活動データ
タイム
13:08
距離
26.5km
のぼり
2939m
くだり
2929m
活動詳細
すべて見る先週末になりますが、畑薙第二ダムから東河内林道→青笹山→青薙山→無岳山→毛無山…と周回してきました。いつもながらのマイナールートです。先月奥茶臼山に登った時に「立てていた別の計画」というのがこのルート。あれからひと月、さらに日が短くなりましたが、最後のチャンスとばかり登ってきました。 最初に言わなければならないことが。このルートは非常に危険です!考え方には個人差があるでしょうが、ワタシ的にはここ(青笹山→青薙山)はもう登山道ではありません。この先、さらに崩壊が進んで逆に登りやすくなる時が来るかも知れませんが、現時点ではダメです。私は二度と通らないつもりです。 もう1点言うべきことが。写真を見てもらうと「なんで下り道の写真ばかりあるの?」と思われるかも知れませんが、実は途中でカメラをなくしました(泣)。探しても見つからなかったので、毛無山以降iPhoneで撮った写真しか残っていないのです…。仕方がないので内容はすべて本文に書くしか。 標準コースタイムが分からないので自分が何時間で周回できるのかはよく分かりません。ただ、無岳山から林道に戻ってくるコースがあって林道なら少々暗くても問題なさそうなので、無岳山に13時に着かなければそこから林道に下りよう…とそこだけ決めました。長くなることは分かっていたので、林道の終点で日の出の時刻(だいたい5時半)になるようにゲート出発は4時、ということにしました。 実際には少し早い3時32分にゲートに着いてしまったので、ここで休憩するくらいなら先に動いたほうが得策ということで3時42分、降るような星空の下、林道をテクテクと歩き始めました。時々黄色く光る2つの丸い物体を見てぎょっとしましたが、シカの目でした。ヘッドランプで照らされると黄色く光るのですね。崖の上のシカは逃げるついでに石を落としていくのでカンベンしてほしいです(笑)。 想定時間(1時間半)よりさらに早く4時44分に青笹山の登り口に到着。あまりに眠いのでひと眠りしようかと思ったのですが、横たわるとヒシヒシと身体に地面の冷たさが…。とても眠れる状況ではないので諦めて朝食のサンドイッチを頬張ります。食事後の5時6分に青笹山に向け出発…とは言うものの登り口が暗くてよく分からず、とりあえず「ここが尾根だよね」というところを無理クリに登っていくとほどなく登山道らしきモノに合流しました。 テープはほとんど見当たりませんが、尾根が割りとハッキリしているので意外と大きく道に迷うことはありませんでした。ただ、とんでもない急登です。小無間山や黒バラ平から黒法師岳への登り等、深南部の急登にはいい加減慣れてきてはいますが、ここは小無間のように木の根が張り巡らされていたり、黒法師のようにササが生えていたりしないので、つかむものがなくてタイヘンです。ある1本の木を手で後ろに押しやり、その反動で次の木にエイヤとつかまる…というのを繰り返し、ようやく主稜線に近づいたら近づいたで、今度は結構な痩せ尾根です。一部にはバランス感覚を要求されるような場所をこわごわ渡る…という箇所もあり、なんだかエラく疲れる思いをして7時25分、主稜線に到達しました。 到達した場所は「日影沢崩れ」というササ原で、西側にも東側にも眺望がある素晴らしい場所です。西側は、今日このあと通る無岳山~毛無山の向こうに聖岳・上河内岳・茶臼岳・光岳から信濃俣・中ノ尾根山まで見え、東側にはどーんと富士山を見ることができました。歩いていると目の前をシカが飛び跳ねながら横切っていったりして、なんだか夢の世界のようです。 ササが結構濡れているのでスパッツを付けていると南の方から熊鈴の音が。しばらく待っていると稜線を歩いてくる方がいらっしゃいました。鹿の子池で一泊し、青笹山まで登ってそのまま帰られるとのこと。「今日人に会うとは思いませんでしたね~」とお互い同じ言葉を口にし、青笹山(8時着)までご一緒して別れました。 しばらくは樹林帯の中を歩き、イタドリ山は気付かぬうちに通り過ぎてしまったので引き返し(8時48分)、9時12分、今回いちばん楽しみにしていた小笹平に到着しました。ここはササ原の中にポツポツと木々が生えている黒バラ平とは違い、尾根はフツーに樹林帯でその西側が一面のササの平原になっていました。広々していて気持ちいいですが、右に樹林帯、左にササという状況が変わらないので写真的には変化がありません。全部同じ構図になっているような気がしながらも何枚も写真を撮り、今回最大の難関、青薙山手前の崩壊地に向かいます。 9時54分、いよいよ崩壊地に到着です。まずは最低鞍部であるナイフリッジに向かって急斜面を下ります。