平成30年初登山:遥照山

2018.01.03(水) 日帰り

チェックポイント

DAY 1
合計時間
4 時間 57
休憩時間
12
距離
14.8 km
のぼり / くだり
703 / 703 m
1
1 28
26
1 2
13
19
50

活動詳細

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筆者の地元である、岡山県浅口市は鴨方町。その北端にそびえ立つ当地の最高峰がこの『遥照山(ようしょうざん)』である。 同峰の一角には、国立天文台・岡山天体物理観測所も置かれており、またかつて筆者が通った小学校の校歌の詞にも唄われるなど、地元鴨方町の人々にとっては、まさに郷土の象徴とも呼ぶべき存在なのだ。 そんな遥照山であるが、筆者個人としても、過去にも幾度かその山頂付近を訪ねたことはあった。が、実はこの山、山頂まで車道が通じており、これまでの登頂もおしなべて車両によるものだったである。一方、同峰には登山道も整備されており、かねてより多くの地元市民らが自らの脚でその頂を踏みしめている傍ら、筆者は登山をたしなむ者の端くれでありながら、未経験の山路であった。 折しも実家に帰省して迎えた平成30年の正月。この機会に一度、登っておかねばなるまいと思い立った筆者は、同峰への山行を決意。厳しい寒気に見舞われる中、偉大なる郷土の名峰を目指し、いざ出発である。   <注意事項> ・地図にない分岐点が多いことに注意。もっとも、登山道自体は大変よく整備されているため、コンパスさえあれば迷うことはまずないと思われる。

