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山登り・アウトドアの新定番

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トムラウシ山

空上人さん YAMAP Meister Black

  • YAMAPマイスター:ブラック
  • 自己紹介:やっと自由の身になったので、やりたいことを色々とやってます。
    その中のひとつが山登り。若かった時にちーとばかりやってたのですが、四半世紀振りに再出発。
    道具をいちから少しずつ揃えてると、なんやかんやで仲間も増えてきて楽しい山旅が始まってます。
  • 活動エリア:
  • 性別:男性
  • 生まれ年:
  • 出身地:
  • 経験年数:10年未満
  • レベル:中級者
  • その他 その他

大雪山系・旭岳・トムラウシ

2015/07/11(土) 06:49

 更新

トムラウシ山

公開

活動情報

活動時期

2015/07/10(金) 03:39

2015/07/10(金) 15:38

アクセス:357人

軌跡・時間・距離

軌跡データをダウンロード
累積標高上り 1,536m / 累積標高下り 1,549m
活動時間11:59
活動距離16.94km
高低差1,172m

写真

動画

道具リスト

文章

トムラウシ、この言葉は何年か前に起こった夏山の遭難を思い出さざるを得ない。同時に低体温症という言葉が耳から離れることはなくなった。
一歩間違うと、悲劇をひこ起こしてしまうような山なんだ。
今回の山旅の中でも十分に注意しなければと思っていた山であると同時に魅力の感じる山であった。

十勝岳からトムラウシまで車で移動した。当初はこのあたりで何もしない休息日を取ってからトムラウシ山を登る計画であった。
十勝岳からの移動は予定より順調で、体調や天候からも明日に決行することにした。その代わり、下山してから東大雪荘に宿泊してゆっくり布団と食事と温泉で疲れをとることにした。

登山口である短縮登山口に行く前に東大雪荘に寄り、明日の宿泊予約を取った。個人部屋は無理であったが、大部屋は空いていたのでそこにした。
宿の方からカムイ天上で携帯が通じるので、そこから連絡して下さい。
と言われた。宿もソロ登山を心配していることと夕食が何時くらいになるかを知りたいからのようであった。

東大雪荘から短縮登山口まで車を動かした。心細くなるような舗装していない車の登山道といっていいような道路を約20分チョット走っただろうか。
開けた駐車場とトイレがある短縮登山口に着いた。
もう6時半くらいになっていた。車はさほどなく、駐車場に停められるか心配であったが、それは余計な心配であった。ありがたい。
夕食を取り、明日の天候を祈り寝入った。

目が覚めた時はまだお日様が上がる前で暗かったが、すぐに空が白けてきた。3時には朝食と支度を始めていた。今日は12時間は歩くことを覚悟していた。少しずつ、下から車が登ってきて、歩き始めている人がでてきた。
東大雪荘の方が『3時くらいから登る人もいるし、ツアーの人たちはは3時半ころ東大雪荘を出て、4時位から登りの始める』とのことだったので、3時半位にスタートしたいと考えていた。

3時43分、スタート。林の中を緩やかな登りの登山道を歩き始めた。
鬱蒼とした木々に囲まれ、ただあるいているだけで、どこに山があるのか全く感じることができない状態であった。ただ、登山道は歩きやすく、何の不安もなかった。
30分もかかることなく、正規コース分岐に到着。カムイ天上に向けて少しずつ登山道らしい山道を木や枝に頭をぶつけぬように注意しながら歩いた。
部分的には木道や丸木階段を整備してくれているところがあったりして、感謝しながら登っていった。

カムイ天上に到着。一応、携帯電波が届くか確認をした。softbankも大丈夫だ。ここで僕より前に出発していた夫婦が朝食のおにぎりをほおばっていた。軽く挨拶をした。僕も携行食で軽くエネルギーを補給した。長丁場になるので、決して無理をしたペースにせず、ゆっくり目のペースにしていた。

