ひさびさ夫婦で、養老山。

2015.10.10(土) 日帰り

チェックポイント

DAY 1
合計時間
5 時間 50
休憩時間
1 時間 10
距離
8.0 km
のぼり / くだり
841 / 816 m
1 23
21
15
16
18
1 47

活動詳細

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 出張から戻っても、風邪を引きずり本調子ではない自分。 一方、カミさんは風邪をこじらせ乗鞍岳以来、未だ山に登っていません。 二人とも本調子ではないものの、そろそろどこかに登っておきたいと思いつき、 以前から行きたかった、養老山地の養老山に登って参りました。揖斐関ヶ原養老国定公園内にあります。  養老は山よりも滝でご存知の方が多いのではないでしょうか。鎌倉時代に編纂された「古今著聞集」の「孝子源丞内」伝説の舞台が「養老の滝」。奈良時代、孝行者の息子(源丞内)が山中に湧く美酒を見つけ、瓢箪に注いで持ち帰り老父に飲ませたという逸話です。この話を聞いた時の元正天皇(女帝)は滝を見るためこわざわざこの地に行幸され、源丞内の親孝行に感心し、酒が湧いた滝を「養老の滝」と名付け(なるほど!)、年号を「養老」に変えた(やりすぎ!)とのこと。源丞内はその後美濃の守に任じられた(公正人事なのか???)が、生涯その暮らしは質素であったといいます。……ホントかや?  夫婦揃って、本調子ではないため登山口から一番近い駐車場を使いました。養老の滝の上にある駐車場(滝駐車場 1,000 円)は麓の養老公園駐車場(300円)と比べるとかなり割高ですが、滝へも5分ほどと便利。ただしここまでの道程は、クルマのすれ違いが難しい山道ですので、昼間でもヘッドライト点灯で慎重な運転を心がける必要があります。  今回は、尾根伝いに三方山、小倉山、養老山の3ピークを巡るコースを選択。スタート時間が遅いので、アセビ平には寄らず、往路をそのままピストンで戻ることにしました。  まずは駐車場で登山届に記入。林道を通り、沢を渡り。登山口に向かいます。この林道から斜めに下る道との分岐、そして川を渡る前の分岐の2カ所がわかりにくいかもしれません。でも標識をきちんと見て進めば迷うことはありません(写真参照)。  川を渡った後は九十九折の急登がしばらく続きます。養老山は石灰岩質の山らしいのですが、むき出しの岩が風化し登山道に石をまき散らしているため、登山道の一部は非常にガレて注意が必要です。また道の端が崩れかけている箇所もありました。ただし危険というほどではなく、注意して進めば安全に通ることができます。  なお養老山は紅葉の名所でもありますが、シーズンにはまだまだ、という感じでした。  稜線に上がったところにベンチあり。稜線沿いの道は広くて歩きやすく、大変快適でした。ひとつめのピーク、三方山(730m)の山頂は濃尾平野側だけに開けていましたが、あいにくの視界でほとんど何も見えず。早々に小倉山に向かいます。  小倉山の山頂間近・笹原峠は、見晴らしよく開けた平坦地で、三方山方面、小倉山方面、アセビ平方面の分岐点。ここからひと登りで小倉山の山頂です。小倉山(841m)山頂は遊歩道と東屋、テーブルなどが配置された園地になっており、見晴らしは抜群(この日はモヤモヤでしたが)。ここで、8月に富士山に一緒のツアーで登った方お二人と偶然出会うという、嬉しい出来事がありました。おひとりは愛知、もうおひとりは三重にお住まい。それが養老山地の岐阜側のピークで出会うとは!……世間は狭いですね。  小倉山で昼食をとり、養老山に向かいます。養老山(859m)の山頂は樹木に囲まれ眺望は全くありませんでした。ただ周りが木々に覆われている分、風が木の葉を揺らす音、鳥のさえずり、虫の声などの音がとても澄んで聞こえてくる気がしました。視界がない山頂はすぐに去ってしまうことが多いのですが、ここは留まり静かに耳を傾けていたい気持ちにさせてくれる山頂でした。  帰りはもと来た道をピストンで戻ります。そこで3つのものを発見しました。 ①緑色のオオセンチコガネ(この山ではややレア?)。動物の糞に集まるフンコロガシ系の虫ですが、メタリックな赤がデフォルト。生息環境により緑や青が出現します。この山はこの虫が非常に多く往路は赤を山ほど見かけたのですが、帰りには赤に混じって緑を発見。少し得した気分です。 ②行きには見落としていた地面から2〜3cmの場所に咲くセンブリの花を発見したこと。茎がほとんどなく、足元の笹に埋もれながら花だけが顔を出す非常に小型のものでした。紅葉に気を取られ、見落としそうな小さな秋を見つけて得した気分です。 ③稜線の外れで鹿の群れに遭遇。親鹿を先頭に、子鹿が数頭続いて登山道を横切っていきました。これも秋らしい風情です。  滝駐車場に戻り、今度は奥の階段で「養老の滝」へ。5分たらずで到着しました。落差は32mほど、いつ見ても清々しく気持ちの良い滝です。  今回は時間が遅くなってしまい立ち寄っておりませんが、養老公園内には「養老天命反転地」という巨大な現代美術作品があります。ご存知の方も多いと思いますが、20年前に作られた現代美術作家の故荒川修作氏とその妻で詩人の故マドリン・ギンズ氏の作品です。身体で体験できるアートとか、破天荒なテーマパークとか言われていますが、ちょっとシュールなものが好きな方は、訪れて絶対に損はしないと思います。昔は(山に登らず滝も見ず)「養老天命反転地」だけのために何度も養老に来たものでした…。興味のある方はぜひググってみてください。