遙照山 さて、『遥照山』は筆者の地元、鴨方町の象徴と述べたばかりであるが、実はその隣町である『金光町』にとってもそれは同様なのである(もっとも鴨方町も金光町も、10年以上前に合併しており、同じ市内ではあるのだが)。
登山道も、この金光町からのルートが一般的であり、筆者も此度はそちらを利用して登ることにした。
スタート地点となるJR山陽本線の金光駅より、いざ出発。
さて、『遥照山』は筆者の地元、鴨方町の象徴と述べたばかりであるが、実はその隣町である『金光町』にとってもそれは同様なのである(もっとも鴨方町も金光町も、10年以上前に合併しており、同じ市内ではあるのだが)。 登山道も、この金光町からのルートが一般的であり、筆者も此度はそちらを利用して登ることにした。 スタート地点となるJR山陽本線の金光駅より、いざ出発。
遙照山 駅から15分ほどで、登山口である『大宮神社』に到着。祭神は大国主命と酒の神の同神体である大己貴命(おおなむちのみこと)のことで、創建は1300年前、現存する社殿は元禄時代のものという、由緒正しい社だ。
手前の石段では、地元の中学校の運動部員と思しき少年が自主トレーニングに励んでいた。
駅から15分ほどで、登山口である『大宮神社』に到着。祭神は大国主命と酒の神の同神体である大己貴命(おおなむちのみこと)のことで、創建は1300年前、現存する社殿は元禄時代のものという、由緒正しい社だ。 手前の石段では、地元の中学校の運動部員と思しき少年が自主トレーニングに励んでいた。
遙照山 大宮神社の境内を抜けると、しばし見通しのいい野道を進む。
大宮神社の境内を抜けると、しばし見通しのいい野道を進む。
遙照山 桜の木の袂にたたずむお地蔵様たち。
小さな姿だが、此度の山行の安全をお祈りせずにはいられない。
桜の木の袂にたたずむお地蔵様たち。 小さな姿だが、此度の山行の安全をお祈りせずにはいられない。
遙照山 しかるのちに、行く手はいよいよ山道に。
時々急登に見舞われるものの、おおむね歩きやすい道が続く。
しかるのちに、行く手はいよいよ山道に。 時々急登に見舞われるものの、おおむね歩きやすい道が続く。
遙照山 普段、見慣れた地元の風景も、この高みから俯瞰してみると、当然ながら印象が大きく異なる。
普段、見慣れた地元の風景も、この高みから俯瞰してみると、当然ながら印象が大きく異なる。
遙照山 登山道は一度尾根道に出て、小ピークへ。
天気は良いが、風が冷たい。
登山道は一度尾根道に出て、小ピークへ。 天気は良いが、風が冷たい。
遙照山 鉄塔は、里山歩きの便利なランドマークだ。
鉄塔は、里山歩きの便利なランドマークだ。
遙照山 日差しが少し陰ってきたかと思うと、突然大粒の雪が降り始めた。
以後山頂まで、しばしば雪あられに見舞われながらの山行となった。
日差しが少し陰ってきたかと思うと、突然大粒の雪が降り始めた。 以後山頂まで、しばしば雪あられに見舞われながらの山行となった。
遙照山 山道はいったん車道をかすめて、再び木立の中へ。
山道はいったん車道をかすめて、再び木立の中へ。
遙照山 再び尾根道の急登へ。
再び尾根道の急登へ。
遙照山 こちらの分岐は、どちらへ進んでも問題ない。筆者は向かって左側へ。
こちらの分岐は、どちらへ進んでも問題ない。筆者は向かって左側へ。
遙照山 山頂も目前のところで、少し寄り道して『夫婦松展望台』へ。
山頂も目前のところで、少し寄り道して『夫婦松展望台』へ。
遙照山 『夫婦松展望台』からは、南東側の眺望がすばらしい。
水島の工業地帯のほか、もう少し天気が良ければ瀬戸大橋まで見通せるはずだ(この写真でも、拡大してみるとかろうじて確認できた)。
『夫婦松展望台』からは、南東側の眺望がすばらしい。 水島の工業地帯のほか、もう少し天気が良ければ瀬戸大橋まで見通せるはずだ(この写真でも、拡大してみるとかろうじて確認できた)。
遙照山 こちらが『夫婦松』。二本の松が、寄り添うように並んでそびえ立つ。
こちらが『夫婦松』。二本の松が、寄り添うように並んでそびえ立つ。
遙照山 しばし展望を楽しんだら、山頂を目指して再び出発。
山頂周辺には、ため池のようなものが点在している。
しばし展望を楽しんだら、山頂を目指して再び出発。 山頂周辺には、ため池のようなものが点在している。
遙照山 登山道は山頂直下で途絶え、あとはしばらく車道歩きとなる。
登山道は山頂直下で途絶え、あとはしばらく車道歩きとなる。
遙照山 しかる後に、山頂へ到着。
