは『凄い急な下り』がずっと続く。 足場も良くなく、滑る。イヤな下りだ。ひとりでなくて助かった。もしひとりだったらこのルートでいいのか不安であったろう。 途中の休憩でこのリーダーは元山岳救助隊で今はツアーガイドであることが分かった。このパーティは山の仲間であり今回はガイドのツアーであった。 リーダーは我々とラベルが違うのだ。僕は無料でガイドしてもらっているわけだ。 パーティの先頭はリーダーで最後尾は奥さんだ。その後ろが僕なので、パーティの中には入っていない構図になる。一緒に行きましょうって声を掛けてくれたのも奥さんだ。僕にはガイド料の請求書はこない筈だと、ひたすら辛い下りを楽しくなることだけを考えて歩いた。 途中、ホールドがなく滑べりやすい一枚岩が現れた。リーダーはザックからカラビナとロープを出し木にロープを渡し、僕含めたパーティ➕イチは安全に降りた。昨年だか一昨年だかここで滑落して藪の中で遺体が見つかったそうだ。 あっ、僕もロープ使った。請求書?。いや、オマケ付きグリコにして!! そうこうして足が疲れはててきたころ、沢の音が聞こえてきた。いよいよ最後の渡渉だ。パーティもてっきり登山靴のままで渡渉すると思ったが、ザックから靴を取り出し、履き替えている。 え、え、昨日の人と話しが違う。やっぱり、しかりしたツアーガイドだ。 僕は皆んなが靴を履き替えている間にリーダーに渡渉のルートのイメージを聞いた。勿論、無料で。 滑るのは苔が付いている岩や石だ。大体は苔が付いているが、ないところもある。大体のルートイメージを描いた。かなり緊張しているのが分かる。 『じぁ、先に行きます』 水に入るのはある程度覚悟した。苔を見極めると、以外となんとかなる。 渡りきれた。後ろを見るとリーダーが丸のサインを両手で示してくれた。やった。 そこからは登山靴でも問題なく、赤テープに沿って歩いた。パーティに抜かれることはなかった。 最後の深い渡渉の場所でリーダーを待った。奥さん含めパーティの方が僕の靴がほとんど濡れていないことを褒めてくれた。 最後の渡渉。ここは登山靴を脱いだ。靴紐をしばり首に回し、裸足で腿まで浸かって渡り切った。 渡ったら幌尻山荘の横だった。 15時、裸足のまま山荘に到着。 先に着いてた。パーティの人達のブルーシートにお邪魔して、700円のビールで乾杯した。 餃子の話題でまた盛り上がった。 皆さん、ありがとう。 追伸 1人からのアドバイスで判断することなく、その山をよく知っている山小屋の主人であるとか何人からの情報を元に判断する大切さを感じた。

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