養老山・笙ヶ岳・三方山 名神高速を大垣ICで下りて養老公園方面へ。めざす養老山は養老山地の北側。かなりモヤってます。
名神高速を大垣ICで下りて養老公園方面へ。めざす養老山は養老山地の北側。かなりモヤってます。
養老山・笙ヶ岳・三方山 養老の滝の上にある「滝駐車場」(下山時に撮影しました)。ここに至るには、すれ違いが出来ない細い山道を通る必要があります。ヘッドライトを点灯し慎重に。
養老の滝の上にある「滝駐車場」(下山時に撮影しました)。ここに至るには、すれ違いが出来ない細い山道を通る必要があります。ヘッドライトを点灯し慎重に。
養老山・笙ヶ岳・三方山 「滝駐車場」の奥(滝側)にあるトイレ。常時水が流れっぱなし(どうなってるの?)の水洗トイレ、清潔でした。
「滝駐車場」の奥(滝側)にあるトイレ。常時水が流れっぱなし(どうなってるの?)の水洗トイレ、清潔でした。
養老山・笙ヶ岳・三方山 「滝駐車場」には軽食や土産物のちょっとしたお店があります。「養老の滝」から下った、養老公園との間の道沿いにはもっと大規模な土産店街があります。故事にちなみ、いまも昔も瓢箪の土産物が多いですね。
「滝駐車場」には軽食や土産物のちょっとしたお店があります。「養老の滝」から下った、養老公園との間の道沿いにはもっと大規模な土産店街があります。故事にちなみ、いまも昔も瓢箪の土産物が多いですね。
養老山・笙ヶ岳・三方山 「滝駐車場」からちょっと道を戻り、林道のチェーンをまたいで登山道に向かいます。
「滝駐車場」からちょっと道を戻り、林道のチェーンをまたいで登山道に向かいます。
養老山・笙ヶ岳・三方山 なんだか、間違えそうな標識。養老山には林道をまっすぐではなく左に下れば正解。
なんだか、間違えそうな標識。養老山には林道をまっすぐではなく左に下れば正解。
養老山・笙ヶ岳・三方山 林道沿いの急斜面に立つ、何とも風格のある木が出迎えてくれました。
林道沿いの急斜面に立つ、何とも風格のある木が出迎えてくれました。
養老山・笙ヶ岳・三方山 山は石灰岩質。いたるところで露岩が風化し、こぶし大の石が道に散乱しております。
山は石灰岩質。いたるところで露岩が風化し、こぶし大の石が道に散乱しております。
養老山・笙ヶ岳・三方山 急斜面に木々が生えているせいか、根こそぎ落下している枯れ木を何度か見ました。雨上がりや風の強い日は注意が必要だと思いました。
急斜面に木々が生えているせいか、根こそぎ落下している枯れ木を何度か見ました。雨上がりや風の強い日は注意が必要だと思いました。
養老山・笙ヶ岳・三方山 ここがちょっとわかりにくい。左奥に見える緑色のフェンスよりもずっと奥(行き止まり)まで歩いて行くと、沢を渡る看板が見つかります。
ここがちょっとわかりにくい。左奥に見える緑色のフェンスよりもずっと奥(行き止まり)まで歩いて行くと、沢を渡る看板が見つかります。
養老山・笙ヶ岳・三方山 行き止まりにある看板。ここから左の沢に下ります。
行き止まりにある看板。ここから左の沢に下ります。
養老山・笙ヶ岳・三方山 沢はこんな感じ。右手に滝を眺めつつ進むと登山口です。
沢はこんな感じ。右手に滝を眺めつつ進むと登山口です。
養老山・笙ヶ岳・三方山 九十九折の急登が続きます。道幅が狭いのですれ違いはタイミングを見計らって。意外とガレていて手強いです。
九十九折の急登が続きます。道幅が狭いのですれ違いはタイミングを見計らって。意外とガレていて手強いです。
養老山・笙ヶ岳・三方山 急な斜面に、樹木が斜めに生えている感じ。紅葉はわずかに色づき始めた葉がチラホラ程度。まだ時期が早いようです。
急な斜面に、樹木が斜めに生えている感じ。紅葉はわずかに色づき始めた葉がチラホラ程度。まだ時期が早いようです。
養老山・笙ヶ岳・三方山 道は時々極端に細くなったりもしますが、よく整備されていて迷うことはありません。