写真は山頂に佇む、『遥照山厳蓮寺薬師院』。まずは無事の登頂に感謝し、手を合わせた。
しかる後に、山頂へ到着。 写真は山頂に佇む、『遥照山厳蓮寺薬師院』。まずは無事の登頂に感謝し、手を合わせた。
遙照山 こちらはその隣にそびえ立つ電波塔。
この施設の管理のため、『厳蓮寺』への参道とは別に車道もここまで伸びている。
筆者は登りに車道、下りに参道を利用した。
こちらはその隣にそびえ立つ電波塔。 この施設の管理のため、『厳蓮寺』への参道とは別に車道もここまで伸びている。 筆者は登りに車道、下りに参道を利用した。
遙照山 山頂直下の広場でコンビニおにぎりの昼食をとった後、少しだけ周辺を散策。
写真は、日帰り温泉『遥照山温泉』。今回は入浴しなかったが、地元唯一のラドン鉱泉として有名だ。
なお、入浴料は大人400円。
山頂直下の広場でコンビニおにぎりの昼食をとった後、少しだけ周辺を散策。 写真は、日帰り温泉『遥照山温泉』。今回は入浴しなかったが、地元唯一のラドン鉱泉として有名だ。 なお、入浴料は大人400円。
遙照山 こちらはその源泉。
実はこれ、桃太郎伝説にも所縁があり、吉備津彦乃命(桃太郎のモデル)との戦いで負傷した鬼達が、この温泉で傷を癒しては戦列に復帰していたのだそうだ。
それを知った吉備津彦命がその湯本を埋めたことで、現在は冷泉となっているが、病に効くとしてその後も人々から親しまれている。
こちらはその源泉。 実はこれ、桃太郎伝説にも所縁があり、吉備津彦乃命(桃太郎のモデル)との戦いで負傷した鬼達が、この温泉で傷を癒しては戦列に復帰していたのだそうだ。 それを知った吉備津彦命がその湯本を埋めたことで、現在は冷泉となっているが、病に効くとしてその後も人々から親しまれている。
遙照山 登山道からもその姿を拝むことのできた『遥照山ホテル』。
かつては慰安旅行に訪れる人々も多かったが、利用者の減少から4年前に営業は終了。現在は廃墟と化している。
登山道からもその姿を拝むことのできた『遥照山ホテル』。 かつては慰安旅行に訪れる人々も多かったが、利用者の減少から4年前に営業は終了。現在は廃墟と化している。
遙照山 なおこの遥照山、現在公開中の映画『8年越しの花嫁』のロケ地としても使用されている。
写真の展望台がその場所。筆者は映画の方は未見であるが、クライマックスを彩る重要なシーンに登場するそうだ。
なおこの遥照山、現在公開中の映画『8年越しの花嫁』のロケ地としても使用されている。 写真の展望台がその場所。筆者は映画の方は未見であるが、クライマックスを彩る重要なシーンに登場するそうだ。
遙照山 さすがにここからの見晴らしは申し分なく、此度の山行においても最良の展望スポットであった。
なお、写真の柵は映画撮影に当たって設置されたもので、おそらく「崖っぷちの絶景スポット」といった雰囲気を演出するために設けられたものと思われる。
・・・が、実はこの柵の向こう側には階段があり、下には遊歩道が横切っている。
さすがにここからの見晴らしは申し分なく、此度の山行においても最良の展望スポットであった。 なお、写真の柵は映画撮影に当たって設置されたもので、おそらく「崖っぷちの絶景スポット」といった雰囲気を演出するために設けられたものと思われる。 ・・・が、実はこの柵の向こう側には階段があり、下には遊歩道が横切っている。
遙照山 しばしの散策の後、下山の途に就く。
帰りは、登りで利用した西側のルートとは異なる、東側の道を通って下ることにした(地図参照)。
しばしの散策の後、下山の途に就く。 帰りは、登りで利用した西側のルートとは異なる、東側の道を通って下ることにした(地図参照)。
遙照山 こちらの登山道は登りで通った道とは対照的に、利用者は少ないようで、降り積もった落ち葉が地面を覆っていた。
道筋自体は分かりやすいが、滑らないように注意を払いつつ下ってゆく。
こちらの登山道は登りで通った道とは対照的に、利用者は少ないようで、降り積もった落ち葉が地面を覆っていた。 道筋自体は分かりやすいが、滑らないように注意を払いつつ下ってゆく。
遙照山 下山中も少し寄り道して『木野山神社』へ。
地図を見ると、人通りの少ない登山道のはずれにその存在が記されていたため、どんな社なのか少し気になっていた。
果たしてその姿は、積み重なった岩の狭間に神々を祭る、いにしえの信仰の在りようを色濃く残すものであった。
祭神などは不明だが、おそらく遥照山の山神であろう。筆者も下山までの安全を祈願し、手を合わせた。