そこから少し緩やかな尾根っぽい道を進んだ。ある程度の登りが終わると、今度は降りになってきた。折角登ったのに勿体無い、そう思いながら結構急でぬかるんだジグザグのくだりをひたすら降っていった。帰りはここを登るのか、ここを登る体力を残しておかないと辛い思いをしそうだな。
そんなことを考えて歩いていたが、どうも今までと違って、腹に力が入らない。体幹で歩くことが出来ずに脚と腕の力に頼ってしまっている。
しっかり出るものが出ていないようで、トイレに行きたくなる。お腹が不調で要は力が入らない。騙し騙し歩いていくことにする。
短縮登山口のバイオトイレでしっかりしてきたつもりであったが、足りなかっのかな。そのことを考えないように考えないように歩いた。テレビコマーシャルでやってる『急な⚪️⚪️止め薬』を持ってきたので、それも飲む。
気休めくらいの効果みたいだ。どうしょうもないレベルではないので、まあ、歩いて忘れよう。そう決めた。

そうこうしていると、沢の音が耳に入るようになってきた。やっとコマドリ沢出会に着いた。前を歩いていた夫婦と会い、後ろから軽装の若者が追い越していった。少し休憩をとり終え、沢を渡り雪渓を歩き始めた。
例年にない雪渓の多さのようだ。暖かさで緩んだ雪渓はシャーベット状の歩き難い硬さであった。まだ足跡も少なく、キックを入れて滑り難くして一歩一歩登った。
やっと雪渓を越えると、ハエマツの間をジグザグにできた登山道をひたすら登った。
北海道の山は寒さと風雪で本州の山より明らかに高度に対する樹林の様相が異なる。今日は天気がいいけど、チョット天候が悪くなると遭難を引き起こすような気温になるんだろうな。僕は北海道で生まれて育ったけど、昔の寒さは忘れてしまったな。

これだけ登っても、まだトムラウシは姿を見せてくれない。どんな奥に潜んでいるのかな、チラッとだけでいいからやる気を出させてくれる為に顔を見せておくれ。怖い顔してるかな。なんて独り言で気を紛らす。
ハイマツから岩場に登山道は変わっていった。その岩場も次第に緩やかになり、前トム平に着いた。
ムムム、あの奥にそびえ立つのがトムラウシ山なのかな。いやその奥にあるのかもしれない。まあ歩こう、歩けばいつか着くはずだ。
ケルンを過ぎ、眼下にトムラウシ公園が広がった。やはり、あれはトムラウシ山だと確信した。ただ、2つのピークのどっちが山頂なのかわからなかった。

もう一度下りになった。降ったら、また登る必要が出てくる。トムラウシはこの登ったり下ったりが幾度となくでてきて、体力と同時に気力を損なっていく。
岩場を降った。庭園のような小さな水溜りや雪解け水や雪渓が気持ちを和ませてくれる。ここから今度は雪渓を登ることになる。
一歩一歩雪渓にキックを入れて滑らぬように登っていく。
相変わらず、腹の調子はイマイチで力がみなぎらない。今日はこんな日だ。
雪渓を過ぎると、南沼キャンプ指定地に着いた。

先ほどから、夫婦、ソロ、ソロ、僕の4人がある程度の塊になって登っていた。休憩も登る速度もほとんどかわらなかったので、いつの間にかそんな塊になっていた。立ち入った話はしなかった。というより、多分皆んなもトムラウシの頂上に何とか着きたいとの思いで一杯で他の話をする余裕はなかったようだ。特に僕は腹の調子のことで全く余裕はなかった。
その時、キャンプ指定地の外れに携帯用トイレを使うトイレの建屋が目に入った。
僕はその人たちに『ちょっとトイレに行ってから登ります』と一言かけてから、一目散にトイレに向かった。
ザックから携帯トイレを出し、ドアを開け、しばし人間の幸せを感じた。
大分よくはなったが、それでも完璧ではなかった。まあ何とかなるでしょう
しっかり二重に密閉し、山頂に集中することにした。

ここから最後の急登だ。これが過ぎたら憧れのトムラウシ山のテッペンだ。
下ってきた女性に『あと30分で山頂ですよ、ガンバって!』と言われ『ありがとう、がんばりま〜す』と返答して30分だけ頑張ることにした。
兎に角脚を動かしていると高度は高くなっていった。下を振り向くと明らかに先ほどいたところが小さく見えている。もう少し、もう少し、やがて人の声が聞こえてきた。