ここだってそこそこコワイですが、先の崩壊地が見えているので、あくまで前哨戦な雰囲気。実はナイフリッジ部分は東側に巻道があるので特に危なくありません。 本当は「ホラこんなにコワイんだよ」と細々と説明するつもりでたくさんの写真を撮ってきたのですが、残念ながらカメラごと山の藻屑になってしまいました…。ヤマレコに私が感じたのとまったく同じ感想を持たれた方(K-MEN75さん)がいらっしゃるので、そちらを参考にして下さい。 https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-932910.html ここの問題は、危険箇所というべき段差が2ヶ所連続であり、1ヶ所目は登ることならできるけど下るのはちょっと(たぶん足を付くべき場所が見えない)…、で、2ヶ所目は登るのも躊躇してしまう場所だというところです。2ヶ所目で引き返そうと思っても、それも相当危険…ということです。 1ヶ所目は上記リンクに写真があるのでそちらをご覧下さい(64枚め)。この木は結構しっかり根を張っているのでコイツを手がかりにして割りとすんなりと登ることが可能です。2ヶ所目も同じように木を手がかりにして登るしかないのですが、1本目と違い木が非常に小さいし弱々しいです。岩屑のようなところに生えていて、持ってみてもとてもしっかり根付いているようには思えません。葉も一部黄ばみかかっていて、何人もの人がコイツにつかまって登ったことで根にダメージを受けていると思われます。枯れていないのは、ひとえに通る人が多くはないからでしょう。生えている位置も悪くて、右に寄ったところに生えているのですが、左には手が掛かるものが何もなくて結局左手もコイツをつかむしかないので、自分もムリな体勢にならざるを得ませんが、生えている木にとっても相当な負担がかかっているに違いありません。両手とも根のすぐ近くを持ち、木に負担をかける時間が極力短くなるように頭のなかで動きをシミュレーションして、身体を引き上げた次の瞬間に左膝を段差の上に乗せてなんとか通過に成功しました。 大無間山の崩壊地とどっちが怖かった…という話を複数のレポートで拝見しましたが、自分的には断然青薙山がコワイです。大無間山の方は自分にスキルさえあれば危険を回避できますが、青薙山は通過できるかどうかが木の生命力にかかっていて、自分に例えスキルがあっても100%危険を回避することができません。要するに自分の命が運任せになってしまうのです。ぶっちゃけ命をかけるほどのルートとは思えません。ヘルメットをかぶっていたって滑落すれば無事ではすまないので、この道は選択しないことを強くオススメします。 さて、恐ろしい崩壊地を過ぎればほどなく青薙山…かと言うとさにあらず。次は青笹山への登りを超える急登が待っています。くるぶしくらいの高さのササが一面に生えていますが、これをつかんでじゃないと、とても登れません。急斜面は標高差で100mほど続き、登りきったところが分岐下のガレです(10時35分着)。ここは北方面の景色を多少見ることができる…はずですが、残念ながらガスっていて見えるのはすぐ北の稲又山止まり。ガスが晴れるのを期待してここで昼食にします。しばらく待つと一瞬ガスが薄くなる瞬間があるのですが、せいぜい布引山の山腹のガレが見える程度。11時になったので諦めて出発することにします。 11時10分、稜線との分岐点に到着、ここからしばらくは2ヶ月前にも歩いたルートです。その時とは異なり、樹間越しではありますが聖岳を見ることができました。ほどなく(11時23分)青薙山到着、本日の最高点です。眺望もなければ時間もなく、前に来た場所でもあるのでほとんどスルーし、次の目的地、無岳山に向かいます。青薙山の正規ルートからの分岐を逃さないようヤマレコからダウンロードしたルートをYAMAP地図上で見ながらトレースしますが、結局分岐箇所はハッキリとは分かりませんでした。 ウワサ通り無岳山に向かう尾根は複雑に絡み合っていて、たぶん正規ルートは存在しないのでしょう。どこを歩いても踏み跡は存在せず、GPSに従ってまぁ方向だけは間違えないようにと歩いていると結局いちばん東側の尾根に出ました。最終的にはこれが無岳山につながる尾根らしく、途中から突然踏み跡がハッキリするようになり、道が登り坂になります。 登りきったところに「ヤッタゼ」と、何をやったのか分かりませんが文字が書かれた小屋がありました。ここまで来てしばらく歩くと東側がハデにガレている場所に出ます。ここが無岳山(12時49分着)。三角点はありましたが山頂を示す表示は見つからず、また天気がよければ眺望が利きそうな東側の風景もガスがかかっていてイマイチな様子。 