活動データ
タイム
05:36
距離
10.3km
のぼり
261m
くだり
256m
活動詳細
すべて見る美ヶ原は自分にとって、思い出深い場所です。 10年以上前は麓の三城にある標高1,500mのキャンプ場を訪れるのが夏の恒例行事でした。当時6~7歳だった子どもたちと三城牧場から百曲り登山道で何度も登ったのが、この美ヶ原。標高2,000mに限りなく広がる大草原、咲き乱れる高山植物、長閑に草を食む牛たち、そして周囲を取り囲む南、中、北の3アルプスと名山の数々…。最初に訪れた時「日本にこんなところがあったのか!」と衝撃を受けたのを鮮明に覚えています。 子どもたちが成長し、学校生活や部活動に忙しくキャンプに行かなくなって10数年。 秋晴れの予報に誘われ、懐かしいあの場所へ、夫婦で出かけてみるかと思い立ったのです。 ……本当は百曲り登山道で登るつもりでした。しかし、カミさんはかれこれ2週間ほどブランクがあるという不安があります。また以前はまだ整備されていなかった遊歩道「アルプス展望コース」をゆったり歩いてみたいこと、そして王ヶ鼻に足を伸ばさないと勿体ないのでその往復時間も加えて考え、無難にクルマでビーナスラインを登り、山本小屋から王ヶ鼻を往復するハイキングを選択しました。たまには、こういうのも良いですね。 山本小屋から20分、遭難防止の霧鐘塔である「美しの塔」に着きます。ここには尾崎喜八氏の詩『美ガ原熔岩台地』が彫られています。戦前に詠まれたこの詩を、今回ちゃんと読んでみたら、なんと快晴の秋の美ヶ原を詠っていたんですね!(『日本百名山』で深田久弥氏がこの詩を引用しつつ、5月に登った旨が書かれていたので、尾崎氏も春に登ったものと勘違いしていました) ……そうなると、はるか昔、尾崎氏の見た風景が眼の前に広がっているような気がして(単純だなぁ)、今日の風景が、一層愛おしくなってきました〜。 塩クレ場から分岐して「アルプス展望コース」方面に進むとすぐに公衆トイレが。10数年前には道もトイレもなかったので、こういう変化は非常にありがたいですね。 百曲り園地から烏帽子岩を経て王ヶ頭までの遊歩道「アルプス展望コース」は、台地の端部を通っていくもので、浅間山、蓼科山、霧ヶ峰、八ヶ岳といった近くの山々から、富士山、南アルプス、中央アルプス、御嶽、乗鞍岳、北アルプスまでを見渡せる大パノラマコース! この大展望を2.2kmの行程中、堪能し続けられる贅沢な道でした。しかも足元には高山植物が花をつけ、右手には台上に広がる大高原の爽やかな風情が広がる…。のんびり歩いても王ヶ頭まで40分程度のコースタイムですが、立ち止まり景観や花を愛で、写真を撮り、語りながらゆったり1時間以上かけて歩きました。途中、危険箇所も全くなく快適そのもの。ただ台上の端部ですので始終強風が吹いています。この日は快晴で問題ありませんでしたが、悪天候時は途中逃げ場がないのでその点は留意した方が良いと思いました。 王ヶ頭が近づくと一気に人が増えます(王ヶ頭ホテルの宿泊客の方たちも散策されています)。道を右折し、王ヶ頭ホテル直下を登ると(今日、唯一の登りらしい登り!)王ヶ頭の山頂に到着します。 ご存知のように山頂は電波塔と王ヶ頭ホテルが建ち、山岳信仰の神仏が立ち並ぶ独特の雰囲気があります。 ここから20分ほど歩けば、断崖の絶景ポイント・王ヶ鼻です。快晴ならばここに立ち寄らない手はありませんよね! さっきまで居た王ヶ頭にはじまり、アルプス展望コースでは見渡せなかった北アから立山方面の山々まで、まさに360度の大パノラマが眼前に広がります。天空に突き出した断崖には段差のある岩々で構成され、都合よくテーブルや椅子の代わりになってくれます。空に突き出た絶景の真っ只中でお昼をいただける、最高のランチスポットです(あんまり端っこに行くと落ちるので注意!)。 王ヶ鼻から王ヶ頭を経て、帰りは牧草地の中の一本道を歩いて帰りました。道は非常に綺麗に整備され、柵にも危険なところは見当たりませんでした。 かつて家族4人で何度も歩いた道。今日のような快晴の日も、雨と霧と強風の日もあったなぁ…。 懐かしさを味わっていると、サックの上にご機嫌の赤ちゃんを乗せた家族連れや、登山スタイルの小さな子どもを連れた家族とすれ違い、いつかこの家族も今日の日を懐かしく思い出すんだろうなと思ったり…。 今回は登山ではありませんでしたが、美ヶ原の魅力を存分に再確認できました。 次は、再度「百曲り登山道」での登山にチャレンジしたいと思います!
動画
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