活動データ
タイム
05:50
距離
8.0km
のぼり
841m
くだり
816m
活動詳細
すべて見る出張から戻っても、風邪を引きずり本調子ではない自分。 一方、カミさんは風邪をこじらせ乗鞍岳以来、未だ山に登っていません。 二人とも本調子ではないものの、そろそろどこかに登っておきたいと思いつき、 以前から行きたかった、養老山地の養老山に登って参りました。揖斐関ヶ原養老国定公園内にあります。 養老は山よりも滝でご存知の方が多いのではないでしょうか。鎌倉時代に編纂された「古今著聞集」の「孝子源丞内」伝説の舞台が「養老の滝」。奈良時代、孝行者の息子(源丞内)が山中に湧く美酒を見つけ、瓢箪に注いで持ち帰り老父に飲ませたという逸話です。この話を聞いた時の元正天皇(女帝)は滝を見るためこわざわざこの地に行幸され、源丞内の親孝行に感心し、酒が湧いた滝を「養老の滝」と名付け(なるほど!)、年号を「養老」に変えた(やりすぎ!)とのこと。源丞内はその後美濃の守に任じられた(公正人事なのか???)が、生涯その暮らしは質素であったといいます。……ホントかや? 夫婦揃って、本調子ではないため登山口から一番近い駐車場を使いました。養老の滝の上にある駐車場(滝駐車場 1,000 円)は麓の養老公園駐車場(300円)と比べるとかなり割高ですが、滝へも5分ほどと便利。ただしここまでの道程は、クルマのすれ違いが難しい山道ですので、昼間でもヘッドライト点灯で慎重な運転を心がける必要があります。 今回は、尾根伝いに三方山、小倉山、養老山の3ピークを巡るコースを選択。スタート時間が遅いので、アセビ平には寄らず、往路をそのままピストンで戻ることにしました。 まずは駐車場で登山届に記入。林道を通り、沢を渡り。登山口に向かいます。この林道から斜めに下る道との分岐、そして川を渡る前の分岐の2カ所がわかりにくいかもしれません。でも標識をきちんと見て進めば迷うことはありません(写真参照)。 川を渡った後は九十九折の急登がしばらく続きます。養老山は石灰岩質の山らしいのですが、むき出しの岩が風化し登山道に石をまき散らしているため、登山道の一部は非常にガレて注意が必要です。また道の端が崩れかけている箇所もありました。ただし危険というほどではなく、注意して進めば安全に通ることができます。 なお養老山は紅葉の名所でもありますが、シーズンにはまだまだ、という感じでした。 稜線に上がったところにベンチあり。稜線沿いの道は広くて歩きやすく、大変快適でした。ひとつめのピーク、三方山(730m)の山頂は濃尾平野側だけに開けていましたが、あいにくの視界でほとんど何も見えず。早々に小倉山に向かいます。 小倉山の山頂間近・笹原峠は、見晴らしよく開けた平坦地で、三方山方面、小倉山方面、アセビ平方面の分岐点。ここからひと登りで小倉山の山頂です。小倉山(841m)山頂は遊歩道と東屋、テーブルなどが配置された園地になっており、見晴らしは抜群(この日はモヤモヤでしたが)。ここで、8月に富士山に一緒のツアーで登った方お二人と偶然出会うという、嬉しい出来事がありました。おひとりは愛知、もうおひとりは三重にお住まい。それが養老山地の岐阜側のピークで出会うとは!……世間は狭いですね。 小倉山で昼食をとり、養老山に向かいます。養老山(859m)の山頂は樹木に囲まれ眺望は全くありませんでした。ただ周りが木々に覆われている分、風が木の葉を揺らす音、鳥のさえずり、虫の声などの音がとても澄んで聞こえてくる気がしました。視界がない山頂はすぐに去ってしまうことが多いのですが、ここは留まり静かに耳を傾けていたい気持ちにさせてくれる山頂でした。 帰りはもと来た道をピストンで戻ります。そこで3つのものを発見しました。 ①緑色のオオセンチコガネ(この山ではややレア?)。動物の糞に集まるフンコロガシ系の虫ですが、メタリックな赤がデフォルト。生息環境により緑や青が出現します。この山はこの虫が非常に多く往路は赤を山ほど見かけたのですが、帰りには赤に混じって緑を発見。少し得した気分です。 ②行きには見落としていた地面から2〜3cmの場所に咲くセンブリの花を発見したこと。茎がほとんどなく、足元の笹に埋もれながら花だけが顔を出す非常に小型のものでした。紅葉に気を取られ、見落としそうな小さな秋を見つけて得した気分です。 ③稜線の外れで鹿の群れに遭遇。親鹿を先頭に、子鹿が数頭続いて登山道を横切っていきました。これも秋らしい風情です。 滝駐車場に戻り、今度は奥の階段で「養老の滝」へ。5分たらずで到着しました。落差は32mほど、いつ見ても清々しく気持ちの良い滝です。 今回は時間が遅くなってしまい立ち寄っておりませんが、養老公園内には「養老天命反転地」という巨大な現代美術作品があります。ご存知の方も多いと思いますが、20年前に作られた現代美術作家の故荒川修作氏とその妻で詩人の故マドリン・ギンズ氏の作品です。身体で体験できるアートとか、破天荒なテーマパークとか言われていますが、ちょっとシュールなものが好きな方は、訪れて絶対に損はしないと思います。昔は(山に登らず滝も見ず)「養老天命反転地」だけのために何度も養老に来たものでした…。興味のある方はぜひググってみてください。
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