道は時々極端に細くなったりもしますが、よく整備されていて迷うことはありません。
養老山・笙ヶ岳・三方山 ただし時折、道の端が崩れているところもあるので、谷側に寄らないよう注意が必要です。すれ違いや追い越し時は特に慎重に。
ただし時折、道の端が崩れているところもあるので、谷側に寄らないよう注意が必要です。すれ違いや追い越し時は特に慎重に。
養老山・笙ヶ岳・三方山 シーズンになれば、あの山肌も色とりどりに染まるのでしょうね……。
シーズンになれば、あの山肌も色とりどりに染まるのでしょうね……。
養老山・笙ヶ岳・三方山 時々、こういう場所もあります。この場所は、意外と安全に通行できました。
時々、こういう場所もあります。この場所は、意外と安全に通行できました。
養老山・笙ヶ岳・三方山 秋の予感。むむ、まだまだですが、ちょっとだけ色づき始めていますね。
秋の予感。むむ、まだまだですが、ちょっとだけ色づき始めていますね。
養老山・笙ヶ岳・三方山 急登が終わり稜線に出ると、うれしいベンチ。(下山時に撮影)。
急登が終わり稜線に出ると、うれしいベンチ。(下山時に撮影)。
養老山・笙ヶ岳・三方山 杉か檜の根元から顔を出してたのは、何の芽でしょうか?
杉か檜の根元から顔を出してたのは、何の芽でしょうか?
養老山・笙ヶ岳・三方山 稜線沿いのところどころには、植林された木々も見られます。
稜線沿いのところどころには、植林された木々も見られます。
養老山・笙ヶ岳・三方山 笹原峠へと続く稜線(右)を一旦外れ、三方山山頂へ(左)。
笹原峠へと続く稜線(右)を一旦外れ、三方山山頂へ(左)。
養老山・笙ヶ岳・三方山 三方山(730m)山頂。晴れていれば濃尾平野が一望できるはずですが、ご覧の通りモヤモヤでした。
三方山(730m)山頂。晴れていれば濃尾平野が一望できるはずですが、ご覧の通りモヤモヤでした。
養老山・笙ヶ岳・三方山 稜線に戻り、笹原峠をめざします。ようやくきれいな紅色を見つけました。
稜線に戻り、笹原峠をめざします。ようやくきれいな紅色を見つけました。
養老山・笙ヶ岳・三方山 笹原峠の分岐。右は小倉山、左はアセビ平方面。休憩所がある広々とした平地です。
笹原峠の分岐。右は小倉山、左はアセビ平方面。休憩所がある広々とした平地です。
養老山・笙ヶ岳・三方山 分岐から左手にしばらく進むと、一気に視界が開けます。笹原峠から小倉山山頂を望む
分岐から左手にしばらく進むと、一気に視界が開けます。笹原峠から小倉山山頂を望む
養老山・笙ヶ岳・三方山 なんだかボッサボサですが、その名の通り背の低い笹も生えています。
なんだかボッサボサですが、その名の通り背の低い笹も生えています。
養老山・笙ヶ岳・三方山 笹原峠から小倉山のピークに登る途中で振り返り。晴れていれば濃尾平野の絶景が広がっているはず。
笹原峠から小倉山のピークに登る途中で振り返り。晴れていれば濃尾平野の絶景が広がっているはず。
養老山・笙ヶ岳・三方山 小倉山山頂を少し下ったところ。樹間から笹原峠を望む。
小倉山山頂を少し下ったところ。樹間から笹原峠を望む。
養老山・笙ヶ岳・三方山 小倉山(841m)の山頂に着きました。ベンチやテーブルが置かれ、眺望抜群の園地になっています。
小倉山(841m)の山頂に着きました。ベンチやテーブルが置かれ、眺望抜群の園地になっています。
養老山・笙ヶ岳・三方山 小倉山頂園地。8の字の遊歩道の先には東屋も。鈴鹿方面も見渡せる絶景スポットです(晴れてたら)。
小倉山頂園地。8の字の遊歩道の先には東屋も。鈴鹿方面も見渡せる絶景スポットです(晴れてたら)。
養老山・笙ヶ岳・三方山 小倉山から養老山頂までは15分ほど。一旦下ります。
小倉山から養老山頂までは15分ほど。一旦下ります。