ここを下りるかどうかのタイムリミットにはギリギリで間に合ったことになりますが、先ほどの崩壊地を見て「二度とこのルートをそのまま歩くことはあるまい」と思ったので、初志貫徹、毛無山へ向かうことにしました。 で、毛無山に向かう途中、ウェストポーチにカメラが入っていないことに気付いたわけです。 最後に写真を取ったことがハッキリしている無岳山からカメラがないことに気付いた地点までは約1km。歩いたルートはGPSに記録されているのでバックすれば見つかるだろう…という目論見は見事に外れました。踏み跡がハッキリした登山道ならいざ知らず、ちょうどこのあたりは尾根が広く、正直どこでも歩けるし、あちこちに踏み跡があって、自分がどこを歩いたのかサッパリ分かりません。踏み跡が1、2本ズレてもGPSの表示はほとんど変わらず、景色も変わらないのでもと来た道を戻ろうにも振り返った時にはもう歩いて来た道が分からない始末。約1時間ほど周囲をウロウロしましたが14時を過ぎ、さすがにこれ以上ここにいると日が暮れるまでに下に降りられないと思い、断腸の思いでカメラを諦め毛無山に向かうことにしました。 なので、写真はiPhoneで撮ったこれ以降の分だけがある、というワケですね。 ほぼ走るようにして毛無山に到着(14時53分)。ここから先はとんでもない激下りだと聞いていましたが、想像以上でした。気が焦っているのもあるのでしょうが、生えている木をストッパーにしようとそこに目掛けて駆け下ると、木をつかもうとすれば実は枯れていてポキリと折れ、しっかりつかまったと思うと浮石で滑り、挙げ句の果てには、疲れ果てて木をつかみ損ない、もう何回転んだか分かりません。ルートがよく分からないので止まるたびにGPSで進む方向を確認し、途中からは崩れそうな岩場が現れたりして、とにかく焦る割にはスピードは上がらず(上げると危険だし)、結局毛無山から1時間40分後の16時33分、隆泉橋に到着しました。このルートもオススメできません。ピンクテープを付けた人は何を考えているんだろうかと思います。使うなら登りの方がマシ、まぁ登れるなら、ですが…。 ここから先は舗装路です。が、無岳山から下りて林道を引き返す可能性もあるために最奥のゲート前にバイクを停めてしまったので、重い足を引きずること17分、ようやく出発点に戻ってきました。途中で見た東河内温泉は白樺荘に引湯しているとのことなので、4km北上し、白樺荘であちこちにできた擦り傷を癒やして帰ってきました。 余分な徘徊が加わったせいで、本日は26km超、13時間以上という山行になってしまいました。ムリをしなければカメラをなくさなかった…かどうかは、今となっては分かりませんが、ちょっと今回はいくらなんでも「お気楽ヤマノボラー」の本分を忘れて調子に乗りすぎました。せっかく1日山にいたのに後悔と反省ばかり残ってしまって…。また他の方が「危険」だと報告しているルートは本当に危険なのだと痛感しました。これも大無間山が怖くなかったので調子に乗りすぎました。ルートはもう少し慎重に選定しないといけないですね。 ただし、ですね、これも言わないといけないことですが、日影沢崩れと小笹平、ここはすごくよかったです。せっかく撮った写真がパーになったので、ここにはもう一度行かないと。ただ、今回登りに使ったルートは痩せ尾根が危険なのでできればそこじゃないルートを考えてみたいです。林道ゲート辺りから鹿の子池~水無峠山を登るルートはYAMAP地図に書いてあるし、「静岡の山 日帰りコース158」という本には小笹平に直接登るルートが書いてあります。ま、今度は危険かどうかちゃんと調べてから登りたいと思います(笑)。 いや~、本文長すぎですね。写真がないせいでコメントの方に何も書けなかったので…。ご容赦下さい。 [(初)静岡百山] 井川青笹山(17)
活動の装備
- モンベル(mont-bell)ストームクルーザー ジャケット Men's
- ミレー(MILLET)ジョラスTシャツショートスリーブ
- マムート(MAMMUT)Trekkers 2.0 Shorts AF Men
- ミレー(MILLET)ドライナミック メッシュ ショートスリーブ
- ワコール(Wacoal)CW-X レボリューション
- その他(Other)MAKAVELIC SIERRA SUPERIORITY BIND UP BACKPACK
- ガーミン(Garmin)ForeAthlete 230J
- サロモン(SALOMON)X ULTRA MID 2 GTX
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