活動データ
タイム
07:42
距離
6.2km
のぼり
1423m
くだり
182m
活動詳細
すべて見る≪コース≫ 9:41中房温泉登山口-12:59合戦小屋(食事)-13:41合戦小屋発-14:45燕山荘(受付)-15:36燕山荘発-16:21燕岳(休憩)-16:46燕岳発-17:12燕山荘 ≪歩行時間≫ 登り=5時間7分(中房温泉登山口-燕岳)、下り=26分(燕岳-燕山荘) 近いうちに登りたい、いつか必ず登りたいと切望していた燕岳。その佇まいは優雅で気品にあふれ、頂上近くに鎮座するユニークな形状の花崗岩は神秘的な美しさを湛えている。誰が呼んだか、「アルプスの女王」。写真などでその麗しい姿を目にするたびに、燕岳に対する僕の想いはますます募っていった。そして、その願いがようやくかなうときがきた。 午前5時に登山仲間と金沢を出発し、登山口のある長野県安曇野市の中房温泉に向かう。ところが、中房温泉に近い駐車場はすべて満車。登山客が殺到しているらしい。連休、晴天、そして紅葉の季節。これだけ条件がそろったのだから無理もない。誘導係の方に指示された穂高温泉の駐車場に車を止め、タクシーで中房温泉へ。時間にして30分弱、料金は6,300円かかった。ちょっと痛い出費である。 9時41分に登山口(標高1,462m)を出発し、合戦尾根ルートを歩き始める。同ルートは「北アルプス三大急登」のひとつ。確かに急登の連続だが、登りやすく整備された階段が多いので、難所というほどきつくはない。しかも、合戦小屋まで約40分おきに4ヶ所の休憩所(第一、第二、第三、富士見ベンチ)が設けられている。 今日は仲間の体調がすぐれないため、ゆっくりとしたペースで歩を進める。右膝に違和感のある僕にとっても、このペースはありがたい。思いのほか暖かい日となり、大量の汗が吹き出てくる。第ニベンチと富士見ベンチで休憩を取る。他の登山客を見ると、圧倒的に若い人が多い。地元の山では見られない光景である。燕岳が持つ独特の魅力が若い世代を惹きつけるのだろうか。 午後0時59分、合戦尾根(同2,350m)に到着。残念ながら、美味しいと評判のスイカは9月末で販売を終えていた。自炊場でスパゲティを茹で、カルボナーラで腹ごしらえ。この辺りにはナナカマドが群生しているが、もうほとんど葉が落ちてしまい、特徴的な赤い実だけが残っている。 お腹が膨れると、燕岳を目指して出発。イタヤカエデの灌木の間をジグザグに登る。合戦沢ノ頭の手前で、表銀座の尾根の向こうに槍ヶ岳の穂先が見えた。女王様にお会いする前に、王様に謁見できるとは思わなかった。カラフルなテントが並んだテント場を過ぎ、燕山荘(同2,704m)に到着。ついにアルプスの女王様がその全貌を現した。待ちに待った感激の対面である。期待どおり、花崗岩質の白い砂礫と緑色のハイマツのコントラストが美しい。 畦地梅太郎による山男像と記念撮影をし、燕山荘で宿泊の受付を済ませる。今日は全館満室。肩をくっつけ合って寝るのを覚悟していたが、通された部屋には十分なスペースがあった。小屋の横にあるオットセイ岩とゴリラ岩を見物した後、いよいよ山頂に挑む。途中にイルカ岩やメガネ岩などがあり、写真撮影をしているとなかなか先へ進めない。 4時21分、ようやく燕岳(同2,763m)の頂上に到達。北燕岳方面は少しガスっているが、奇岩が立ち並ぶ燕山荘方面の眺望は素晴らしい。夕日を浴びた山肌が赤く染まっていく。これは夏には見られない現象だという。小屋へ戻る途中にオレンジ色の太陽が雲の中に沈んだ。夕食は7時から。食事中に名物オーナーの赤沼健至氏による卓話とアルペンホルンの演奏が行われた。食後に喫茶室で生ビールを飲み、夢見心地のまま就寝する。
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