10時、トムラウシ山登頂。
下から見えた2つのピークは手前が山頂であった。奥のピークまで行く必要がなく、ホッとした。
天候も快晴で360°の大パノラマである。先ほどキャンプサイトで別れた人達も当然この絶景を堪能していた。大雪山、十勝岳、知床連山、斜里岳、雌阿寒岳、日高山脈方面には幌尻岳、利尻も見えてるはずと言っている人もいる。まあ兎に角、北海道のヘソから北海道のメインの山々がこれほどまで見られるとは、頑張った甲斐があった。ラッキーだった。

エネルギーをしっかり充填したいところだが、腹がイマイチなので負担をかけない程度に食事を摂った。本当は帰りのエネルギーを充分にとりたかったが、欲しくなったら小まめにとることにした。
もっともっと景色を目に焼き付けていたかったが、帰路は厳しいことになるはずなのと、もうそろそろツアーの団体が来るようなので15分くらいで山頂を後にすることにした。
一緒に登ってきた人達もチョット前に下山を開始していた。体幹に力が入らないので、転んで怪我をしないようにゆっくり下山した。

ツアーの団体がやはり登ってきた。元気のいい中高年の団体だ。女性が男性より元気がいい。強いな女性は。喋る元気があるもんな。少なくても今の僕は元気が不足している。そうそう、元気、元気、気持ち、気持ち。
来たルートを降っていく。やはり、降りは楽で早いが、トムラウシは登り降りがあるから、降りを一概に喜べない気持ちになる。
前トム平に近づくと、トムラウシ山頂の勇姿ともお別れになる。下山に集中しよう。登って来たルートを下山するのでイメージはあるが、登り降りはやっぱり違う。

岩場を降り、雪渓は靴スキーのように滑って降りれるところもあった。コマドリ沢出合に着いた。
ここからが帰路の正念場だ。次第に疲れが溜まってきたところへ、厳しい登りが待ちかまえているからだ。沢の音が小さくなるに従って、ジグザグの急登になってくる。コマドリ沢で抜かされた東京から来た夫婦が休憩を取っていた。この夫婦は前トム平で引き返したそうだ。この帰路の急登を考え山頂に行った場合に帰れないと思い、登頂は諦めたそうだ。賢明な決断をしたと思った。彼らは疲れているようだったが、僕と話をしたがっていたので色々な話をして、僕ももう一度気持ちのエンジンにフレッシュなガソリンを入れた。それでも僕の今日のお腹は中古エンジンであった。騙し騙しユックリ行こう。先に行ってもらった。

急登は終わり、尾根っぽい登山道になっているがなかなかカムイ天上にたどり着かない。もう通り過ぎたのかなと思い何度もGPSで確認するが、『まだだよ』って示している。『くそ!』、ダメ、その言葉!、禁句です。

やっと神様の住処『カムイ天上』に着いた。ここに着いたら宿に連絡をとることにしていたので、早速連絡をした。
宿に到着しなかったら、ここから宿の間を探してくれるだろうな。安心安心。いや、その前に途中で会った元気のいいツアーの団体に担がれて下山かな。そんなことは嫌だな。頑張ろう。

あと1時間もかからないはずだ、元気が出てくる。登山道に張り出している枝に頭をぶつけないように枝が見えると『前、枝!』と声を出して歩く。
兎に角、時間が経てば着くから、景色より時間、時計を気にして何度も見る。遂に、分岐点だ。登山道は歩き易く、あと20分頑張ればいい。
登山者を調べるカウンターを通り過ぎた。開けた空間らしき景色が見えてきた。

15時30分、短縮登山口駐車場に到着。
ザックを車に投げ込み、バイオトイレに駆け込んだ。
しばし至福の時を過ごす。

体調イマサンでの12時間近くの歩行はキツかった。
東大雪荘での夕食と温泉と布団のご褒美が待っていると思うと、体調も少しずつ回復してきたようだ。
減った体重を戻すために、今日は生ビールと夕食、これでもかと食らいつくぞ!そう思いながら宿に向かった。

温泉でゆったりした後、これでもかと夕食を食らいついた。
お腹は完全復調していた。

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