養老山・笙ヶ岳・三方山 この山は、木の実が特に豊富なようです。どんぐりやトチの実もよく落ちていました。そのせいか山に住む動物の排泄物も稜線上で多く見かけます。
この山は、木の実が特に豊富なようです。どんぐりやトチの実もよく落ちていました。そのせいか山に住む動物の排泄物も稜線上で多く見かけます。
養老山・笙ヶ岳・三方山 そのためオオセンチコガネ(フンコロガシの仲間)も非常によく見かけます。基本は赤メタリックですが住む場所により緑や青のタイプも存在します。緑タイプも混じってますね。
そのためオオセンチコガネ(フンコロガシの仲間)も非常によく見かけます。基本は赤メタリックですが住む場所により緑や青のタイプも存在します。緑タイプも混じってますね。
養老山・笙ヶ岳・三方山 至るところに眺望ポイントがあるのですが、午後になって一層モヤモヤに。
至るところに眺望ポイントがあるのですが、午後になって一層モヤモヤに。
養老山・笙ヶ岳・三方山 アップダウンを繰り返して養老山に向かいます。途中、林道が右手に現れます。
アップダウンを繰り返して養老山に向かいます。途中、林道が右手に現れます。
養老山・笙ヶ岳・三方山 苔生す木。
苔生す木。
養老山・笙ヶ岳・三方山 養老山(859m)山頂。一等三角点と標識がありますが、木々に囲まれ眺望はありませんでした。景色がない分、風に揺れる木々の音、鳥や虫の鳴き声に浸ることができ、これはこれで味わいがありました。
養老山(859m)山頂。一等三角点と標識がありますが、木々に囲まれ眺望はありませんでした。景色がない分、風に揺れる木々の音、鳥や虫の鳴き声に浸ることができ、これはこれで味わいがありました。
養老山・笙ヶ岳・三方山 もと来た道を、笹原峠方面へ戻ります。
もと来た道を、笹原峠方面へ戻ります。
養老山・笙ヶ岳・三方山 薄日を受けて黄色の葉が浮かび上がっていました。
薄日を受けて黄色の葉が浮かび上がっていました。
養老山・笙ヶ岳・三方山 足元の笹に埋もれつつ、可愛らしいセンブリの花が咲いていました。
足元の笹に埋もれつつ、可愛らしいセンブリの花が咲いていました。
養老山・笙ヶ岳・三方山 笹原峠あたりで見つけたマムシグサの実。
笹原峠あたりで見つけたマムシグサの実。
養老山・笙ヶ岳・三方山 アッ!ずっと奥の道を5〜6頭の鹿の群れが横切りました。撮ったつもりでしたがわからないですね、残念。
アッ!ずっと奥の道を5〜6頭の鹿の群れが横切りました。撮ったつもりでしたがわからないですね、残念。
養老山・笙ヶ岳・三方山 鹿が通って行ったポイント。半数以上が小さな子鹿でした。
鹿が通って行ったポイント。半数以上が小さな子鹿でした。
養老山・笙ヶ岳・三方山 九十九折の道を下っていきます。
九十九折の道を下っていきます。
養老山・笙ヶ岳・三方山 滝駐車場に戻り、今度は売店奥の階段で養老の滝へと下っていきます。
滝駐車場に戻り、今度は売店奥の階段で養老の滝へと下っていきます。
養老山・笙ヶ岳・三方山 なぬー!ハゲが治る?白髪が黒々と?年老いた父への孝行とは別に、「老を養う若返りの水」などという記述が。これを読むなり帽子を脱ぎ滝に頭を向けるお父さんが!(一緒に真似しました)。
なぬー!ハゲが治る?白髪が黒々と?年老いた父への孝行とは別に、「老を養う若返りの水」などという記述が。これを読むなり帽子を脱ぎ滝に頭を向けるお父さんが!(一緒に真似しました)。
養老山・笙ヶ岳・三方山 養老の滝。日本の滝百選、名水百選に選定されています。周辺には滝のしぶきが霧状になって漂っていました。
養老の滝。日本の滝百選、名水百選に選定されています。周辺には滝のしぶきが霧状になって漂っていました。

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