下山中も少し寄り道して『木野山神社』へ。 地図を見ると、人通りの少ない登山道のはずれにその存在が記されていたため、どんな社なのか少し気になっていた。 果たしてその姿は、積み重なった岩の狭間に神々を祭る、いにしえの信仰の在りようを色濃く残すものであった。 祭神などは不明だが、おそらく遥照山の山神であろう。筆者も下山までの安全を祈願し、手を合わせた。
遙照山 なお、先述の『木野山神社』の周辺の登山道だけは割とよく手入れされており、落ち葉で道が隠れている箇所も見当たらなかった。
なお、先述の『木野山神社』の周辺の登山道だけは割とよく手入れされており、落ち葉で道が隠れている箇所も見当たらなかった。
遙照山 そののち、再び落葉に覆われた道をしばらく下ると、唐突に舗装路に突き当たった。
こちらのルートの登山口は、何と山陽自動車道の脇。これでは確かに、ここから登る人が少なくなるのも無理はない。
そののち、再び落葉に覆われた道をしばらく下ると、唐突に舗装路に突き当たった。 こちらのルートの登山口は、何と山陽自動車道の脇。これでは確かに、ここから登る人が少なくなるのも無理はない。
遙照山 Uターンラッシュの最中ではあるが、山陽自動車道の上り線はやや自動車の数は多いものの、渋滞らしい渋滞は見受けられなかった(写真右側が上り線)。
Uターンラッシュの最中ではあるが、山陽自動車道の上り線はやや自動車の数は多いものの、渋滞らしい渋滞は見受けられなかった(写真右側が上り線)。
遙照山 ともあれ、これにて此度の山行は終了となるが、ゴール地点となる金光駅まではもうしばらく歩かねばならない。
ここから先は、ちょっとした散歩の気分だ。
ともあれ、これにて此度の山行は終了となるが、ゴール地点となる金光駅まではもうしばらく歩かねばならない。 ここから先は、ちょっとした散歩の気分だ。
遙照山 車道の脇から伸びる、長い石段の先に待っていた『田老神社』。祭神は、我が国におけるストリップダンサーの元祖にして芸能の神、天鈿女命。
なお、この田老神社、実はアニメ『天地無用!』の「聖地」としても有名なのだそうで(筆者は岡山県民でありながら未見)、境内にはファンの交流のため、記帳簿入りの木箱も設置されていた。
車道の脇から伸びる、長い石段の先に待っていた『田老神社』。祭神は、我が国におけるストリップダンサーの元祖にして芸能の神、天鈿女命。 なお、この田老神社、実はアニメ『天地無用!』の「聖地」としても有名なのだそうで(筆者は岡山県民でありながら未見)、境内にはファンの交流のため、記帳簿入りの木箱も設置されていた。
遙照山 『田老神社』からまた更に歩くと、『丸山公園』の湖畔に到着。
この『丸山公園』は筆者が幼少の折、時々両親に連れて行ってもらった思い出深い場所である。
園内は広く、小さい頃に親しんだ遊具の集うエリアのほか、写真のような遊歩道のような場所もあり、今回はそちらを歩くことにした。
『田老神社』からまた更に歩くと、『丸山公園』の湖畔に到着。 この『丸山公園』は筆者が幼少の折、時々両親に連れて行ってもらった思い出深い場所である。 園内は広く、小さい頃に親しんだ遊具の集うエリアのほか、写真のような遊歩道のような場所もあり、今回はそちらを歩くことにした。
遙照山 『丸山公園』からさらに金光駅を目指す道中を、山陽新幹線の軌道が横切る。
『丸山公園』からさらに金光駅を目指す道中を、山陽新幹線の軌道が横切る。
遙照山 午後3時を前にして、ようやくゴール地点である金光駅に到着。
体力的にも技術的にも、何ら支障のない山行ではあったが、古くから慣れ親しんだ郷土の道を、自らの脚で辿ることによって、非常に多くの発見を得ることのできた一日であった。
まだまだ、自分の古郷には沢山の魅力が隠されているはず。次回の帰省においても、登山という営みの中で、その一端に触れたい所である。
午後3時を前にして、ようやくゴール地点である金光駅に到着。 体力的にも技術的にも、何ら支障のない山行ではあったが、古くから慣れ親しんだ郷土の道を、自らの脚で辿ることによって、非常に多くの発見を得ることのできた一日であった。 まだまだ、自分の古郷には沢山の魅力が隠されているはず。次回の帰省においても、登山という営みの中で、その一端に触れたい所である。
遙照山 鴨方町の天草公園から望む遥照山。山頂の電波塔の姿がよく確認できる。
鴨方町の天草公園から望む遥照山。山頂の電波塔の姿がよく確認できる。

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