チェックポイント

DAY 1
合計時間
8 時間 55
休憩時間
2 時間 10
距離
10.5 km
のぼり / くだり
1212 / 1186 m
2
2 4
46
1 38

活動詳細

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中学生のチビと赤岳にチャレンジ。朝の6時前に美濃戸をスタート。天気予報では、まずまずの空が期待できそうであったが、この時点では、空は雲に覆われていた。スタートして間もなく、木々の中のみちを進む。傾斜はそれほどきつくないが、ところどころ、石が散らばっていて少し歩きづらい。右には沢が近づいたり離れたり。一時間ほど歩くと、木の隙間から青空が見えてきた。頂上からの展望が期待できそうだ。それから30分ぐらい歩くと、みちが、渇れた沢に変わった。空が開けている。南八ヶ岳の峰が良く見えた。沢みちをさらに30分ほど行くと、行者小屋へ案内する板があった。ほどなくして、中間地点に着いた。時刻は8時15分。チビは少し疲れたようで、ベンチに座るなり、あたまを、前にあったテーブルにおいて、そのままうごかなくなった。小屋からの景色は素晴らしい。赤岳をはじめ、それに連なる横岳、硫黄岳などが目の前に立ちはだかっている。頂上から360度の景色を見渡すのは山登りの醍醐味の1つだが、目の前の山塊を下から見上げるのも、なかなかだ。20分ほどして、チビは目をさました。小屋では、カレーなど、サービスエリアで売ってそうなものがあった。生ビールまである。ここでの生ビールは最高だろうな、と思いつつ、このあとの行程を想像して断念した。他に目についたものといえば、おでんが、銀色の大きな容器の中のだしに浸かっていた。体が少し冷えていたせいなのか、あるいは、この場所で食べられる意外性なのか、コンビニのおでんには感じない感情が湧いてきた。目をさましたチビに勧めてみると、意外にも食べると言った。大根、たまご、こんにゃく、きんちゃくを食べた。9時になった。そろそろ第二ラウンド。これからが本番。 みちは相も変わらず、木々の中をいく。間もなく、阿弥陀岳方面と赤岳方面の分岐があり、赤岳方面(文三郎尾根)へ進んだ。みちはどんどん急になるような感じだ。平均斜度は20度程度。勾配でいうと40%弱ぐらいの坂道だ。美濃戸から行者小屋までは平均斜度は9度程度(勾配で15%程度)だから、これまでの倍以上の傾斜だ。週に最低一度は10kmのランニングをし、筋力トレーニングも怠らず、ここ数年は、少なくとも体力の維持を心がけてきた。そのせいか、それほどきつさを感じない。昨年秋に登った西黒尾根(谷川岳)の方がきつかったな、とそんなことを考えながら20分ほど行くと、斜面に鉄製の階段が設置されている場所に着いた。その階段を昇り、また、みちを行く。行者小屋を出て30分程経ったところで、周りの景色が変わった。木々が無くなった。森林限界を過ぎたようだ。標高にして約2550m。再び横岳、硫黄岳に連なる峰が目の前に現れた。しかし先ほど行者小屋から観たときのような、上から圧倒されるような感じは無かった。それは、背後の空の青に見事に溶け込んでいた。下を見下ろすと、はるか先に、行者小屋がみえる。もうこんなに登ってきたのか。 ここにきて、チビの足の動きが早くなってきた。目標が近くに確認できるようになったからであろうか。チビになかなか追いつけない。追いつけないどころか、どんどん差がついていく。これが40歳半ばの中年おじさんと中学生との違いかと、改めて思い知らされた。それでも、中年おじさんは、なんとか追いつこうと必死に足を前へ、前へ。そんな調子で15分程の格闘の末、赤岳と阿弥陀岳の稜線がはっきりとみえるところまでやって来た。既にチビは、稜線の手前50m程度のところまで登り詰めている。ここでようやく、白旗を揚げ無駄な戦いを止めることにした。行者小屋を出てちょうど1時間。ようやく稜線に出た。標高にして約2750m。今登ってき斜面側は雲が少なく、北から西の景色がほぼ一望できた。ところが、期待していた南から東に向けた景色が雲のせいでほとんど何もみえない。南東側から風が吹き込んで斜面にぶつかり雲ができたということか、と、少ない理科の知識を使って、この稜線を挟んで全く違った気象現象の謎を解き明かそうとしたが、少し考えて止めた。 水分補給をして、クライマックスステージへ。ゴールは目の前にある。こうなると、もう、疲れはあまり感じない。稜線に出てから、最後の斜面を登りはじめた。ほどなく鎖場が現れた。鎖場といっても鎖が必須のような斜面ではない。鎖を補助的に使って、足場をしっかり確かめながら先へ進む。見上げると、空がかなり近くなった。チビの足の動きはますます加速する。中年おじさんも、つられて、加速。稜線を出発してから30分弱。小さな鉄製の階段を昇った。美濃戸を出発して4時間半。無事、山頂に到着。

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